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2023年「日本で一番売れた新書」は 磯田道史さん『日本史を暴く』

中央公論新社が2022年11月に刊行した中公新書『日本史を暴く』(著:磯田道史さん)が、トーハンと日販が発表した2023年年間ベストセラーの「新書ノンフィクション」部門および楽天ブックスの新書部門にて、それぞれ年間売上第1位を獲得しました。

 

中公新書だけれど)とても読みやすい!

中公新書は、アカデミックで、難解なテーマを取り扱うレーベルと見られがちですが、『日本史を暴く』は、61ものテーマを約3ページずつ、エッセイのように読める仕様です。磯田道史さんの人気ももちろんですが、その気軽さ、お得さも多くの読者を獲得することにつながりました。

 
【本書の概要】

歴史には裏がある。古文書を一つずつ解読すると、教科書に書かれた「表の歴史」では触れられない意外な事実が見えてきます。明智光秀が織田信長を欺けた理由、信長の遺体の行方、江戸でカブトムシが不人気だった背景、忍者の悲惨な死に方、赤穂浪士が「吉良の首」で行った奇妙な儀式、漏洩していた孝明天皇の病床記録……。ほこりをかぶった古文書と格闘し続ける著者だからこそ描けた、戦国、江戸、幕末の「歴史の裏側」が満載の一冊。

〔本書の目次〕

歴史には裏がある――まえがき

第1章 戦国の怪物たち
・大仏を焼いたのは松永久秀か
・久秀が大悪人にされた理由
・信長は「地球は球体」をひろめた
・明智光秀の出世術
・光秀登場の黒幕
・細川家に伝わる「光秀謀反」の真相
・信長の遺体の行方
・水攻めを許した毛利の事情
・比類なき戦国美少年と淀殿
・秀頼の実父に新候補
・潜入失敗、忍者もつらいよ
・家康がうけた外科手術
・家康の築城思想

第2章 江戸の殿様・庶民・猫
・三代・徳川家光の「女装」
・甲賀忍者も勤め人
・尾張藩主の連続死に迫る
・「幻の忍術書・間林精要」発見
・忍者のミッション・インポッシブル
・赤穂浪士の「吉良の首切断式」
・内匠頭の年賀状発見
・漫画で考える災害史、女性史
・女性の力で出来た藩
・「丹後ちりめん」の誕生
・江戸時代の猫寿命
・猫に「ミカンの皮」は毒
・カブトムシの日本史
・浦上玉堂と松平定信の接点
・江戸の「買春」価格は?
・江戸期のグルメ旅行
・座礁クジラは数千万円
・殿様の警護マニュアル
・鼠小僧は「義賊」にあらず
・「最後の女性天皇」の譲位
・大変だった譲位の儀礼
・梅の宴から生まれた「令和」
・新開発の退位儀式

第3章 幕末維新の光と闇
・西郷隆盛、闇も抱えた男
・幕末、公家の花見行
・「コメ日本の圏外」が育んだ発想
・京都へ単身赴任した仙台藩兵の日記
・松平容保と高須藩の謎
・孝明天皇の病床記録
・龍馬の遺著か、『藩論』の発見
・「薩長密談の茶室」を救う
・日本人チョンマゲのやめ方
・修学旅行の始まり
・もみじ饅頭と伊藤博文

第4章 疫病と災害の歴史に学ぶ
・ねやごとにも自粛要請
・感染楽観で繰り返した悲劇
・身代潰した「給付なき隔離」
・感染症から藩主を守る
・「サミット・クラスター」の韻
・疫病下の粋な人助け
・疫病史に照らせば中盤か
・最古のマスク広告か
・「江戸マスク」開発者二人の末路
・江戸時代に「オミクロン」?
・口と鼻でたどる日本文化史
・西日本で地震連動の歴史
・京都の震災復興、公家の苦闘
・正常性バイアスは怖い

主要人名索引

 

著者プロフィール

磯田道史(いそだ・みちふみ)さんは、1970年生まれ、岡山県出身。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(史学)。茨城大学准教授、静岡文化芸術大学教授などを経て、2016年4月より国際日本文化研究センター准教授、2021年より同教授。2018年、伊丹十三賞を受賞。

著書は『武士の家計簿』(新潮新書、新潮ドキュメント賞受賞)、『天災から日本史を読みなおす』(中公新書、日本エッセイストクラブ賞受賞)など多数。

 

日本史を暴く-戦国の怪物から幕末の闇まで (中公新書)磯田 道史 (著)

歴史には裏がある。歴史には闇がある。
知っているつもりの日本史も史料をもとに読みなおせば、新たな面が見えてくる。松永久秀が大悪人とされたのはなぜか、鼠小僧は義賊ではなかった?、最後の女性天皇はいかに譲位したか、孝明天皇の病床記録はなぜ漏れたのか――。戦国、江戸、幕末の驚きの真相が満載。忍者や忠臣蔵など馴染みあるテーマの実像や、疫病と日本人の闘いの歴史も明らかにした。大人気歴史エッセイの最新作。

 


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