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新レーベル「集英社シリーズ・コモン」第1弾!ベストセラー『人新世の「資本論」』の〈実践編〉『コモンの「自治」論』が刊行

累計発行部数50万部を突破し、世界14言語にも翻訳された『人新世の「資本論」』(集英社新書)の著者である斎藤幸平さんをはじめ気鋭の論客らが『コモンの「自治」論』を集英社から上梓しました。

なお、本書は集英社の新レーベル「集英社シリーズ・コモン」の刊行第1弾となります。

 

『人新世の「資本論」』、次なる実践へ!

『人新世の「資本論」』では、利潤の獲得が難しくなった現代で、資本主義がますます暴走することを斎藤幸平さんは指摘し、大きな反響を得ました。今も資本主義の暴走は続き、その結果、気候危機が悪化、また経済格差も拡大し、人々の生存は危うくなるばかりです。

 
しかし、国家も資本と結託するため、国家による「上からの」政治・統治は頼りにはなりません。そこで必要なのが、私たち自らが身近な社会にコミットしていく「自治」の力です。とりわけ、水やエネルギー、公園や道路、教育や医療などの「コモン」(公共財・共有財)の市民的な管理から「自治」の力は育まれていくと、斎藤さんは述べます。

 
そうした「自治」をどのように実践していけばよいのか。「集英社シリーズ・コモン」創刊第1弾の『コモンの「自治」論』では、斎藤さんや精神科医の松本卓也さんのほか、市民の手で杉並区長に当選した岸本聡子さん、政治学者の白井聡さんなど各界を牽引する気鋭の論客が、資本主義に飲み込まれ、「自治」の力が弱っているこの社会に「希望」を届けます。

 
【本書の主なポイント】

◎欧州発のミュニシパリズム(地域主権主義)とは?
◎神宮外苑の再開発が、なぜ「自治」の破壊なのか?
◎杉並区長が誕生した「奇跡の選挙」の秘密
◎なぜ、民営化を止めれば、政治が変わるのか?
◎共有財「コモン」の再生が、「自治」を育てる理由

 

本書の構成

はじめに 今、なぜ〈コモン〉の「自治」なのか? 斎藤幸平

第1章 大学における「自治」の危機 白井 聡

第2章 資本主義で「自治」は可能か?──店がともに生きる拠点になる 松村圭一郎

第3章 〈コモン〉と〈ケア〉のミュニシパリズムへ 岸本聡子

第4章 武器としての市民科学を 木村あや

第5章 精神医療とその周辺から「自治」を考える 松本卓也

第6章 食と農から始まる「自治」──権藤成卿自治論の批判の先に 藤原辰史

第7章 「自治」の力を耕す、〈コモン〉の現場 斎藤幸平

おわりに どろくさく、面倒で、ややこしい「自治」のために 松本卓也

 

著者プロフィール

 
■斎藤幸平(さいとう・こうへい)さん
経済思想家。『人新世の「資本論」』で新書大賞受賞。

■松本卓也(まつもと・たくや)さん
精神科医。主な著作に『創造と狂気の歴史』など。

■白井聡(しらい・さとし)さん
政治学者。『永続敗戦論』で石橋湛山賞受賞。

■松村圭一郎(まつむら・けいいちろう)さん
文化人類学者。『うしろめたさの人類学』で毎日出版文化賞特別賞受賞。

■岸本聡子(きしもと・さとこ)さん
杉並区長。主な著作に『水道、再び公営化!』など。

■木村あや(きむら・あや)さん
社会学者。『Radiation Brain Moms and Citizen Scientists』でレイチェル・カーソン賞受賞。

■藤原辰史(ふじはら・たつし)さん
歴史学者。『分解の哲学』でサントリー学芸賞受賞。

 

新レーベル「集英社シリーズ・コモン」とは?

「集英社シリーズ・コモン」は、ビジネス・社会科学・人文の知を集めた単行本新レーベルです。社会の分断が深まるこの時代に、知の共通基盤=〈コモン・グラウンド〉を築くことを目指し、年に5冊程度の刊行を予定しています。

 
創刊第1弾の『コモンの「自治」論』に続き、9月26日(火)には『レジリエンスの時代―再野生化する地球で、人類が生き抜くための大転換』(著:ジェレミー・リフキンさん、訳:柴田裕之さん)を刊行予定です。

 

コモンの「自治」論
斎藤 幸平 (著), 松本 卓也 (著), 白井 聡 (著), 松村 圭一郎 (著), 岸本 聡子 (著), 木村 あや (著), 藤原 辰史 (著)

【『人新世の「資本論」』、次なる実践へ! 斎藤幸平、渾身のプロジェクト】
戦争、インフレ、気候変動。資本主義がもたらした環境危機や経済格差で「人新世」の複合危機が始まった。
国々も人々も、生存をかけて過剰に競争をし、そのせいでさらに分断が拡がっている。
崖っぷちの資本主義と民主主義。
この危機を乗り越えるには、破壊された「コモン」(共有財・公共財)を再生し、その管理に市民が参画していくなかで、「自治」の力を育てていくしかない。

『人新世の「資本論」』の斎藤幸平をはじめ、時代を背負う気鋭の論客や実務家が集結。
危機のさなかに、未来を拓く実践の書。

<参考>

人新世の「資本論」 (集英社新書)
斎藤 幸平 (著)

【「新書大賞2021」受賞作!】
人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。
気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。
それを阻止するには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。
いや、危機の解決策はある。
ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。
世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす!


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