「世界史のリテラシー」シリーズ『ローマ教皇は、なぜ特別な存在なのか ~カノッサの屈辱』が刊行
2023年5月に創刊された誰もが疑問を抱く一つの「問い」を軸に、現在と未来を見通すシリーズ「世界史のリテラシー」の最新刊、藤崎衛さん著『ローマ教皇は、なぜ特別な存在なのか ~カノッサの屈辱』がNHK出版より刊行されました。
世界史を学んだ方なら誰でも耳にしたことのある(でもよくわからない)「カノッサの屈辱」を、「教皇」というヨーロッパの歴史が生み出した独自の存在を軸にして、その背景と歴史的なつながりを見ていきます。
誰もが聞いたことのある「あの事件」を現在・未来へとつなげる!
NHK出版が刊行する、歴史ファンからビジネスパーソンまで幅広い層に必読の「世界史」をテーマにした教養ムックシリーズ「世界史のリテラシー」は、世界史の有名な「あの事件」を、受験や試験のための知識、あるいは断片的な一知識として終わらせるのではなく、それが今の社会にどう結びついているのかまで探究し、未来を見通すための必要不可欠な教養としていきます。
「奇跡の少女ジャンヌ・ダルクの出現と活躍」「ロシアの権力成立の礎となったモンゴル支配」という第1回配本の2冊に続く新刊のテーマは、「ローマ教皇 vs. 神聖ローマ皇帝」。
単に聖職叙任権(ある人を教会内の聖職に任ずる権限)を巡る国王と教会の間の一事件と理解されているこのトピックが、いかにその後の歴史と、キリスト教世界に影響を与えたのかを読み解きます。
<「カノッサの屈辱」とは?>
1077年1月、教皇グレゴリウス7世に破門されたハインリヒ四世(ドイツ王にして、のちの神聖ローマ皇帝)が、教皇滞在中のイタリア・カノッサ城門前で雪の中を3日間裸足で立ち尽くすことで、赦しを得たとされる事件。
教皇VS.皇帝――雪中3日間の贖罪行為、その歴史的意義とは?
なぜ皇帝が教皇に屈服したのか?
なぜ教皇のほうが偉いとされたのか?
ローマ・カトリック教会の成立から、十字軍遠征、教会分裂、新教勃興までを通観し、単に叙任権闘争の一事件とされがちな「屈辱」の歴史的意義を考えます。
★本書「はじめに」をNHK出版デジタルマガジンで公開中:https://mag.nhk-book.co.jp/article/28868
本書の構成
第1章 〈事件の全容〉 なぜハインリヒ四世は教皇グレゴリウス七世に屈したのか
第2章 〈歴史的・宗教的背景〉 「ローマ」と「教皇」はいかにしてむすびついたのか
第3章 〈同時代へのインパクト〉 普遍的教皇権が成立させた「十字軍」発起
第4章 〈後世に与えた影響〉 中世キリスト教はなぜ宗教改革に向かったのか
著者プロフィール
著者の藤崎衛(ふじさき・まもる)さんは、1975年生まれ。東京大学大学院准教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は西洋中世史。とくに中世ローマ教皇庁の制度や文化を研究対象とする。
著書に『中世教皇庁の成立と展開』、訳書に『中世教皇史』『地中海と人間』など。『300点の写真とイラストで大図解 世界史』の監訳者。
世界史のリテラシー ローマ教皇は、なぜ特別な存在なのか: カノッサの屈辱 (教養・文化シリーズ) 藤崎 衛 (著) 教皇vs.皇帝―― 雪中3日間の贖罪行為、その歴史的意義とは? 世界の今を解くカギは、すべて歴史の中にある――。誰もが一度は耳にしたことがある「歴史的事件」と、誰もが疑問を抱く一つの「問い」を軸に、各国史の第一人者が過去と現在をつないで未来を見通す新シリーズの第3弾! 1077年1月、ドイツ王にして、のちの神聖ローマ皇帝ハインリヒ4世がローマ教皇グレゴリウス7世に対して、裸足のまま雪の中で3日間赦しを請うたという「カノッサの屈辱」。なぜ皇帝が教皇に屈服したのか? なぜ教皇のほうが偉いとされたのか? ローマ・カトリック教会の成立から、十字軍遠征、教会分裂、新教勃興までを通観し、単に叙任権闘争の一事件とされがちな「屈辱」の歴史的意義を考える。 |
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