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鈴木涼美さん〈源氏物語×歌舞伎町〉『YUKARI』が刊行

芥川賞候補作『ギフテッド』の著者である鈴木涼美さんによる完全書き下ろし、書簡形式の小説『YUKARI』が徳間書店より刊行されました。

 

芥川賞候補作『ギフテッド』の鈴木涼美さんが描く「源氏物語」×「歌舞伎町」

三浦瑠麗さん推薦
「与えたい女、奪う男――「多情」の心の裡がみごとに綴られている。」

 
本書のテーマは源氏物語×歌舞伎町。歌舞伎町を舞台に「男によって顔を変える女の多面性」にフィーチャーし、たった一人の女が魅せる狡さや怖さ、儚さ……といった一人の女の生き様を描いた作品です。

これまで鈴木涼美さんが書きたいと願っていた書簡形式で綴る、これまでにないコンセプチュアルな小説となっています。

 
<本文より>

私はどれか一人の女ではない、また私と同じ店で働いてきた四十も五十もいる女たちがそれぞれいずれかの女性像に似ているのではないのです。お客が次々に女を変えて、多様な女たちが彼の夜の生活を彩るわけではない、私たちは一人であるのです。

 
【あらすじ】

婚約者との結婚を控え、何の不自由もなく暮らしていた紫。あるダンサーとの過ちを機に、高校時代に惹かれた柿本先生に手紙を出すことに。そこで綴られるのは、幾度となく先生が話してくれた『源氏物語』のことだったーー。

 

著者コメント〈本人X(旧Twitter)より〉

完全書き下ろしの書簡形式の小説です。テーマは源氏物語×歌舞伎町。金井美恵子『お勝手太平記』や井上ひさし『十二人の手紙』が大好きでいつか書きたかったお手紙で綴るお話を悪女とともに楽しんでください。

 

本書の目次

一の手紙 浅茅が露にかかるささがに

二の手紙 山の端の心も知らで行く月は

三の手紙 波路へだつる夜の衣を

四の手紙 嘆きわび空に乱るるわが魂を

五の手紙 今はかひなき恨みだにせじ

六の手紙 風に乱るゝ萩の上露

七の手紙 草の原をば問はじとや思ふ

 

著者プロフィール

鈴木涼美(すずき・すずみ)さんは、1983年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学卒業。東京大学大学院修士課程修了。小説『ギフテッド』が第167回芥川賞候補、『グレイスレス』が第168回芥川賞候補。

著書に『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』『愛と子宮に花束を 夜のオネエサンの母娘論』『おじさんメモリアル』『ニッポンのおじさん』『往復書簡 限界から始まる』(共著)『娼婦の本棚』『8cmヒールのニュースショー』『「AV女優」の社会学 増補新版』『浮き身』『トラディション』などがある。

 

YUKARI
鈴木涼美 (著)

 


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