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松樹凛さん「第12回創元SF短編賞」受賞作を含むデビュー短編集『射手座の香る夏』が刊行

2021年に発表された「第12回創元SF短編賞」受賞作を含む四編を収録した、松樹凛さんのデビュー短編集『射手座の香る夏』が東京創元社より刊行されました。

 

第12回創元SF短編賞受賞作を含む、注目の新世代SFが登場!

 
「人生の最高の一瞬」を切り取って読者に差し出そうとする強い意志。これこそは「青春小説」の証しだろう。
――飛浩隆さん(解説より)

 
『射手座の香る夏』は、「夏」を舞台に、苦さと爽やかさを巧緻に織り交ぜた新世代のSF作品集として注目を集めています。

第12回創元SSF短編賞を受賞した表題作(受賞時のタイトルは「夜の果て、凪の世界」)は、当時の選考委員である堀晃さん、酉島伝法さん、東京創元社編集部の小浜徹也さんより、「見事な語り口である。」「構成は巧みで緩急があり」「小説家としての安定を感じた」など、高い評価を受けて受賞が決定しました。

 
受賞作を加筆修正し、新たに執筆された作品を加えた本作は、SFとしてももちろん、郷愁を誘うノスタルジックな物語として、また密かにそして緻密に張り巡らされた伏線の妙を楽しむ作品としても読み応え抜群の一作です。

 
解説は飛浩隆さんが担当。松樹作品との出会いから語られ、デビュー前のエピソードなどを絡めて各短編を解説した文章は、松樹凛さんと本作『射手座の香る夏』への温かい眼差しに満ちたひとつの物語のようです。

 
【あらすじ】

第12回創元SF短編賞受賞作にはじまるデビュー作品集

意識の転送技術を濫用し、危険で違法な〈動物乗り〉に興じる若者たち。少女の憂鬱な夏休みにある日現れた、”影”たちをつれた男の子。出生の〈巻き戻し〉が制度化された世界で、過ぎ去りし夏の日の謎を追う男性。限りなく夏が続く仮想現実世界で、自らの身体性に思い悩む人工知性の少年少女――夏を舞台とする四つの小説に、青春のきらめきと痛みを巧みに閉じ込めた、第12回創元SF短編賞受賞作を含むデビュー作品集。

 
〔収録作品〕
「射手座の香る夏」
「十五までは神のうち」
「さよなら、スチールヘッド」
「影たちのいたところ」

 

著者プロフィール

松樹凛(まつき・りん)さんは、1990年生まれ。慶應義塾大学推理小説同好会出身。2020年〈飛ぶ教室〉第51回作品募集に佳作入選、2021年に第8回 日経「星新一賞」で優秀賞を、同年「射手座の香る夏」で第12回創元SF短編賞を受賞。

 

射手座の香る夏 (創元日本SF叢書)
松樹 凛 (著)

寂れた島で過ごした夏、記憶の中で鮮やかさを増す夏、限りなく続く仮想の夏――
夏を舞台とする四編に、青春のきらめきと痛みを封じこめた、第十二回創元SF短編賞受賞作を表題とするデビュー作品集。

装画:hale(はれ)
装幀:アルビレオ

 


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