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【第32回Bunkamuraドゥマゴ文学賞】木村紅美さん『あなたに安全な人』が受賞 ロバート キャンベルさんが選考

第32回Bunkamuraドゥマゴ文学賞が決定!

第32回Bunkamuraドゥマゴ文学賞が決定!

東急文化村は9月5日、第32回Bunkamuraドゥマゴ文学賞の受賞作を発表しました。

 

第32回Bunkamuraドゥマゴ文学賞が決定!

第32回Bunkamuraドゥマゴ文学賞は、ロバート キャンベルさんが選考し、次の通り受賞作が決定しました。

 
<第32回Bunkamuraドゥマゴ文学賞 受賞作品>

木村紅美(きむら・くみ)さん
『あなたに安全な人』(河出書房新社)

 
1990年の創設以来、Bunkamuraドゥマゴ文学賞は、毎年かわる「ひとりの選考委員」によって受賞作を決定してきました。第32回となる2022年度の選考を務めたのは日本文学研究者のロバート キャンベルさんです。

受賞作に選ばれた木村紅美さんの『あなたに安全な人』について、キャンベルさんは「世界を覆う不均衡(インバランス)に声と形を与えようとしている点において、高い評価に値する作品であることは間違いない」と評しています。

キャンベルさんの選評は公式ホームページ(https://www.bunkamura.co.jp/bungaku/winners/32.html)にて全文掲載されています。

木村紅美さんには、正賞として賞状とスイス・ゼニス社製時計が、副賞として100万円が贈られます。

 

受賞作品および受賞者について

 
【受賞作『あなたに安全な人』概要】

人を死なせた女と男の、孤独で安全な逃亡生活――。3.11直前の少年の死をめぐる海難事故と、沖縄新基地建設反対デモ警備中の出来事が、「感染者第一号」を誰もが恐れる地で交差する。

 
<受賞者・木村紅美さん プロフィール>

1976年生まれ、兵庫県出身。小学校六年生から高校卒業まで宮城県仙台市で過ごし、現在岩手県盛岡市在住。明治学院大学文学部芸術学科卒業。2006年に「風化する女」で文學界新人賞を受賞しデビュー。

著書に『風化する女』『月食の日』『夜の隅のアトリエ』『まっぷたつの先生』『雪子さんの足音』等がある。

 

Bunkamuraドゥマゴ文学賞について

Bunkamuraドゥマゴ文学賞は、パリの「ドゥマゴ文学賞」(1933年創設)のもつ先進性と独創性を受け継ぎ、既成の概念にとらわれることなく、常に新しい才能を認め、発掘することを目的に、1990年に創設された文学賞です。権威主義に陥らず、既成の概念にとらわれることなく、先進性と独創性のある、新しい文学の可能性を求めています。東急文化村が主催。

前年7月1日から当年7月31日までの13ヶ月間に出版された単行本または雑誌等に発表された日本語の文学作品(小説、評論、戯曲、詩)を対象とし、受賞作は、毎年「ひとりの選考委員」によって選ばれます。選考委員の任期は1年間。

なお、次回、第33回(2023年度)選考委員は歌人の俵万智さんです。

 

あなたに安全な人
木村紅美 (著)

尾崎世界観推薦!

「ここ最近、分断を許さないことで起きる分断のせいで、空気を読むのにずっとうんざりしていたから、ひたすら気配を読むこの読書が幸福だった。」
「互いの気配は、ときどき、幽霊がいるのかな、とでもびくっとさせるくらいに漂わせるのが理想です」(本文より)

3.11直前に教え子をいじめ自殺に追いやってしまったかもしれない元教師の妙と、沖縄新基地建設反対デモの警備中にデモ参加者を不慮の事故で死なせてしまったかもしれない便利屋の忍。
過去の出来事に苛まれるふたりは、「感染者第一号」を誰もが恐れる地で出会った。
人が人を傷つけ、傷つけられる世界で、「東京からの移住者」が遂げた謎の死をめぐり、ふたりの運命は動き出す――。

 
【関連】
受賞作品 | Bunkamuraドゥマゴ文学賞| Bunkamura

 


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