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森鴎外記念館がコレクション展「鴎外の『意地』のはなし―歴史小説『阿部一族』を中心に」を開催

文京区立森鴎外記念館ではコレクション展「鴎外の『意地』のはなし―歴史小説『阿部一族』を中心に」を2024年7月5日(金)から10月6日(日)まで開催します。

 

鴎外歴史小説の魅力の発見や読書のきっかけにつながる展覧会

『山椒大夫』や『高瀬舟』など数々の歴史小説を執筆した森鴎外(1862~1922)。鴎外が歴史小説の執筆を始めたのは、1912(大正元)年9月13日、明治天皇大葬の日に陸軍大将・乃木希典が殉死したことがきっかけです。

わずか5日後、初めての歴史小説『興津弥五右衛門の遺書』を書き終え、続けて『阿部一族』『佐橋甚五郎』を執筆しました。1913(大正2)年、この三作品を収録した初めての歴史小説集『意地』(籾山書店)を刊行します。

 
『興津弥五右衛門の遺書』『阿部一族』では細川氏(熊本藩主)や家臣、『佐橋甚五郎』には徳川家康と家臣が登場し、それぞれが抱える意地が描かれています。鴎外は歴史に埋もれた逸話を小説に蘇らせることで、自らが生きる時代や社会と向き合いました。

 
鴎外が執筆した江戸時代の物語を、現代の私たちが読むことで何が見えてくるでしょうか。本展では、歴史小説集『意地』に収録された三作品の初期歴史小説を、館蔵資料や作品を読んだ文学者たちの言葉などを通して紹介します。鴎外歴史小説の魅力の発見や読書のきっかけにつながる展覧会です。

 

コレクション展「鴎外の『意地』のはなし―歴史小説『阿部一族』を中心に」開催概要

■会場:文京区立森鴎外記念館 展示室2

■会期:2024年7月5日(金)~10月6日(日) 計88日間
〔休館日〕7月22日(月)・23日(火)、8月26日(月)・27日(火)、9月24日(火)・25日(水)

■開館時間:10時~18時(最終入館は閉館30分前まで)
※ 7月9日(火)は9時より開館、8月3日(土)は20時閉館

■観覧料:一般300円(20名以上の団体:240円)
※ 中学生以下無料、障害者手帳ご提示の方と介護者1名まで無料
※ 8月3日(土)は区民無料観覧日(文京区在住・在勤・在学者対象、要身分証明書)

■主催:文京区立森鴎外記念館

★詳細:https://moriogai-kinenkan.jp/modules/event/index.php?smode=Monthly&action=View&event_id=0000002349&caldate=

 

主な展示資料

 
鴎外の二作目の歴史小説『阿部一族』初出誌(「中央公論」28年1号 大正2年1月)
藩主に許されなかった殉死に始まる阿部一族の悲劇を描く。

鴎外初めての歴史小説集『意地』(籾山書店 大正2年)
『阿部一族』『興津弥五右衛門の遺書』『佐橋甚五郎』を収録。

鴎外の元上司・石黒忠悳からの感想(石黒忠悳筆鴎外宛葉書 大正2年6月22日)
石黒は軍医で鴎外の元上司。『意地』を読み進め、夕刻から『佐橋甚五郎』を読むことを楽しみにしていると伝える。

舞台化された『阿部一族』(「演芸画報」7年6号 大正2年6月より)
『阿部一族』は大正2年5月に明治座で初めて上演された。鴎外と親交のあった俳優・伊井蓉峰(右から2人目)主演。

 

森鴎外について

1862(文久2)~1922(大正11)年。陸軍軍医、小説家、翻訳家、医学博士。本名・森林太郎。

現在の島根県鹿足郡津和野町に、津和野藩主・亀井家の典医を代々務めた森家の長男として生まれる。1877(明治5)年に10歳で上京。東京大学医学部を卒業後、陸軍軍医となる。1884(明治17)年、ドイツ留学。帰国後の1889(明治22)年に共訳詩集『於母影』を、翌年に小説『舞姫』を発表し文壇で名声を高めた。1907(明治40)年、陸軍軍医総監、陸軍省医務局長に就任。公務の傍ら、『青年』『雁』『山椒大夫』『高瀬舟』『渋江抽斎』などを執筆した。

 
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