美智子さまの心に刻まれた「でんでんむしのかなしみ」を知っていますか? 童話作家・新美南吉『ごんぎつね でんでんむしのかなしみ 新美南吉傑作選』が刊行
童話作家・新美南吉の『ごんぎつね でんでんむしのかなしみ 新美南吉傑作選』が新潮文庫より刊行されました。
淋しさを抱え、それでも生きようとする勇気を描く、名作童話をいま――。
わずか29歳で夭逝した新美南吉は、美智子上皇后の胸に刻まれた「でんでんむしのかなしみ」や「手袋を買いに」など、多くの心優しい童話と詩を残しました。
不遇な幼年時代でしたが、18歳で「ごんぎつね」を発表。その後、東京外国語学校英語部文科文学(現・東京外国語大学)に入学します。文学への道を歩みだした矢先、結核に罹ってしまいます。病に苦しみながらも、南吉の創作の情熱は最期まで衰えることはありませんでした。
人生の苦しみや不運を知りつくしてなお、自分の大切なものを見つめた南吉。繊細な感性が光る傑作童話11編と、数編の詩を収録しました。一人でいることに「支え」を与えてくれる一冊です。
本書の構成
〔童話〕
ごんぎつね
でんでんむしのかなしみ
花のき村と盗人たち
久助君の話
おじいさんのランプ
和太郎さんと牛
最後の胡弓弾き
手袋を買いに
花を埋める
小さい太郎の悲しみ
狐
〔詩〕
朝は
貝殻
梨
春風
疲レタ少年ノ旅
窓
年譜
著者プロフィール
新美南吉(にいみ・なんきち)は、1913(大正2)年生まれ、愛知県知多郡半田町(現・半田市)出身。幼くして母を亡くし、継母を迎え、また養子に出されるなど、複雑で孤独な環境で育った。
1932(昭和7)年、18歳の時、「ごん狐」が『赤い鳥』に掲載される。同年、東京外国語学校英語部文科に入学。巽聖歌との親交を深め、北原白秋、鈴木三重吉の知遇を得るが、21歳の年、初めて喀血し一時帰郷。卒業後、再び喀血。24歳で愛知県立安城高等女学校に就職したが、創作意欲は衰えず多くの童話や詩を書いた。
主な作品に、「ごんぎつね」「手袋を買いに」「久助君の話」「最後の胡弓弾き」などがある。初の童話集『おぢいさんのランプ』刊行後、29歳で没。
ごんぎつね でんでんむしのかなしみ:新美南吉傑作選 (新潮文庫) 新美 南吉 (著) わずか29歳で夭逝した新美南吉は、美智子上皇后の胸に刻まれた「でんでんむしのかなしみ」や「手袋を買いに」など、多くの心優しい童話と詩を残した。不遇な幼年時代だったが18歳で「ごんぎつね」を発表。その後結核に苦しみながらも、創作の情熱は最期まで衰えなかった。生きることの淋しさを抱えつつ、それでも歩もうとする勇気を、繊細な感性で描いた傑作童話11編と数編の美しい詩を収録した。 |
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