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【第24回現代短歌新人賞】菅原百合絵さん『たましひの薄衣』が受賞

さいたま市は、歌壇に新風をもたらす歌人を表彰する「第24回現代短歌新人賞」の受賞作を発表しました。

 

第24回現代短歌新人賞が決定!

第24回現代短歌新人賞の選考会が12月2日に開催され、次の通り受賞作品が決定しました。

 
<第24回現代短歌新人賞 受賞作品>

菅原百合絵(すがわら・ゆりえ)さん
『たましひの薄衣』(書肆侃侃房)

 
選考委員は、小池光さん(歌人)、高橋順子さん(詩人)、栗木京子さん(歌人)、米川千嘉子さん(歌人)。

 
【選考委員講評】
「作者は1990年生まれの若い歌人だが、該博な知識と深い教養を備えて、古典的様式美の世界の新鮮な構築に成功している。美意識に溺れることなく、現実を率直、端的にすくい上げ、ときにユーモラスですらある。」

 

受賞者プロフィール

菅原百合絵さんは、1990年生まれ、東京都出身。京都大学人文科学研究所准教授。パリ・シテ大学(旧パリ第七大学)博士課程修了。専門は18世紀フランス文学。「東京大学本郷短歌会」「パリ短歌クラブ」元会員(現在いずれも解散)。「心の花」会員。

 

現代短歌新人賞について

現代短歌新人賞は、日本現代短歌界の振興と、さいたま市民の文学活動の充実を図るために、歌壇に新風をもたらす方を表彰し、新人歌人の発掘・支援を行うことを目的とする短歌賞です。さいたま市・さいたま市教育委員会が主催、文化庁・埼玉県・埼玉県教育委員会・本阿弥書店が後援。

有識者(歌人等約180名)を対象としたアンケートを行い、多くの推薦を受けた歌集および、選考委員が推薦する歌集を併せて、選考会にて決定します。

第24回は、令和4年10月1日から令和5年9月30日までに刊行された、原則として第一歌集を対象としています。

 

「第24回現代短歌新人賞」表彰式及び特別講演について

■日時:令和6年3月17日(日)14時~16時(13時開場)

■会場:生涯学習総合センター(シーノ大宮センタープラザ10階)
[住所] さいたま市大宮区桜木町1-10-18)

■特別講演:今井恵子さん「現代短歌史の構想(篠弘の遺したもの)」

■定員:180名(要事前申込み・先着順)

■費用:無料

■申込期間:令和6年2月8日(木)~令和6年3月8日(金)

■申込方法
◎さいたま市ホームページ:「第24回現代短歌新人賞表彰式・特別講演のお知らせ」(https://www.city.saitama.jp/003/003/001/p069204.html)から申込み
◎電話又はFAXで申込み:電話番号=048-829-1705/FAX=048-829-1989

★詳細:https://www.city.saitama.jp/006/014/008/003/012/009/p100737.html

 

たましひの薄衣
菅原百合絵 (著)

ほぐれつつ咲く水中花――ゆつくりと死をひらきゆく水の手の見ゆ
満を持して刊行される、菅原百合絵待望の第一歌集。

人間が荒れ狂う今世紀にこのような美しい歌集が生まれたことをことほぎたい。
────水原紫苑

静謐で深い歌の探求が続けられていたことに胸を打たれる。
────野崎歓

【収録歌より】
ネロ帝の若き晩年を思ふとき孤独とは火の燃えつくす芯
たましひのまとふ薄衣(うすぎぬ)ほの白し天を舞ふときはつかたなびく
水差し(カラフ)より水注(つ)ぐ刹那なだれゆくたましひたちの歓びを見き
一生は長き風葬 夕光(ゆふかげ)を曳きてあかるき樹下帰りきぬ
「わたしの夫(モン・マリ)」と呼ぶときはつか胸に満つる木々みな芽ぐむ森のしづけさ

 
【関連】
さいたま市/(令和5年12月21日発表)第24回現代短歌新人賞が決定しました

 


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