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誰もが聞いたことのある「あの事件」が現在・未来へとつながる!「世界史のリテラシー」シリーズ創刊!

NHK出版は、歴史を一つの事件から読み解く新シリーズ「世界史のリテラシー」を創刊し、第1弾として池上俊一さん著『少女は、なぜフランスを救えたのか――ジャンヌ・ダルクのオルレアン解放』と、宮野裕さん著『「ロシア」は、いかにして生まれたか――タタールのくびき』を発売しました。ともに国家統合や国家形成という、現代ヨーロッパ世界を読み解くキーワードを軸にした2冊です。

 

世界の今を解くカギは、すべて歴史の中にある――誰もが疑問を抱く歴史的事件への「問い」を軸に、現在と未来を見通す!

「世界史」をテーマにした教養ムックシリーズ「世界史のリテラシー」では、一度は耳にしたことがある「歴史的事件」と、誰もが疑問を抱く一つの「問い」を入り口にして、「事件の全容」「歴史的・宗教的背景」「同時代へのインパクト」「後世に与えた影響」などの全4章で解説、そこから世界の謎と今を読み解いていきます。

 
世界史の「あの事件」を一知識として終わらせるのではなく、それが今の社会にどう結びついているのかまで探究することで、過去と現在をつないで未来を見通す画期的な新シリーズです。

刊行第1弾は、フランスのナショナリズムの萌芽へとつながる「ジャンヌ・ダルクの出現と活躍」、またロシア統一を果たした最初の権力者の姿を通して考える「ロシアで求められる強いリーダー像」をテーマにした2冊です。

 

『少女は、なぜフランスを救えたのか ~ジャンヌ・ダルクのオルレアン解放』

「ジャンヌ・ダルクのオルレアン解放」とは?

――英仏百年戦争でフランスの勝利を決定づけた戦闘。1429年、神の「声」を聞いたという少女に導かれたフランス軍は形勢を逆転し、イギリス軍の包囲からオルレアンの街を解放しました。

ドミニク・アングル「シャルル7世の戴冠式のジャンヌ・ダルク」(ルーヴル美術館蔵)

ドミニク・アングル「シャルル7世の戴冠式のジャンヌ・ダルク」(ルーヴル美術館蔵)

百年戦争のさなかに現れた一人の少女。彼女は、たった2年でフランスの運命を変えました。

百年戦争を勝利へと導いたジャンヌ・ダルク。権力者でもない、普通の農家の一人の娘が、なぜ「救国の英雄」となり、その後、火刑に処されたのか。巫女から魔女へ、魔女から聖女へ――。フランス国家統合の象徴となった奇跡を見ます。

 
【本書の構成】
第1章 事件の全容 ジャンヌ・ダルクはいかにしてオルレアンを解放したか?
第2章 歴史的・宗教的背景 なぜ「辺境の乙女」にカリスマ性が与えられたのか?
第3章 同時代へのインパクト ジャンヌの奇跡は時の権力者たちに言い知れぬ「動揺」を与えた
第4章 後世に与えた影響 政治、宗教、文学、芸術。フランス国民の記憶に深く刻み込まれた理由

 
★本書「はじめに」をNHK出版デジタルマガジンで公開中:https://mag.nhk-book.co.jp/article/28755

 
<著者・池上俊一(いけがみ・しゅんいち)さん プロフィール>

1956年生まれ、愛知県出身。東京大学名誉教授。東京大学文学部卒業。同大学大学院人文科学研究科博士課程西洋史学専攻中退。博士(文学)。専門は西洋中世・ルネサンス史。

『動物裁判』『ロマネスク世界論』『ヨーロッパ中世の宗教運動』『ヨーロッパの中世8 儀礼と象徴の中世』など著書多数。岩波ジュニア新書『ヨーロッパ史入門――原形から近代への胎動』『ヨーロッパ史入門――市民革命から現代へ』が話題に。

 

『「ロシア」は、いかにして生まれたか ~タタールのくびき』

「タタールのくびき」とは?

――13世紀半ばから15世紀末にかけて、ロシアがおよそ240年にわたってモンゴル=タタールに臣従し、支配されていた時期をいいます。「くびき」は牛馬の首にあてる横木のこと。

セルゲイ・イワノフ「バスカク」(1902)。バスカクは「タタールのくびき」の象徴ともされたモンゴルの徴税官。ロシアの市場を訪れた様子を描いている。

セルゲイ・イワノフ「バスカク」(1902)。バスカクは「タタールのくびき」の象徴ともされたモンゴルの徴税官。ロシアの市場を訪れた様子を描いている。

モンゴルの支配下に置かれた240年。それが、「ロシア」成立の礎となりました。

2022年2月に起こったロシアによるウクライナ侵攻。そのとき、プーチンの脳裏に浮かんでいたのは、「全ルーシの君主」イヴァン3世と同じ思いか。二世紀半に及んだモンゴル=タタールの支配――「くびき」がもたらした国家形成の過程を描きます。

 
【本書の構成】
第1章 事件の全容(1) 「タタールのくびき」はいかにしてルーシにつけられたのか?
第2章 事件の全容(2) なぜ、モスクワが「ロシア」の中心になったのか?
第3章 同時代へのインパクト くびきからの離脱、そしてロシア統一国家の形成へ
第4章 その後に与えた影響 「ルーシ」の地の所有権がロシアにあるとする考えはいつ生まれたのか?

 
★本書「はじめに」をNHK出版デジタルマガジンで公開中:https://mag.nhk-book.co.jp/article/28781

 
<著者・宮野裕(みやの・ゆたか)さん プロフィール>

1972年生まれ、東京都出身。岐阜聖徳学園大学教授。筑波大学第一学群人文学類卒業。北海道大学大学院文学研究科博士後期課程西洋史学専攻中退。博士(文学)。専門はロシア中近世史。

著者に『「ノヴゴロドの異端者」事件の研究』、訳書に『ロシア中世教会史』『中世ロシアの政治と心性』など。

 

 
【関連】
ジャンヌ・ダルクの奇跡を知ることで分かること【世界史のリテラシー:池上俊一】 | NHK出版デジタルマガジン
モンゴルによる支配が、なぜロシアの国家形成の礎となったのか?【世界史のリテラシー:宮野 裕】 | NHK出版デジタルマガジン

 


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