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日々働いてるだけで十分偉い! 寺地はるなさん『ほたるいしマジカルランド』が大幅改稿&くらはしれいさん装画&畑野智美さん解説で文庫化

『川のほとりに立つ者は』で2023年本屋大賞ノミネートされた寺地はるなさんの文庫最新刊『ほたるいしマジカルランド』がポプラ社より刊行されました。すべての働く人に「このままのあなたでいい」と優しく囁いてくれるお仕事連作短編集です。

なお、本作品は文庫化に伴い、大幅改稿を行い、カバーも一新し、人気イラストレーター・絵本作家のくらはしれいさんがイラストを描いています。巻末に新たに収録された解説は、『大人になったら、』『神さまを待っている』がロングセラーとなっている作家・畑野智美さんによるものです。

 

仕事の「やりがい」とか自分の「存在意義」とか――そろそろうんざりしていませんか?

遊園地で働く従業員たちの仕事や人生に焦点を当てている本作では、名物社長のもとに突然に届く、「働くのがつらいです」という匿名メールをきっかけに物語が動き出します…

効率や生産性ばかりを求められ、疲弊している社会人が読むと、ふっと心が軽くなり、もっと気楽に仕事や人生に向き合えるようになる一冊です。

この小説は「もっと頑張れ」とは言いません、「このままでも十分素晴らしい」とそっと肩を叩いてくれます。
このままのあなたで、あなただけのたった一つの人生を送ろうと、囁いてくれます。

遊園地の懐かしい空気感に包まれながら読めて、どこまでも優しいお仕事連作短編集です。

(※作中の遊園地は、大阪に実在する日本現存最古の遊園地、「ひらかたパーク」がモデルです。)

 
【あらすじ】

大阪北部の蛍石市にある「ほたるいしマジカルランド」は、願いごとを叶えてくれるという噂のある、メリーゴーラウンドが人気の老舗遊園地だ。
ここで働くのは、どこか不器用で悩みを抱えた人ばかり。
アトラクションやインフォメーションの担当者、清掃スタッフに花や植物の管理。
お客様の笑顔のために奮闘する従業員たちの日常が、ふとしたきっかけで動き出し――。
毎日がんばるあなたの心をふっと軽くする、温かな物語。

 

装画は大人気イラストレーター・絵本作家のくらはしれいさん!

文庫版のカバーイラストは、『王さまのお菓子』(作:石井睦美さん/世界文化社)、『レミーさんのひきだし』(作:斉藤倫さん、うきまるさん/小学館)などの装丁画・挿絵や、オリジナル雑貨のイラストなどを数多く手掛けている、くらはしれいさんの描き下ろし。

 
物語のキーアイテムでもあるメリーゴーラウンドの一角獣のシルエットの中に、四人の姿が浮かび上がり、遊園地で織りなされる人間ドラマを連想させます。優しいタッチが物語世界の雰囲気にぴったりです。

 
【装画・くらはしれいさん コメント】

「この絵が物語の入口となれたらうれしいです。
優しい物語の世界へいってらっしゃいませ。」

 

著者・寺地はるなさん コメント

「人びとは、幼い頃からの憧れの職業についた人や、きらきらした夢を追いかけている人や、日々お金のためではなくやりがいを求めている人、自分の仕事にゆるぎない愛情と誇りを持っている人の物語に惹かれます。

『ほたるいしマジカルランド』はそうした物語ではありません。でも、美しい人びとの物語です。たとえ憧れていた職業でなくとも、まっとうに働く人は美しいです。地に足をつけて生きる人は、ただそれだけで美しいのです。」

 

著者プロフィール

(撮影:山本まりこ)

(撮影:山本まりこ)

寺地はるな(てらち・はるな)さんは、1977年生まれ、佐賀県出身。大阪府在住。2014年『ビオレタ』で第4回ポプラ社小説新人賞を受賞し、翌年デビュー。

2020年、咲くやこの花賞(文芸その他部門)を受賞。2021年『水を縫う』で第42回吉川英治文学新人賞候補。同年、同作で第9回河合隼雄物語賞を受賞。2023年『川のほとりに立つ者は』で第20回本屋大賞ノミネート。

他の著書に、『ミナトホテルの裏庭には』『月のぶどう』『今日のハチミツ、あしたの私』『大人は泣かないと思っていた』『夜が暗いとはかぎらない』『カレーの時間』『白ゆき紅ばら』など多数。

 

 


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