門井慶喜さんが文藝春秋創業者・菊池寛を描く『文豪、社長になる』が刊行
直木賞作家・門井慶喜さんの新作『文豪、社長になる』が文藝春秋より刊行されました。
史上最も愛された文豪/社長のすべて
本作は、ベストセラー作家にして文藝春秋創業者・菊池寛を主人公とした歴史小説です。
作家に憧れた四国の少年が、いかにしてベストセラー作家となり、文藝春秋を創ったのか。稀有な文化人であり、実業家であった男の一生を、膨大な資料と確かな取材により描き切っています。直木三十五や芥川龍之介ら、著名な作家たちも登場。友情物語としての側面に心打たれること必至です。
著者の門井慶喜さんは2003年「キッドナッパーズ」でオール讀物推理小説新人賞を受賞して以来、今年デビュー20年という節目を迎えます。『家康、江戸を建てる』『銀河鉄道の父』の著者による、感動歴史長篇の誕生です。
<門井慶喜さんコメント>
文藝春秋の創業者は、成功もしたが、失敗もした。その失敗ごと、人に愛された。
『文豪、社長になる』あらすじ
芥川龍之介や直木三十五、川端康成などの協力を得、菊池寛が発行した『文藝春秋』創刊号はたちまち完売する。読者が、時代が求めた雑誌は部数を伸ばし、会社も順風満帆の成長を遂げていく。
しかし次第に、社業や寛自身にも暗い影が。芥川、直木という親友たちとの早すぎる死別、社員の裏切り、戦争協力による公職追放、そして、会社解散の危機……。
激動の時代に翻弄されながらも、文豪として、社長として、波乱に満ちた生涯を送った寛が、最後まで決して見失わなかったものとは――。『家康、江戸を建てる』『銀河鉄道の父』の著者による、2023年最高の感動歴史長篇。
菊池寛(きくち・かん) プロフィール
明治21年(1888)、香川県高松市に生まれる。本名は菊池寛(ひろし)。京都大学英文科を卒業後、時事新報社社会部記者に。この頃、『父帰る』『無名作家の日記』『恩讐の彼方に』など、後に名作とされる作品を次々と発表。大正9年(1920)、新聞小説に連載を開始した『真珠夫人』が大ベストセラーとなり、一躍流行作家に。
同12年(1923)に雑誌『文藝春秋』を創刊。その後も文藝春秋社社長の傍ら、旺盛な執筆活動を続ける。昭和10年(1935)、早逝した親友・芥川龍之介、直木三十五を悼み、二人の名を冠した文学賞を創設。日本文学の振興に大きく寄与した。
同22年(1947)、戦時中の軍部への協力により公職を追放。翌23年(1948)、狭心症により59歳で急死。
著者プロフィール
著者の門井慶喜(かどい・よしのぶ)さんは、1971年生まれ、群馬県出身。同志社大学文学部卒業。2003年、オール讀物推理小説新人賞を「キッドナッパーズ」で受賞しデビュー。
2015年に『東京帝大叡古教授』が第153回直木賞候補、2016年に『家康、江戸を建てる』が第155回直木賞候補となる。2016年に『マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代』で日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、同年咲くやこの花賞(文芸その他部門)を受賞。2018年に『銀河鉄道の父』で第158回直木賞を受賞。
他の著書に『ゆけ、おりょう』『東京、はじまる』『地中の星』『信長、鉄砲で君臨する』など多数。
文豪、社長になる 門井 慶喜 (著) ベストセラー作家にして、文藝春秋の創業者・菊池寛。59年の波乱万丈の人生を全力で面白がることで生き切った男の感動の物語。 |
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