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彩瀬まるさん20作目は〈孤独に寄り添う物語〉――『なんどでも生まれる』が刊行

第5回高校生直木賞受賞作『くちなし』ほか、数々の文学賞にノミネートされ、 海外でも高い評価を得る作家・彩瀬まるさん著『なんどでも生まれる』がポプラ社より刊行されました。

 

迷うのも変えるのも、生き物ががんばって暮らしているから起こる、素敵なことです―― 本邦初!キュートでユーモラスなチャボ小説、誕生

彩瀬まるさんの20作目となる本書は、仕事も人間関係もうまくいかず、心身の調子を崩してしまった青年・茂とともに暮らすチャボの桜の視点で、居候先の商店街での出会いを通して茂に訪れる変化と、鳥である桜の成長を折り合わせながら、一日一日を自分らしく生ききることの豊かさを描き出した作品です。

 
鳥の視点でリアリティをもって人間の営みや心の機微を描き切るチャレンジングな試みを、愛すべきキャラクター造詣とユーモアあふれる語り口で成功させた、著者の新境地です。

 
【あらすじ】

外敵に襲われ逃げ出したところを、茂さんに助けられたチャボの桜。茂さんは、仕事も人間関係もうまくいかず心身の調子を崩して、東京の下町の商店街でジイチャンが営む金物店の二階に居候している。

ある日、茂さんを外へ連れ出してくれる相手を探しに出かけた桜は、さまざまな出会いを引き寄せることに――。一日一日を自分らしく生ききるための、止まり木のようなやさしい物語。

 
<著者の20作目となる記念碑的作品に、応援のコメント続々!>

「殻を破り、外へ生まれ出る――。
逞しくて愛おしい、奇跡の瞬間に立ち合わせてもらったような気分。
わたしも、わたしの今日を始めてみます。」
――南沢奈央さん(俳優)

「人間は脆くて弱い。そして人生はいつも練習中だ。
運に左右されることも多い。
迷え、変化を恐れるなとチャボの桜は教えてくれる。
ああ、そうだ。このチャボこそ彩瀬まるさんではなかろうか。」
――山本幸久さん(作家)

「愛嬌たっぷりの柔らかい物語だが、伝わってくるのは、力強いエールである。」
――瀧井朝世さん(ライター)「web asta*」5/20より抜粋
★書評ページ:https://www.webasta.jp/nandodemo_rv2/

「彩瀬まるの、面目躍如と言える一作。」
――吉田大助(書評家・ライター)「web asta*」5/20より抜粋
★書評ページ:https://www.webasta.jp/nandodemo_rv1/

 

人気作家陣の合同企画『明日町こんぺいとう商店街』シリーズから誕生!

本書の誕生のきっかけになった短編「川平金物店」は、人気作家陣が同じ商店街にお店を開店し、それぞれの物語を紡ぐアンソロジー『明日町こんぺいとう商店街』シリーズ(ポプラ文庫、全4巻)に収録されています。

 
それぞれのお話の登場人物たちが交錯する様子も読みどころ。本書に登場する龍臣の物語「水沢文具店」(著:安澄香奈さん)、真悟の物語「おもちゃや「うさぎや」」(著:山本幸久さん)なども、こちらで読めます。

 

著者プロフィール

撮影:干川修

撮影:干川修

彩瀬まる(あやせ・まる)さんは、1986年生まれ、千葉県出身。上智大学文学部卒業後、会社勤務を経て、2010年「花に眩む」で第9回女による女のためのR-18文学賞読者賞を受賞し、デビュー。

2012年に刊行した東日本大震災の被災記『暗い夜、星を数えて』で注目を集める。著書に、映画化された『やがて海へと届く』(第38回野間文芸新人賞候補)のほか、『くちなし』(第158回直木賞候補、第5回高校生直木賞受賞)、『森があふれる』(第36回織田作之助賞候補)、『新しい星』(第166回直木賞候補)、『あのひとは蜘蛛を潰せない』『まだ温かい鍋を抱いておやすみ』『かんむり』『花に埋もれる』など多数。

 

なんどでも生まれる
彩瀬 まる (著)

一日一日を自分らしく生ききるための、止まり木のようなやさしい物語。

 


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