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司馬作品の世界を存分に味わう『生誕100年 司馬遼太郎の現在地』が刊行

2023年は作家・司馬遼太郎さん(1923~1996)の生誕100年にあたります。司馬さんの作品世界を記者が歩く『週刊朝日』の人気連載をまとめ、累計発行部数100万部を超える週刊朝日ムック「司馬遼太郎シリーズ」の最新刊『生誕100年 司馬遼太郎の現在地』が朝日新聞出版より刊行されました。

司馬さんの選り抜きの人気小説を年代別に分けて楽しむ構成で、今なお多くのファンに読み継がれる司馬さんの作品世界をより深く考え、味わえる一冊です。

 

累計100万部突破!「司馬遼太郎シリーズ」最新刊『生誕100年 司馬遼太郎の現在地』

司馬遼太郎さんが世に送り出した書籍の総発行部数は2億を超えます。本書では、選り抜きの人気小説を年代別に分けて楽しむ構成となっています。

 
まずは幕末の2大人気小説『竜馬がゆく』と『燃えよ剣』から。

明るく日本を変えたナイスガイ、坂本竜馬(龍馬)の青春がある一方、剣に生き、最後まで頑固に戦った土方歳三の青春も。『京都ぎらい』の著者井上章一さんが竜馬ブームを、直木賞作家の木内昇さんが土方の男の魅力を語ります。

 
直木賞を受賞した『梟の城』に始まる戦国編は9作品。『国盗り物語』には斎藤道三、織田信長、明智光秀などが登場、司馬さんの造形した「デアルカ」の信長など三英傑の描き方について、歴史作家の伊東潤さんが分析します。

 
舞台は再び動乱の幕末へ。司馬さんは戊辰の勝者も敗者も描きました。『王城の護衛者』で会津の悲運、『峠』で長岡の運命、『花神』『世に棲む日々』で革命の果実とは無縁だった天才たちを書いています。

 
最後に明治を描いた3作品を。西郷と大久保の相克を描いた『翔ぶが如く』。小国日本が必死でロシアに挑んだ日露戦争をテーマにした『坂の上の雲』など。合計21作品はオールカラーで視覚的にも楽しめます。写真集で『街道をゆく』『坂の上の雲』の世界を独自の視点で撮影した小林修カメラマンが、司馬さんの小説の魅力をいっそう引き立てます。

 
そのほか、第26回菜の花忌シンポジウム「生誕100年 司馬作品を未来へ」の詳報、さらに文化勲章受章時の週刊朝日での司馬さんのインタビュー「京都支局、私の小説、思い出の図書館」(1993年)なども掲載しています。

 

週刊朝日「司馬遼太郎シリーズ」について

司馬作品の世界を記者が歩く週刊朝日の「司馬遼太郎シリーズ」は、2006年から17年にわたって続く人気連載です。『街道をゆく』の最後の担当者でもある週刊朝日編集委員・村井重俊さんが主に執筆を担当、小林修カメラマンが一人で写真を担当してきました。

 
<村井重俊さん プロフィール>

1958年生まれ、北海道出身。週刊朝日編集委員。早稲田大学法学部卒業。1983年、朝日新聞社に入社。1989年より週刊朝日で連載されていた司馬さんの『街道をゆく』の担当となり、1996年まで務める。著書に『街道をついてゆく 司馬遼太郎番の六年間』(朝日文庫)。

 
<小林修さん プロフィール>

1966年生まれ。朝日新聞出版写真映像部長。1990年、立教大学英米文学科卒業。同年、朝日新聞社に入社。2017、2018、2019年に日本雑誌写真記者会賞最優秀賞を3年連続で受賞。写真集に『司馬遼太郎「街道をゆく」の視点』『司馬遼太郎「坂の上の雲」の視点』(いずれも朝日新聞出版)。

 

 


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