本のページ

SINCE 1991

映画「ほの蒼き瞳」原作小説!ルイス・ベイヤードさん『陸軍士官学校の死』が重版

ルイス・ベイヤードさん著『陸軍士官学校の死』(訳:山田蘭さん)

ルイス・ベイヤードさん著『陸軍士官学校の死』(訳:山田蘭さん)

2022年12月23日から日本の一部劇場で上映され、2023年1月6日からはNetflixで全世界に配信される映画「ほの蒼き瞳」の原作小説である、ルイス・ベイヤードさん著『陸軍士官学校の死』(訳:山田蘭さん)が緊急重版、映画ビジュアル帯をつけて出荷開始となりました。

 

クリスチャン・ベール主演×スコット・クーパー監督のNetflix映画「ほの蒼き瞳」原作小説『陸軍士官学校の死』

映画「ほの蒼き瞳」は、主演のクリスチャン・ベールさん、監督のスコット・クーパーさんほか、実力派キャストとスタッフが集結、ルイス・ベイヤードさんの原作小説「The Pale Blue Eye」(2006)を映像化した、この冬注目の一本です。

 
【『ほの蒼き瞳』予告編】

 

 
★映画公式サイト:https://www.honoaokihitomi.com/

 
この映画の原作小説The Pale Blue Eyeの翻訳は、『陸軍士官学校の死』という題名で2010年に創元推理文庫から上下巻で刊行されました。それがこのたび、映画公開を受けての緊急重版が決定、映画スチール帯つきの本が出荷されています(※ネット書店でご注文の際には、商品にオビがつかない場合があります)。

 
<あらすじ>

引退した名警官ガス・ランダーは、ウエストポイント陸軍士官学校のセアー校長に呼び出され、内密に処理したい事件の捜査を依頼される。同校の士官候補生の首吊り死体から、何者かが心臓をくり抜き持ち去ったというのだ。捜査の過程でランダーは、ひとりの年若い協力者を得る。士官候補生一年の彼は青白い顔の夢想家で、名をエドガー・アラン・ポオといった――青年時代の文豪ポオを探偵役に迎えた、詩情豊かな傑作謎解きミステリ。

 
本書の特長は、「あらすじ」にもあるとおりエドガー・アラン・ポオ(映画ではハリー・メリングさんが演じます)が主役のひとりとして登場すること。小説家・詩人として不滅の足跡を残したポオが、青年時代に軍人の卵だったのはまぎれもない歴史的事実ですが、ベイヤードさんはその史実を土台に、豊かで不気味で美しい――まさにポオ作品のような――物語をつむいでみせます。さらにそこに、謎解きの興趣も加わるという豪華さです。刊行時には日本でも高く評価され、各種ミステリランキングで軒並み上位入賞を果たしました。

 
翻訳は『カササギ殺人事件』『メインテーマは殺人』など一連のアンソニー・ホロヴィッツ作品や『ポピーのためにできること』(ジャニス・ハレットさん/集英社文庫)でも知られる山田蘭さん。原作でベイヤードさんがポオの詩や文章を文体模写している箇所を、巧みに日本語へと移し替えた、物語の香気をそこなうことのない見事な訳文をご堪能ください。

 

今回の重版で(おそらく)創元推理文庫史上初となるできごとが!

今回の重版にあたって、(おそらく)創元推理文庫史上初となるできごとが発生しています。

こちらの写真をご覧ください。上が2010年に刊行した初版、下が今回の重版分です。

おわかりいただけますでしょうか?
そう、実は上下巻のうち下巻だけ新カバーになっているのです。

上下巻の片方だけ新カバーになるのは過去に例がない……はず。

本当初はそのまま重版する予定だったそうですが、海外の権利者が下巻で使用していた写真を各種フォトサービスから取り下げてしまったため、使用不可能な状況に。そこでデザイナーの柳川貴代さんにたってのお願いをして、新たな写真を用いた新カバーを作成いただいた……というしだいです。雰囲気はそのままに、上巻と合わせたときに違和感のない、すてきな一冊となっています。

 

陸軍士官学校の死 上 (創元推理文庫)
ルイス・ベイヤード (著), 山田 蘭 (翻訳)

NETFLIX「ほの蒼き瞳」原作

引退した名警官ガス・ランダーは、ウエストポイント陸軍士官学校のセアー校長に呼び出され、内密に処理したい事件の捜査を依頼される。同校の士官候補生の首吊り死体から、何者かが心臓をくり抜き持ち去ったというのだ。捜査の過程でランダーは、ひとりの年若い協力者を得る。士官候補生一年の彼は青白い顔の夢想家で、名をエドガー・アラン・ポオといった――青年時代の文豪ポオを探偵役に迎えた、詩情豊かな傑作謎解きミステリ。

*第2位『2011本格ミステリ・ベスト10』海外ランキング
*第2位『IN★POCKET』2010年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/総合部門
*第2位『IN★POCKET』2010年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/翻訳家&評論家部門
*第4位『ミステリが読みたい!2011年版』海外篇/【海外部門新人賞】
     /本格部門 第1位/サプライズ部門 第2位/キャラクター部門 第4位
*第8位『このミステリーがすごい!2011年版』海外編
*第10位『IN★POCKET』2010年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/作家部門

陸軍士官学校の死 下 (創元推理文庫)
ルイス・ベイヤード (著), 山田 蘭 (翻訳)

才気煥発な青年ポオを協力者に、士官候補生の遺体損傷事件を調べつづける元辣腕警官のランダー。だが、そんな彼らの前に第二の、そして明らかな他殺死体が現れる。そして、令嬢リーへの愛に全霊を捧げるポオとランダーの関係にも、暗雲が立ちこめはじめていた。内なる孤独を抱えるふたりの男が、陸軍士官学校を震撼させた殺人事件に見いだした真実とは――。19世紀アメリカを舞台にした、圧巻の歴史ミステリ大作。解説=川出正樹

 
【関連】
Netflix『ほの蒼き瞳』2022年12月23日(金)劇場公開

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です