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「ブラザーズ・ブラジャー」著者・佐原ひかりさん最新作『人間みたいに生きている』が期間限定で全文公開!

佐原ひかりさん著『人間みたいに生きている』

佐原ひかりさん著『人間みたいに生きている』

第二回氷室冴子青春文学賞大賞を受賞し、デビュー作『ブラザーズ・ブラジャー』で話題となった佐原ひかりさんによる、ひとりの少女の成長を描いた青春小説『人間みたいに生きている』が朝日新聞出版より刊行されました。

同社では、「冒頭2頁で心臓鷲掴みされました」「この切り口は衝撃を受けた」「読んだ人と語り合いたくなる小説」など、発売前から熱い感想が多数寄せられれたことに応え、2022年9月16日(金)までの期間限定で全文公開しています。

 

生きたくないんじゃない。食べなくても、生きられる体がほしい。

食べることそのものに嫌悪を覚えている女子高生・三橋唯(ゆい)。「食べること」と「人のつながり」はあまりに分かちがたく、孤独に自分を否定するしかなかった唯が、はじめて居場所を見つけたのは、食べ物の匂いが一切しない「吸血鬼の館」だった――。

 
《相談をするとき、報告をするとき、謝るとき、よろこびをわかちあうとき、親交を深めるとき。食べ物はいつもかたわらにある。小説でも映画でもそうだ。食べ物を介して、人と人は絆を深めてゆく。同じ釜の飯、を食べて仲間になる。食べ物をおいしいと言って食べる、ふしぎなひとたちが築く、しあわせで、ただしい世界の話。
私はその世界に参加できない。》
(本文より)

 
みんなが当然のように幸せだと思っている、「食べる」という行為。口に物を入れて飲み込むという行為自体が気持ち悪くて受け入れられない唯は、そのことを誰にも打ち明けられずにひとりで苦しんできた。ある日、学校で吸血鬼の噂を耳にし、吸血鬼ならば食べずに生きる術を知っているのではないかという一縷の望みに賭けて、外れにある館に向かう。そこに居たのは、金髪の美しい男性・泉であった。

孤独に苦しみもがきながらも光を見つけようと手を伸ばす、ひとりの少女の希望の物語。

 
発売前から熱い感想が多数寄せられている、佐原ひかりさん最新作『人間みたいに生きている』が2022年9月16日(金)までの期間限定で全文公開中です。

★佐原ひかりさん『人間みたいに生きている』全文公開ページ:https://note.com/asahi_books/n/n8e3f1a67615f

 
<カツセマサヒコさん絶賛! 発売前から熱い感想が続々!>

痛みに耐え、無理にでも笑顔を作ったことがある全ての人を、やさしく包んで労ってくれる物語でした。
(カツセマサヒコさん)

これは究極に生きづらい自分と向き合おうとした人の、叫びと許しの物語。
このテーマの斬新さと話の展開の深さ、主人公の気持ちの描写力に驚嘆!そして無理解で理不尽に見えた周囲に、自分の本音を言葉にできる場や、それを聞いてくれる人がいる、という救いに、涙せずにはいられなかった…。
読後、きっと自分を好きになれる1冊。
(ネットギャリー 図書館関係者)

読み終わりが近づくにつれ、感じていたのは、読み終わるのがもったいない、でした。そのくらい好きです。
(ネットギャリー 書店関係者)

多様性をテーマにしたものは多々ある中で、この切り口は衝撃を受けた。
自分の当たり前と人の当たり前は違うこと、その人の苦しみを自分の型に当てはめて理解したつもりで歪めないこと、そんなことを再認識した作品。
(ネットギャリー レビュアー)

この痛みを知っている。自分で自分を、「普通じゃない」と追い込んでしまうこと。それでも、生きていける場所はどこかにあるのだと信じられた。食べることが苦痛な少女が辿り着いた、食べ物の匂いのしない屋敷に住む男性との日々。生きづらさを抱える人に届けたい。
(ネットギャリー 書店関係者)

 

著者・佐原ひかりさんから刊行によせて

バレンタイン、手作りの友チョコが苦手でした。でも、円満な人間関係のため受け取っていました。
何を食べてどう生きるか、かぎりなく個人の体のことなのに、社会性や、人間性が絡んでくる。
「食」ってふしぎだなあ、と思います。
あかるく、おいしく、しあわせに。
自分はそうではないと、口に出せず生きている人もいると思います。だから書きました。
食べるのが苦手な人にも、そうでない人にも届けていただけたら幸いです。

 

著者プロフィール

著者の佐原ひかり(さはら・ひかり)さんは、1992年生まれ、兵庫県出身。2017年「ままならないきみに」で第190回コバルト短編小説新人賞を受賞。2019年「きみのゆくえに愛を手を」で第二回氷室冴子青春文学賞大賞を受賞し、改題した『ブラザーズ・ブラジャー』で作家デビュー。

著書に『ペーパー・リリイ』がある。本作は三作目。

 

人間みたいに生きている
佐原 ひかり (著)

私は、まともな人たちの前で、絶対的に不幸だ。

「みんなの幸せ」を幸せと思えず生きる苦しみを抱えた、ひとりの少女の成長を描く青春小説!

食べることそのものに嫌悪を覚えている女子高生・三橋唯。「食べること」と「人のつながり」はあまりに分かちがたく、孤独に自分を否定するしかなかった唯が、はじめて居場所を見つけたのは、食べ物の匂いが一切しない「吸血鬼の館」だった。
自分と社会の不一致に苦しみもがきながらも光を探す、希望の物語。

 
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