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一条天皇をめぐるふたりの后の愛憎絵巻――秋山香乃さん『無間繚乱』が刊行

歴史小説の気鋭・秋山香乃さんによる、一条天皇をめぐるふたりの后の愛憎絵巻『無間繚乱』が徳間書店より刊行されました。

 

2024年NHK大河ドラマ「光る君へ」の世界を歴史小説の気鋭・秋山香乃さんが華麗に描く!

 
【あらすじ】

愛され続けた女性(ひと)、
愛し続けた女性(ひと)。

明るく聡明で美しい定子(さだこ)。
内気ながら慈愛に満ちた彰子(あきこ)。
一条天皇をめぐるふたりの后の愛憎絵巻。

 
第66代一条帝の辞世の句を、内覧並びに左大臣の藤原道長は 「露の身の 草の宿りに 君をおきて 塵を出でぬる ことをこそ思へ」と書き留め、 帝に親しく仕えた権大納言藤原行成は 「露の身の 風の宿りに 君をおきて 塵を出でぬる 事ぞ悲しき」と記した。
道長は歌の中の「君」は中宮彰子を指すのだと解したが、 行成は皇后定子を呼んだ言葉だと確信をもって綴った。

死ぬ間際に一条帝が呼びかけた「君」とは、誰なのか。

関白内大臣藤原道隆の娘・定子と、時の権力者左大臣藤原道長の娘・彰子。 ともに一条天皇の后として藤原氏の権力争いに翻弄された ふたりの女性を中心に展開される華麗なる平安絵巻。

 
〈本文より〉

その数日後にやっと帝と二人きりの時間が持てた。このとき彰子は、帝にとある冊子を贈った。後の世にいう「源氏物語』だ。今まで『源氏物語』は各帖ごとに愛好家の間で書き写されて出回っていた。こうして、冊子にこれまでに綴られたものを作者の意図のまままとめたものは存在しなかった。それを、このたび紫式部に命じてまとめさせたのだ。紫式部はここで初めて冊子の表に、『源氏の物語』と題を書き入れた。
その貴重な冊子を、先日の漢詩の御礼に彰子は帝に贈った。

 

著者コメント

あれは四十年前、高校の古典の時間。
一条天皇を巡る二人の女性が、男たちの権力闘争に運命を左右され、かたや転落し、かたや上っていく。
そこにはどんな女の心と決意があったのか……と想像したものです。
ようやく形になりました。
――秋山香乃

 

著者プロフィール

秋山香乃(あきやま・かの)さんは、1968年生まれ、福岡県北九州市出身。活水女子短大卒業。2002年『歳三 往きてまた』でデビュー。

2018年『龍が哭く 河井継之助』で第6回野村胡堂文学賞を受賞。主な著作に『総司炎の如く』『伊庭八郎凍土に奔る』『天狗照る 将軍を超えた男-相場師・本間宗久』『獺祭り 白狐騒動始末記』『氏真、寂たり』等がある。

 

無間繚乱
秋山香乃 (著)

 


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