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日本人として知っておくべき俳句の知識とは? 青木亮人さん『教養としての俳句』が刊行

青木亮人さん著『教養としての俳句』

青木亮人さん著『教養としての俳句』

NHK出版は「学びのきほん」シリーズより、青木亮人さん著『教養としての俳句』を刊行しました。

 

俳句は、日本のリベラルアーツだ!

日本の伝統的な文芸として数百年も連綿と受け継がれてきた「俳句」。その愛好者は1000万人ともいわれています。全国には句を詠む人の「結社」が800~1000も存在しているとも。

 
しかし私たちはその知識を学校などでも特に学んできませんでした。

「俳句ってなぜ生まれたの?」
「季語ってなぜ必要なの?」
「よく知られているあの句の意味は?」

── 知らないことばかりです。

 
そこで日本人として最低限おさえておきたい俳句の知識を解説する超・入門書として、日本独自の文芸である俳句の世界を「教養」として知るための一冊が誕生。著者は、俳句における知識の豊富さ、切り口・語り口の面白さで評判を呼んでいて数々の賞を受けてきた気鋭の研究者、青木亮人さんです。

ハンカチと秋の空

ハンカチと秋の空

戦争末期の大俳人

戦争末期の大俳人

 

本書の構成

はじめに―

第1章  俳句とその歴史を知ろう
ハンカチと秋の空/戦争末期の大俳人/日常の些事を詠む/和歌から連歌へ/俳句と季語の源流/連歌から俳諧 へ/江戸俳諧と松尾芭蕉/独りで詠む発句/与謝蕪村と小林一茶

第2章 「写生」って何?
「俳句」の誕生/正岡子規の人生/子規の「写生」とは/高浜虚子の人生/虚子の「写生」とは/「地獄を背景として価値がある」/「写生」とは、生きている手触り/連歌から俳句までを貫く感性とは

第3章 「季語」を味わう
季語の意味とは/質感が変わる「風」/生活の解像度が上がる時/「季語を味わう」とは/日常を丁寧に暮らすこと/「日常はふつうでいい」/「はっきりした美しさの経験が根本だ」/「親」のまなざしを育む/「今」を慈しむ

第4章 俳句と、生きているということ
同じことができる幸せ/小さなことに喜びを感じる/「驚き」に立ち止まる/「一点の慰安」を求める/人生を肯定する「笑い」/生きているということ

 

著者・青木亮人さんからメッセージ(本書「はじめに」より)

俳句を教養として学び、味わうこと。これが本書の目的です。「教養」とは、名句を詠むためのコツやテクニックを身につけたり、俳句や詩歌の歴史を詳細に知るということではありません。むしろ生き方に関わるようなことであり、つまり俳句を通じて私たちの生き方がどのように変わり、いかに深まるのか、というのが本書の主眼です。 (略)本書はこれらのことを俳句史を振り返ったり、「写生」という独特の価値観に触れたり、俳句作品を味読したりしながら丁寧に体感してみようと思います。(略)かような俳句や季節感を味わうことはいかなる自分と出会い、日々の暮らしや人生を見つめ直すことになるのか。「教養」として俳句を学ぶ第一歩として、まずは第1章のページを繰るところから始めてみましょう。

 

著者プロフィール

著者の青木亮人(あおき・まこと)さんは、1974年生まれ、北海道小樽市出身。同志社大学文学部文化学科国文学専攻卒業、同大学院修了。博士(国文学)。現在、愛媛大学准教授。専門は近現代俳句研究。

2015年に評論集『その眼、俳人につき』(邑書林)で第29回俳人協会評論新人賞、第30回愛媛出版文化賞大賞、同年、高浜虚子の俳句評論で第1回俳人協会新鋭俳句評論賞、2019年『近代俳句の諸相』(創風社出版)で第33回俳人協会評論賞を受賞。

他の著書に『NHKカルチャーラジオ 俳句の変革者たち 正岡子規から俳句甲子園まで』(NHK出版)、『さくっと近代俳人入門 正岡子規・河東碧梧桐・高浜虚子編』(マルコボ.コム)、『愛媛 文学の面影』東予・中予・南予各編(創風社出版)など。

現在、「円座」「100年俳句計画」「子規新報」「氷室」「俳句四季」「俳句界」「NHK俳句」で俳句評論連載中、サイト「セクト・ポクリット」でエッセイを連載中。

 

NHK出版 学びのきほん 教養としての俳句 (教養・文化シリーズ)
青木 亮人 (著)

日本の伝統文芸として、数百年ものあいだ連綿と受け継がれてきた俳句。その愛好者は1000万人ともいわれている。にもかかわらず、私たちはその知識をどこでも学んでこなかった。そこで本書では、数々の賞を受けてきた気鋭の評論家が、日本人として最低限おさえておきたい俳句のいろはを解説。そもそも俳句ってどうやって生まれたの? 季語ってなぜ必要なの? どうやって俳句の意味を読みとけばいいの? 知識として俳句を知るための超・入門書。

 


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