小説家・深沢潮さんが食にまつわる初の連載エッセイ「李東愛が食べるとき」を配信開始

認定NPO法人Dialogue for People(略称「D4P」)のウェブサイトにて、小説家 深沢潮さんのエッセイ「李東愛が食べるとき」の連載がスタートしました。
自身も朝鮮半島にルーツを持ち、在日コリアンや女性たちの姿を小説に描いてきた深沢潮さんが執筆するエッセイ
女性やマイノリティの生きづらさを描き続ける深沢潮さんが、食にまつわるエッセイ「李東愛が食べるとき」をDialogue for Peopleウェブサイトにて月1回連載します。
第1話は「愛しのキムチ」。キムチにまつわる深沢さんの記憶からは、在日コリアンである自身の生い立ちが見えてきます。
(エッセイより抜粋)
記念すべき第一回は、キムチ以外はありえないと、こうしてキーボードを打っています。キムチについてのあれやこれやを書けば、これすなわち在日コリアンである私のルーツや生い立ちに触れることにもなり、自己紹介も兼ねることができると考えました。
日本で一番売れている漬物がキムチだと知ったのは、つい一昨年のことです。驚くと同時に、本当に時代が変わったのだなと思いました。かつて、私の幼い頃は、キムチはひっそりと身を隠すように存在し、在日コリアンの家庭か焼肉屋でしかお目にかかれなかったのに、いまはどこのスーパーの棚にもでーんと鎮座しています。テレビをつければどこかのチャンネルで韓国ドラマをやっていて(サブスクではいつでもアクセス)、街中でカフェに入るとK-POPアイドルの歌が流れるなんて想像もしていませんでした。いい時代になったと感慨深いものがあります。
キムチは古くは朝鮮漬けと呼ばれ、「キムチ臭い」は朝鮮人に対する蔑みの言葉でしかなかったからです。キムチ臭いから家を貸さないと不動産屋から言われたと母も言っていました。これは、「ひとかどの父」(朝日文庫)にエピソードがあります。かくいう私も、自分の家の冷蔵庫がつねにキムチ臭いことが、嫌でたまりませんでした。かなり大人になるまで、キムチは苦手でした。
★「李東愛が食べるとき」第1話「愛しのキムチ」:https://d4p.world/news/20823
深沢潮(ふかざわ・うしお)さん プロフィール
小説家。父は一世、母は二世の在日コリアンの両親より東京で生まれる。上智大学文学部社会学科卒業。会社勤務、日本語講師を経て、2012年「女による女のためのR-18文学賞」にて大賞を受賞。
翌年、受賞作「金江のおばさん」を含む、在日コリアンの家族の喜怒哀楽が詰まった連作短編集『ハンサラン愛するひとびと』を刊行(文庫で『縁を結う人』に改題/2019年に韓国にて翻訳本刊行)。以降、女性やマイノリティの生きづらさを描いた小説を描き続けている。
認定NPO法人Dialogue for Peopleについて
世界の「無関心」を「関心」に変える
Dialogue for Peopleは、「すべての人の基本的人権が守られ、さまざま違いを越えて多様性が認められる世界」を目指し、さまざまな「伝える活動」を通して世界の「無関心」を「関心」に変えるための対話の礎を築く活動を行っている認定NPO法人です。フォトジャーナリストの安田菜津紀さん、佐藤慧さんが活動しています。
主に国内外の社会課題の取材・発信活動に加えて、継続的な社会のアップデートのため、次世代の発信を担う若者に向けた教育プログラムを提供しています。
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