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五木寛之さん「人生のレシピ」シリーズ第7弾『本を友とする生き方』が刊行

2022年刊行開始開始から累計12万部を超えた作家・五木寛之さんの「人生のレシピ」シリーズの最新刊『人生のレシピ 本を友とする生き方』がNHK出版より刊行されました。

 

今回のテーマは「本」 ”五木式”読書法で人生をさらに豊かに――

 
「行き当たりばったりの好奇心で、あらゆるジャンルの本を読む――それが私の読書です。」

 
小説はもちろん、歴史、エッセイ、音楽、車、鍼灸に関するものなどなど、少年時代から続けてきた「ごった煮読書」が、作家としての自身の仕事ぶりを形成したと語る五木さん。91歳になった「生き方の先輩」が贈る、人生百年時代を豊かにする必読ガイドの第7弾のテーマは「本」です。

 
【「はじめに」より抜粋】

戦後の一時期、読書ブームというのがありました。読書週間が近づくと、いろんなスローガンが新聞の見出しなどになり、なかには、読書すると人は美しくなる、などという、およそいいかげんな標語もあったものです。

本を読んで人が美しくなるわけはありません。せいぜい目が悪くなるぐらいのものでしょう。しかし、その当時は、教養という言葉がとても大きなものとして感じられていた時代でしたから、私自身、一日、本に接しないと、なにか自分が駄目になっていくかのような圧迫感をおぼえたものでした。

しかし、本を読むことは、人間にとって本当に必要なことでしょうか。

たしかに、私は本にかこまれた生活をしていますが、たくさんの本を次々と読み、それを本棚に並べておくことが大事なのではありません。本を読むのはいい。読むのはいいが、その本を、わざわざ保存しておく必要はない。最近、私はそう思うようになりました。

一冊の本を読んで、いやでも頭の中に残る一行があれば、それで充分。忘れてしまうような内容は、もともと縁がなかったのだと諦めていい。一冊の本の中の一行が頭に残るのは、なにげなく読んだ言葉が、錐をもむようにこちらの魂に突き刺さってくるときです。そういう言葉は、忘れようとしても忘れられるものではありません。

 
★本書からの特別抜粋記事を「NHK出版デジタルマガジン」で公開中:https://mag.nhk-book.co.jp/article/43337

 

本書の構成

第1章 ごった煮読書のすすめ

第2章 古典の読み方、楽しみ方

第3章 活字文化は消えてしまうのか

第4章 作家として「書く」ということ

第5章 忘れえぬ三人の作家 ――松本清張、司馬遼太郎、井上ひさし

第6章 本を友としてさびしさを癒す

 

著者プロフィール

五木寛之(いつき・ひろゆき)さんは、1932年生まれ、福岡県出身。朝鮮半島で幼少期を送り、引き揚げ後、1952年に上京して早稲田大学文学部露文科に入学。1957年に中退後、編集者、ルポライターなどを経て、1966年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、1967年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、1976年『青春の門 筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞、2010年『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞など受賞多数。

ほかの代表作に『風の王国』『大河の一滴』『蓮如』『下山の思想』『百寺巡礼』『生きるヒント』『孤独のすすめ』など多数。日本芸術院会員。

 

人生のレシピ 本を友とする生き方 (教養・文化シリーズ)
五木 寛之 (著)

行き当たりばったりの好奇心で、あらゆるジャンルの本を読む――それが私の読書です。

今回のテーマは「本」。小説はもちろん、歴史、エッセイ、音楽、車、鍼灸に関するものなどなど、少年時代から続けてきた「ごった煮読書」が、作家としての自身の仕事ぶりを形成したと語る五木さん。「読書をすれば優れた人間になるわけではないし、ましてや努力や義務で読むものではありません。本は、私のよき友であり、おもしろいから読むのです」。91歳になった「生き方の先輩」が贈る、人生百年時代を豊かにする必読ガイド、第7弾!

<「人生のレシピ」シリーズ第1弾>

人生のレシピ 人生百年時代の歩き方

『生きるヒント』から30年、五木寛之による令和の新シリーズ、刊行開始!

私たちは、誰もが百歳以上生きるかもしれない時代を生きている。そうであるならば、人生を二回生きるイメージを大切に、
それぞれ新しい生き方に切り替えてみてはどうだろうか――。90歳になった作家が、いま一番に伝えたいこととは何か。「私はむしろ、書くことよりも、対話することのほうが、表現者本来の姿ではないかと思います」。”生き方の先輩”五木寛之が、長年出演を続ける「ラジオ深夜便」の語りを再現して贈る、後半生を快活に過ごす極上の道案内。

第1章 人生のギアチェンジとは
第2章 何をもって「幸せ」と感じるか
第3章 話すことの大切さを思う
第4章 生きているだけでも意味がある
第5章 老後の「生き方」と「逝き方」

 
【関連】
五木寛之さんの読書法――――「古典」との付き合い方とは【人生のレシピ】 | NHK出版デジタルマガジン

 


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