真門浩平さん「第19回ミステリーズ!新人賞受賞作」を含む作品集『ぼくらは回収しない』が刊行
短編ミステリの公募新人賞「ミステリーズ!新人賞」(現在は「創元ミステリ短編賞」にリニューアル)を2022年に受賞した真門浩平さんの作品集『ぼくらは回収しない』が東京創元社より刊行されました。
第19回ミステリーズ!新人賞受賞作を含む新人賞二冠達成! Z世代の新鋭・真門浩平さん『ぼくらは回収しない』
本書は、日食の日に名門大学の学生寮で女子大生が亡くなった事件を描く第19回ミステリーズ!新人賞受賞作「ルナティック・レトリーバー」を含む全五編を収録した独立短編集です。
真門浩平さんは3月まで現役の東京大学の大学院生でした(4月からは社会人となりました)。中学生の頃から投稿を始め、高校時代にミステリーズ!新人賞の最終候補となりました。その際の選考委員からの「もう一回り大きくなって応募してくるに違いない」という言葉を支えに、受験や就活と並行して投稿を続けてきました。
ミステリーズ!新人賞の受賞と同時期に本格ミステリの新人発掘プロジェクト「カッパ・ツー」にも入選し、大きな注目を集めています。
選考会では、
「動機の特異性や事件での厳しい経験を抱えつつも、懸命に生きていく主人公など、ぐっと心に迫るものが描き切られています」(大倉崇裕さん)、
「ひとつめの推理をひっくり返しての真相解明という、ミステリ小説の醍醐味もありました」(大崎梢さん)、
「さらなる飛躍を予感させる、次作も読みたい作家」(米澤穂信さん)
…と賞賛されました。
また、出身大学である東京大学卒の先輩作家からも熱烈な応援コメントが届いています!
「W受賞で二つの個性を示す。
或いはダークな剛腕を、ここには多彩な色彩を。」
――阿津川辰海さん
「回収されないものに核心が潜む。
《推理の先》を射抜く新たな才能。」
――市川憂人さん
「謎解きと人間ドラマの刹那的かつ必然的な融合に幾度となく魅せられた。」
――辻堂ゆめさん
【あらすじ】
数十年に一度の日食が起きた日、名門大学の学生寮で女子大生が亡くなった。密室状態の現場から自殺と考えられたが、小説家としても活躍し、才気溢れた彼女が死を選ぶだろうか?
三年間をともに過ごしながら、孤高の存在だった彼女と理解し合えないまま二度と会えなくなったことに思い至った寮生たちは、独自に事件を調べ始める――。第19回ミステリーズ!新人賞受賞作「ルナティック・レトリーバー」を含む五編を収録。大胆なトリックと繊細な心理描写で注目を集め、新人賞二冠を達成した新鋭による、鮮烈な独立作品集。
〔収録作品〕
「街頭インタビュー」
「カエル殺し」
「追想の家」
「速水士郎を追いかけて」
「ルナティック・レトリーバー」
著者プロフィール
真門浩平(まもん・こうへい)さんは、1999年、アメリカ生まれ。東京大学大学院情報理工学系研究科修了。中学時代にミステリーズ!新人賞への応募を始め、2022年に投じた「ルナティック・レトリーバー」で、名称変更前の最後(第19回)の機会に同賞を受賞。2023年には「麻坂家の双子喧嘩」が、新人発掘プロジェクト「カッパ・ツー」第三期に入選した(刊行に際し、『バイバイ、サンタクロース 麻坂家の双子探偵』と改題) 、期待の俊英。
ぼくらは回収しない (ミステリ・フロンティア) 真門 浩平 (著) 大倉崇裕・大崎梢・米澤穂信 三選考委員、賞賛! 大学の寮で、高校の部室で、 装画:カシワイ |
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