明治時代に実在した「女子写真伝習所」が舞台!柊サナカさん『お銀ちゃんの明治舶来たべもの帖』が刊行
柊サナカさん著『お銀ちゃんの明治舶来たべもの帖』がPHP研究所より刊行されました。
明治時代、女性の新職業として注目を集めた「写真師」を育てる「女子写真伝習所」。実在したこの学校をモデルに、カメラ愛好家の柊さんが、当時の撮影技術や描写を盛り込んだミステリーエンターテインメント作品に仕立て上げています。主人公らが食べるスイーツもバラエティ豊富で読者を楽しませてくれると、SNSを中心に反響が寄せられています。
明治時代に実在した女子のみの写真学校「女子写真伝習所」
「女子写真伝習所」は明治35年、現在の新宿区西五軒町に設立されました。
明治の女子の仕事といえば、教員や看護師、電話交換手、芸妓に髪結い、そして家業手伝いなど。ごくごく職業が限られていたなかで、女子の新職業のひとつとして注目されたのが「写真師」でした。一人で写真館を構えるには莫大な資金が必要となりますが、写真館が増え、写真修正などの専門技術を持つ技師の募集も増えてきていました。
写真の世界に女性は少なかったのですが、手先の細かく、繊細な感覚を持つ女性は修正技術に向いていると考えられていました。撮影時、ご婦人、令嬢の着物や洋装の裾や袖、身体の傾きなどを直す撮影助手としても、写真の技術を持つ女性は重宝されたのです。
本作の銀、基美、シズは、三人ともそれぞれ違った思いから写真師を目指しています。写真技術も時代も刻々と変化していくなか新しい職業に挑戦する、少女たちの生き生きとした日常が描かれています。
<あらすじ>
時は明治、女子が写真を学ぶ学校「女子写真伝習所」に通う三人の少女がいた。食いしん坊なら一等賞の銀、本科生主席の基美、元人気芸妓のシズ。三人は見た目も性格も見事に違うものの、なぜか気が合い仲が良い。
ある日食いしん坊の銀が、<バナナ>なる珍奇な果物が輸入されたと聞きつけた。魅惑の南国フルーツを食べるため、三人は【写真よろづ相談所】を設立してお金を稼ごうとするが、舞い込む依頼は奇妙な謎をはらんでいて……。
写真師を夢見る少女たちの美味しく楽しいミステリー。
著者プロフィール
著者の柊サナカ(ひいらぎ・さなか)さんは、1974年生まれ。香川県出身、兵庫県育ち。香川県出身神戸女子大学文学部卒業、姫路獨協大学大学院言語教育研究科日本語教育専攻修了。日本語教師として7年間の海外勤務を経て、2013年「このミステリーがすごい!」大賞の隠し玉として『婚活島戦記』でデビュー。
「谷中レトロカメラの謎日和」シリーズ、『人生写真館の奇跡』(以上、宝島社)、「機械式時計王子」シリーズ(角川春樹事務所)、「二丁目のガンスミス」シリーズ(ホビージャパン)、『天国からの宅配便』(双葉社)など著書多数。
★Twitter:https://twitter.com/hiiragisanaka
お銀ちゃんの明治舶来たべもの帖 (PHP文芸文庫) 柊 サナカ (著) |
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