芥川賞作家・津村記久子さん「サッカー本大賞2019」受賞作『ディス・イズ・ザ・デイ』が文庫化
2019年に「第6回サッカー本大賞」を受賞した、津村記久子さん著『ディス・イズ・ザ・デイ』(朝日新聞出版)が文庫化され、朝日文庫より刊行されました。
小説でのサッカー本大賞受賞は初! 津村記久子さん『ディス・イズ・ザ・デイ』
サッカー本大賞2019では、中村武彦さん著『MLSから学ぶスポーツマネジメント 躍進するアメリカサッカーを読み解く』と、芥川賞作家・津村記久子さんによる長編小説『ディス・イズ・ザ・デイ』が大賞を同時受賞しましたが、同賞を小説が受賞したのは初となります。
![『ディス・イズ・ザ・デイ』著者・津村記久子さん](http://bookpooh.com/wp-content/uploads/2019/03/20190329_c.jpg)
『ディス・イズ・ザ・デイ』著者・津村記久子さん
著者の津村記久子さんは授賞式のスピーチで、「サッカーを観る才能のない自分がサッカーの小説を書いていいものか、これを発表したらサッカー好きの人に怒られるのではないかと心配でした」と話し、それだけに本賞受賞はありがたいことだと語りました。
『ディス・イズ・ザ・デイ』は、架空のサッカー国内2部リーグのサポーターを主人公とする連作小説。タイトルは「今日がその日だ」といったような意味で、リーグ最終節の1日を中心に、全国各地の、性別も世代も職業もさまざまな市井の人たちが登場し、サッカーが織り込まれたそれぞれの人生模様を情感豊かに描いています。
【あらすじ】
「こういう話をしてるとさ、どんな気持ちでも生きていけるんじゃないかって思うよね」
22のチーム、22の人生――
サッカー国内2部リーグ22チームの22人のファンたちは、それぞれの思いを抱いて今季最終試合のザ・デイ、「その日」に向かう。職場の人間関係に悩む会社員、別々のチームを応援することになった家族、憧れの先輩に近づきたい男子高生、両親の離婚で十数年ぶりに再会した孫と祖母など、ごく普通の人たちのかけがえのない人生を、サッカーを通してエモーショナルに描き出した、一話完結の連作小説集。
サッカー本大賞について
サッカー本大賞は、2014年にカンゼンが創設した文学賞です。前年の1月1日から12月31日に刊行されたサッカー本(実用書、漫画をのぞく)を対象とします。
一次選考によって「優秀作品」を選出。優秀作品を対象とする最終選考で大賞が決定します。また、読者の投票によって「読者賞」が決定します。
ディス・イズ・ザ・デイ (朝日文庫) 津村 記久子 (著) |
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