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『源氏物語』を世界に広めたアーサー・ウェイリーの『The Tale of Genji』が与えた衝撃とは? 毬矢まりえさん講座「なぜ『源氏物語』は世界で読まれたか」が開講

源氏物語 A・ウェイリー版(左右社)

源氏物語 A・ウェイリー版(左右社)

NHK文化センターは、講座「なぜ『源氏物語』は世界で読まれたか ウェイリー訳の「再和訳」から」(全4回)を青山教室にて開催します。

百年前、イギリスで翻訳された源氏物語は、なぜこれほど人々の心をとらえたのでしょうか。英訳を再び現代日本語訳した毬矢まりえさんがその真相に迫ります。

 

「文学において時として起こる奇跡」――なぜ『源氏物語』は世界で読まれたか?

今からおよそ百年前。
イギリスの東洋学者アーサー・ウェイリーによる初の英語全訳『The Tale of Genji』が刊行されます。

 
「天才の小説」「文学において時として起こる奇跡」と、イギリス文壇に旋風が巻き起こります。レディ・ムラサキと呼ばれた紫式部による「源氏物語」は「世界屈指の傑作」と認められ、ヨーロッパ中で読まれることとなりました。

 
彼の訳には、様々な文化と文学が重層的に織り込まれています。シェイクスピアやロマン派の詩、プルースト、当時のモダニズム文学、神話や旧約聖書。そして、「あはれ」はどう訳されたのか。

高く評価されたウェイリー訳の魅力を、現代日本語へ「再和訳」した過程から探り直していきます。

 

講座「なぜ『源氏物語』は世界で読まれたか ウェイリー訳の「再和訳」から」開催概要

■講師:毬矢まりえさん(俳人、評論家、『A・ウェイリー版 源氏物語』翻訳者)

■受講形態:NHK文化センター青山教室での受講

■開催日時:2024年4月3日(水)、4月17日(水)、5月8日(水)、5月15日(水)10:30~12:00

■カリキュラム(全4回)
◎4月3日:アーサー・ウェイリーとはだれか
◎4月17日:シャイニング・プリンス(光る君)の物語
◎5月8日:「あはれ」について
◎5月15日:紫式部からレディ・ムラサキへ――「らせん訳」について

■受講料金(税込): NHK文化センター会員 15,136円/ 一般(入会不要)17,864円

■主催:NHK文化センター青山教室

★詳細&申込み:https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1291990.html

 

講師プロフィール

毬矢まりえ(まりや・まりえ)さんは、俳人、評論家。アメリカのサン・ドメニコ・スクール卒業。慶應義塾大学文学部フランス文学科卒業、同博士課程前期中退。

『源氏物語 A・ウェイリー版』全4巻(左右社)を妹の森山恵さんとともに現代語に訳し戻し「ドナルド・キーン特別賞」を受賞。著書に『ドナルド・キーンと俳句』(白水社)、『ひとつぶの宇宙』(本阿弥書店)、『みんなで読む源氏物語』(共著・ハヤカワ新書)、『レディ・ムラサキのティーパーティ らせん訳「源氏物語」』(講談社)がある。

 

源氏物語 A・ウェイリー版1
紫式部 (著), アーサー ウェイリー (翻訳), 毬矢 まりえ (翻訳), 森山 恵 (翻訳)

このヴィクトリアン・GENJIを読むまで私は源氏物語を理解していなかった!
このまま漫画にしてみたい!
竹宮惠子

光り輝く美貌の皇子シャイニング・プリンス、ゲンジ。

日本の誇る古典のなかの古典、源氏物語が英訳され、ふたたび現代語に訳し戻されたとき、男も女も夢中にさせる壮大なストーリーのすべてのキャラクターが輝きだした!

胸を焦がす恋の喜び、愛ゆえの嫉妬、策謀渦巻く結婚、運命の無常。
1000年のときを超えて通用する生き生きとした人物描写と、巧みなストーリーテリング。
源氏物語のエッセンスをダイレクトに伝える、こころを揺さぶられる決定版!
こんなにも笑えて泣けて、感動する物語だった!

光源氏が「ゲンジ」「シャイニング・プリンス」とカタカナ表記される、ちょっと不思議な世界にようこそ!
ページをめくるたび立ち現れる言葉と文体のなんと新鮮なことか。
古典の素養なんて気にしないでいいから、とにかく読んでみて欲しい…その全てが異色の「源氏物語」体験として、あなたの中に残るだろう。
(トミヤマユキコ)

この歴史的な名訳を世に送り出したのは、天才アーサー・ウェイリーでした。
大英博物館に勤務しながら独学でマスターした日本語で、彼はこの傑作を手がけました。
刊行されるや「黄金時代の日本から来た最高の文学作品」と大絶賛され、本書は一躍ベストセラーに。
紫式部は、中世日本の生んだプルーストと呼ばれ、はてはシェイクスピアまでを引き合いに評されました。
スペイン語やイタリア語版の底本となったばかりではありませんでした。
アメリカでも評判となったこの本との出会いが、ドナルド・キーンさんの生涯を決めたといいます。
原文を何度も読んで頭に入れ、一気に訳文を書き下ろす。
ウェイリー流のスタイルで、ときには大胆に省略し、ときには解釈にも踏み込んだ訳文。
その生き生きとした文章の魅力は、とりわけ会話文に表われます。
プリンス・ゲンジの艶やかなキャラクターを立ち上がらせ、プリンセスやレディたちの恋のときめきも、嫉妬の苦しみも描ききる。
あまたの読者を源氏物語の世界に惹き込んだ傑作です。

第1巻ではプリンス・ゲンジの誕生(「桐壺」)から、ひととき彼の運命に翳りがさす物語の山場「須磨」「明石」までを収めます(全4巻)。
和歌表記監修:藤井貞和

レディ・ムラサキのティーパーティ らせん訳「源氏物語」
毬矢 まりえ (著), 森山 恵 (著)

源氏物語はなぜ「世界文学」になったのか?千年前に紫式部が書き、百年前にアーサー・ウェイリーが英訳した「源氏物語」を現代日本語に再翻訳した著者が、時空を超えた物語の秘密と魅力を解きあかす。

高橋源一郎氏、推薦!
文学史に残る偉業、らせん訳「源氏物語」には、翻訳者姉妹による、もう一つの輝く「らせん」が埋めこまれていたのだ。

レディ・ムラサキとは、一体だれなのか?1925年、アーサー・ウェイリーによる初の英語版が刊行されて以来、世界各国に翻訳された「源氏物語」は、時代を超え国境を越え、中国古典からギリシャ・ローマ神話、聖書、シェイクスピア、プルーストやウルフらモダニズム文学、そして現代まで――。数多の異言語・異文化の波を潜り、「世界文学」として新たに生まれ変わった。千年前の古典原文、百年前の英語、現代日本語を往還しながら、『源氏物語』の〈らせん訳〉=トランスクリエーションを成し遂げた著者による、発見の喜びにみちた評論エッセイ!

 
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