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【サッカー本大賞2019】津村記久子さん『ディス・イズ・ザ・デイ』、中村武彦さん『MLSから学ぶスポーツマネジメントく』が大賞を受賞

カンゼンは3月27日、「サッカー本大賞2019」の受賞作を発表しました。

 

サッカー本大賞2019が決定! 大賞は2作品同時受賞

日本出版クラブにて3月27日、「サッカー本大賞2019」授賞式が開催され、次の通り各賞が発表されました。

 
■大賞

◎津村記久子さん『ディス・イズ・ザ・デイ』(朝日新聞出版)

◎中村武彦さん、LeadOff Sports Marketing『MLSから学ぶスポーツマネジメント 躍進するアメリカサッカーを読み解く』(東洋館出版社)

 
■翻訳サッカー本大賞

◎ジェームズ・モンタギューさん著/田邊雅之さん翻訳
『億万長者サッカークラブ サッカー界を支配する狂気のマネーゲーム』(カンゼン)

 
■読者賞

◎ひぐらしひなつさん『監督の異常な愛情 または私は如何にして心配するのをやめてこの稼業を・愛する・ようになったか』(内外出版社)

 

サッカー本大賞について

サッカー本大賞は、2014年にカンゼンが創設した文学賞です。前年の1月1日から12月31日に刊行されたサッカー本(実用書、漫画をのぞく)を対象とします。

一次選考によって「優秀作品」を選出。優秀作品を対象とする最終選考で大賞が決定します。また、読者の投票によって「読者賞」が決定します。

 
なお、今回の優秀作品は以下の10作品でした。

【優秀作品】
◎『監督の異常な愛情 または私は如何にして心配するのをやめてこの稼業を・愛する・ようになったか』(ひぐらしひなつさん/内外出版社)
◎『サッカーことばランド 世界で拾い集めたへんてこワード97』(金井真紀さん、熊崎敬さん/ころから)
◎『ディス・イズ・ザ・デイ』(津村記久子さん/朝日新聞出版)
◎『東欧サッカークロニクル モザイク国家に渦巻くサッカーの熱源を求めて』(長束恭行さん/カンゼン)
◎『日本サッカー戦記 青銅の時代から新世紀へ』(加部究さん/カンゼン)
◎『MLSから学ぶスポーツマネジメント 躍進するアメリカサッカーを読み解く』(中村武彦さん、LeadOff Sports Marketing/東洋館出版社)
◎『うつ病とサッカー 元ドイツ代表GKロベルト・エンケの隠された闘いの記録』(ロナルド・レングさん著、木村浩嗣さん訳/ソル・メディア)
◎『億万長者サッカークラブ サッカー界を支配する狂気のマネーゲーム』(ジェームズ・モンタギューさん著、田邊雅之さん訳/カンゼン)
◎『メスト・エジル自伝』(メスト・エジルさん著、小林玲子さん訳/東洋館出版社)
◎『レッドカード 汚職のワールドカップ』(ケン・ベンシンガーさん著、北田絵里子さん・手嶋由美子さん・国弘喜美代さん訳/早川書房)

 

小説での受賞は初! 津村記久子さん『ディス・イズ・ザ・デイ』

サッカー本大賞2019では、中村武彦さん著『MLSから学ぶスポーツマネジメント 躍進するアメリカサッカーを読み解く』と、芥川賞作家・津村記久子さんによる長編小説『ディス・イズ・ザ・デイ』が大賞を同時受賞しましたが、同賞を小説が受賞したのは初となります。

『ディス・イズ・ザ・デイ』著者・津村記久子さん

『ディス・イズ・ザ・デイ』著者・津村記久子さん

著者の津村記久子さんは授賞式のスピーチで、「サッカーを観る才能のない自分がサッカーの小説を書いていいものか、これを発表したらサッカー好きの人に怒られるのではないかと心配でした」と話し、それだけに本賞受賞はありがたいことだと語りました。

 
『ディス・イズ・ザ・デイ』は、架空のサッカー国内2部リーグのサポーターを主人公とする連作小説。タイトルは「今日がその日だ」といったような意味で、リーグ最終節の1日を中心に、全国各地の、性別も世代も職業もさまざまな市井の人たちが登場し、サッカーが織り込まれたそれぞれの人生模様を情感豊かに描いています。

 

ディス・イズ・ザ・デイ
津村記久子 (著)

好きなものが、どんな時も自分たちを支えてくれる。22のチーム、22の人生。

「こういう話をしてるとさ、どんな気持ちでも生きていけるんじゃないかって思うよね」
22チームの22人のファンたちは、それぞれの思いを抱いて2部リーグ最後の試合の「その日」に向かう。職場の人間関係に悩む会社員、別々のチームを応援することになった家族、憧れの先輩に近づきたい男子高生、十数年ぶりに再会した祖母と孫など、ごく普通の人たちのかけがえのない喜びを、サッカーを通してエモーショナルに描き出す連作短編集。
装画:内巻敦子

MLSから学ぶスポーツマネジメント (TOYOKAN BOOKS)
中村 武彦 (著), LeadOff Sports Marketing (著)

今、超サッカー大国へと変貌を遂げているアメリカ。
日本人で初めてMLSに勤務した著者が、その舞台裏を徹底解説!

本書は、MLS(アメリカプロサッカーリーグ)、FCバルセロナで数々の欧州ビッグクラブ、代表チームのUSツアーを手がけた著者が、MLS躍進の舞台裏、その背景にあるスポーツマネジメントを解説。「ベッカム移籍にはどのような駆け引きがあったのか?」「MLSとはどのようなリーグなのか」「アメリカサッカーとメキシコサッカーの関係性とは?」などを取り上げ、MLSの独特の組織構成、経営手法、マーケティングを徹底解説。アメリカサッカーを読み解く上での必読書!

億万長者サッカークラブ サッカー界を支配する狂気のマネーゲーム
ジェームズ・モンタギュー (著), 田邊雅之 (翻訳)

英国人ジャーナリスト決死の総力取材。暗躍するオーナーたちの正体。チェルシー、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッド…なぜ、サッカークラブは彼らの餌食になるのか。金と権力の闇を暴く驚愕ノンフィクション。

監督の異常な愛情-または私は如何にしてこの稼業を・愛する・ようになったか
ひぐらしひなつ (著)

限られた環境、予算、戦力で、戦術・分析・采配を駆使し、ポジティブに、たくましく、しぶとく戦い抜く監督たち。
逆境に立ち向かい、鉄火場に立ち続ける、敗れざる者たちへの賛歌!!

<ラインナップ>
田坂和昭/片野坂知宏/北野誠/高木琢也/吉武博文

<著者のことば>
どの監督もサッカーに対して本気すぎて、ちょっとだけ常軌を逸脱してしまっている。
ほとんどマッドサイエンティスト状態と言える。
こんなにも深い愛があるだろうか。
試合でも、トレーニングでも、インタビューの場でも、彼らのサッカーへ向ける異常な愛情は、とどまることなくあふれている。
システムは世界の捉え方で、戦術は人生そのものだ。
監督という人間に寄り添った場所から見渡せば、サッカーはまた、あたらしい奥行きを見せてくれることだろう。

 
【関連】
サッカー本大賞2019受賞作品決定!! – 株式会社カンゼン

 


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