標野凪さん「伝言猫」シリーズ第2弾『伝言猫が雪の山荘にいます』が刊行
代表作『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』からなるシリーズが累計17万部を突破、読者の間で「読むと心が癒される」と話題の作家・標野凪さんが、最新ヒット作『伝言猫がカフェにいます』の続編『伝言猫が雪の山荘にいます』をPHP文芸文庫より刊行しました。
この「伝言猫」シリーズは、天寿を全うした猫が主人公の連作短編集で、「命は消えても、つながりは消えない」という著者の思いが込められています。
「会いたい人」に想いを届ける猫が活躍する物語
人間と旅に出たり、探偵として謎解きしたりするなど、猫が「お仕事」をする物語は枚挙に暇がありません。「伝言猫」シリーズもまた、天寿を全うし、虹の橋を渡った猫のふー太の活躍を描くお仕事小説です。
ふー太は、あの世とこの世の境にあるカフェ・ポンで「伝言猫」として採用され、働くことになりました。「伝言猫」の仕事は、カフェに来店したお客様がアンケートに書いた「会いたい人」に行き、受け取った「想い」をその人に届けることです。
この仕事を5回達成すれば、ふー太にも「会いたい人に会える」という報酬が待っています。ふー太が奮闘する様子に、『伝言猫がカフェにいます』の読者からは、「想いを受け取る場面にジンとした」「ふー太の、人間は複雑なことに悩みすぎるという言葉にハッとした」「うちの子も、虹の橋の向こうで頑張っていると考えたら元気になれた」など、感動のコメントが寄せられています。
第2弾はミステリ仕立て
続編『伝言猫が雪の山荘にいます』でも、ふー太は伝言猫として活躍します。依頼を受けたふー太が向かったのは、意外にも雪の山荘です。
今作で著者と編集者は、続編の舞台を設定するにあたり、自分たちが「猫」や「カフェ」と同じくらい好きな「ミステリ」を取り入れたいと考えました。
登場人物全員が山荘に閉じ込められたクローズド・サークルで物語が展開されるという、第一巻にはないドキドキ感を取り入れつつも、猫の視点から人間のあたたかさを見つめなおした意欲作です。
カフェを経営する猫好き作家だから描ける世界
著者の標野凪さんは、現在も都内でカフェを経営するユニークな作家です。「伝言猫」シリーズには、カフェでの豊富な接客経験と、最期を看取った飼い猫への想いがつまっています。
主人公・ふー太が、すぐ居眠りをしたり、ふくらませた「しっぽ」を使って伝言を届けたりするなど、かわいらしい猫のしぐさや習性は、愛猫との暮らしを参考に描かれました。ファンタジックな設定とリアルな描写の絶妙なバランスは、本作品の魅力の一つです。「伝言猫」の世界は、たとえ会えなくても大切な存在とつながっていられることを教えてくれます。
著者プロフィール
標野凪(しめの・なぎ)さんは、静岡県浜松市出身。東京、福岡、札幌と移り住む。福岡で開業し、現在は東京都内で小さなお店を切り盛りしている現役カフェ店主でもある。
2018年「第1回おいしい文学賞」にて最終候補となり、2019年に『終電前のちょいごはん 薬院文月のみかづきレシピ』でデビュー。
著作に「終電前のちょいごはん」「喫茶ドードー」「伝言猫」シリーズほか、『占い日本茶カフェ「迷い猫」』『本のない、絵本屋クッタラ おいしいスープ、置いてます。』などがある。
伝言猫が雪の山荘にいます (PHP文芸文庫) 標野 凪 (著) 猫は「想い」をどこまでも届けます。 あの世とこの世のあいだにあるカフェ・ポンの店主・虹子に雇われて、もう会えない人からの想いを伝える「伝言猫」として働くふー太。伝言を届けるべき人たちが、ある事情で一堂に会するという山荘に向かうことに。ところが、大雪によって全員、その山荘に閉じ込められてしまう。ミステリ好きのふー太は、なにか事件が起こるのではないかと、山荘にいるそれぞれの人物を探ろうとするが……。 文庫書き下ろし。 |
<既刊>
伝言猫がカフェにいます (PHP文芸文庫) 標野凪 (著) もう会えない人からの「想い」を猫が届けます。 あの世とこの世の境にあり、「会いたい人に会わせてくれる」と噂のカフェ・ポン。天寿を全うした猫のふー太は、「仕事を5回達成すると、会いたい人に会える」という報酬につられ、店主・虹子のもとで働くことに。 文庫書き下ろし。 目次 |
◆カレー・オブ・ザ・イヤー2022企画部門受賞「ネコとカレーライス」第2弾!藤野ふじのさん『ビリヤニとガンジスの朝焼け』が刊行 | 本のページ
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