森絵都さん×人気イラストレーターがコラボ『あしたのことば』が書き下ろし短編を加えて文庫化
『カラフル』『みかづき』などの作品で知られる森絵都さんが2020年に作家生活30周年を迎えるにあたり、8人の人気イラストレーターとの豪華コラボレーションした、『あしたのことば』が文庫化され、新潮文庫より刊行されました。
文庫化にさいしては書き下ろし短編「%」を増補、ことば」をめぐる9つの物語を収録しています。
SNSで「ことば」が凶器になる時代に、「ことば」のやさしさを感じる短編集
森絵都さんの最新文庫『あしたのことば』は、「ことば」をめぐる9つの物語を集めた短編集です。
巻頭作品の「帰り道」は、光村図書の小学六年生国語教科書に掲載された物語。おしゃべりな周也(しゅうや)と寡黙な律(りつ)は、ちょっとした行き違いから、気まずいまま下校することになります。〝何か言わなきゃってあせる〟〝思っていることが、なんで言えないんだろう〟――それぞれに思いを抱えた二人を待っていたのは?
ほかに、クラスメイトからのひと言について考える「富田さんへのメール」や、亡き祖母に思いを馳せる「遠いまたたき」、転校先で新たな一歩を踏み出す「あしたのことば」、文庫化に際して新たに加えられた書き下ろし「%」などを収録。
SNSなどによって「ことば」が凶器となる時代ですが、そんなときだからこそ、改めてことばに秘められたやさしさ、可能性を教えてくれる一冊です。
ロックバンド・チャットモンチーのドラマーとして活躍し、作家・作詞家として活動する高橋久美子さんからは、「やっぱり、言葉にしかできないことがあるぞ、諦めずに書こう、会話しよう、伝えよう、そう思いました」という推薦コメントも寄せられています。
人気イラストレーターとのコラボも実現
人気イラストレーターとの豪華コラボも実現し、作中ではカラーイラストも収録。イラストレーターのしらこさん、赤さん、長田結花さん、早川世詩男さん、100%ORANGEさん、植田たてりさん、酒井以さん、中垣ゆたかさん、阿部海太さん、今日マチ子さんの絵を収録しています。
なお、収録作品は中学入試にも頻出で、香蘭女学校中等科、横浜雙葉中学校、横浜女学院中学校、かえつ有明中学校、桜蔭中学校などで出題されています。
著者プロフィール
森絵都(もり・えと)さん
1968年生まれ、東京都出身。早稲田大学卒業。1990年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。同作品で椋鳩十児童文学賞を受賞。
1995年『宇宙のみなしご』で野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、1998年『アーモンド入りチョコレートのワルツ』で路傍の石文学賞、『つきのふね』で野間児童文芸賞、1999年『カラフル』で産経児童出版文化賞、2003年『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞、2006年『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞、2017年『みかづき』で中央公論文芸賞を受賞。
『ラン』『架空の球を追う』『気分上々』『クラスメイツ』『カザアナ』『できない相談』『おいで、一緒に行こう』『永遠の出口』『獣の夜』など、著書多数。
あしたのことば (新潮文庫) 森 絵都 (著) 今、言わなきゃ、きっと二度と言えない――言葉をめぐる9つの物語。 |
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