昔のように食べられないことは、みっともないことなんかじゃない! 白央篤司さんエッセイ『はじめての胃もたれ』が刊行
フードライター・白央篤司さん著『はじめての胃もたれ 食とココロの更新記』が太田出版より刊行されました。加齢によって変化する心身をなだめながら、作って食べる日々を綴った、手探りでセルフケアを試みたエッセイ集です。
帯にはジェーン・スーさんの推薦コメントを掲載。本書と一緒に、自身を見つめ直して「更新」してみませんか?
「もう若くないなあ」からはじめるセルフケア
“加齢に伴う変化をじっくり
味わえるのは、中年の特権なのだ。”
―― ジェーン・スーさん
昔のように食べられないことは、みっともないことなんかじゃない。
性別とか関係なく「自分」を大事にしていこう。
――フードライターの白央篤司さんが、加齢によって変化する心身をなだめながら、作って食べる日々を綴った、手探りでセルフケアを試みたエッセイ集です。
「あなたの胃は、もう昔のあなたの胃ではないのですよ」
そう気づかせてくれたのは、牛カルビだった。
もうすぐ50歳。調子にのって食べすぎると胃がもたれる。
お腹いっぱいが苦しい。量は変わらないのに、ぜんぜん痩せない……
老いを痛感する日々がだんだん増えていませんか?
人生の折り返し地点を迎えて、いままでのようにいかないことがどんどん増えていく。
でも厚揚げやみょうが、大根おろしみたいに、若い頃にはわからなかったおいしさを理解することだって同じくらいあるはず!
いまこそ、自身を見つめ直して「更新」してみませんか?
本書「はじめに」より
昔のように食べられないことは、みっともないことなんかじゃない。性別とか関係なく「自分」を大事にしていこう。老化は誰でも起こるもの、さっさと早いうちにセルフケアして、より良い状態をキープしていかないと時間がもったいない。人生で食事を楽しめる回数なんて、毎日減ってゆくばかりだ。しなくていい無理をして、あるいは調子に乗り過ぎて飲食して、胃もたれで週末を苦しんで過ごすようなミスは繰り返しちゃいけない。(と、書きつつも私はまだたまにやってしまうけれど……)それに、つらいことばかりでもない。食における好みの変化は、若い頃には分からなかったおいしさを理解できるようになる、という側面もある。「昔はこんなもの、全然好きじゃなかったのに」なんてひとり食卓でつぶやいてしまうこと、ないだろうか。食べたくなくなるもの、食べにくくなるものの数と同じぐらい、新たな好物が見つかっていくという豊かな道もあるのだ。
本書の目次
はじめに
第一章 いろんなところにガタが来る
はじめての胃もたれ
お腹いっぱいがこわい カルビ世代から大根おろし世代へ
衰えを語り合える関係はいいものだ
増えるばかりのメンテ・アイテム!
物価高の中、頼れるあいつ
耐脂性の問題と具だくさん汁の豊かさ アンケートその①
誕生日はいまやうまいものを食う口実に 春の食卓
第二章 手探りで向き合う
つまづいて、歩いて、お茶を淹れる
やせない体
なすときゅうりと、非現実的もいいとこな夢
厚揚げ、みょうが、そして苦みが好きになる
日傘のすすめ&「男のくせに」
自分の機嫌とり上手になりたい 夏の食卓
第三章 無理なく変わっていく
私と酒と酒場のこと、これまでのこと
隙あらば野菜を足すムーブメント
「いつもより気持ち少なく」の節塩ライフ
グジュとたま子のこと
台所の思い出話①
台所の思い出話②
みなさんにアンケート②
秋の栗、そして父のこと
第四章 決めつけない方が人生は面白い
魚よ、おろそかには食わんぞ ―私のレシピ微調整―
無理なときは無理しないにたどり着くまで
私なりの“半”作りおき、そして使い切り術のあれこれ
お弁当から考える「ちゃんと作る」ということ
台所の思い出話③
ハワイの名物料理ポキに学ぶ
冬の原稿の伴走者、煮込み料理
第五章 執着と無頓着
男達よ、もっと自分をいたわろう
和菓子に惹かれていく
友達も携帯もいらない 30代で決意したふたつのこと
50代の歩み方 いなり煮に教わる
あとがき
著者プロフィール
白央篤司(はくおう・あつし)さんは、フードライター、コラムニスト。1975年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。出版社勤務を経てフリーに。日本の郷土料理やローカルフード、現代人のための手軽な食生活の調え方と楽しみ方、より気楽な調理アプローチをメインに企画・執筆する。メインテーマは「暮らしと食」。
著書に『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)、『自炊力』(光文社)、『台所をひらく 料理の「こうあるべき」から自分をほどくヒント集』(大和書房)、『名前のない鍋、きょうの鍋』(光文社)など。
はじめての胃もたれ 食とココロの更新記 白央篤司 (著) 装画:丹下京子 |
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