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生前の太宰治・ベストセラー誕生から75年、「作家がどうしても書きたかったこと」を高橋源一郎さんが読み解く『太宰治 斜陽 ~名もなき「声」の物語』が刊行

高橋源一郎さん著『NHK「100分de名著」ブックス 太宰治 斜陽 ~名もなき「声」の物語』

高橋源一郎さん著『NHK「100分de名著」ブックス 太宰治 斜陽 ~名もなき「声」の物語』

高橋源一郎さん著『NHK「100分de名著」ブックス 太宰治 斜陽 ~名もなき「声」の物語』がNHK出版より刊行されました。

 

『NHK100分de名著』(2015年9月号)で反響を呼んだテキストに、書下ろし新章「太宰治の十五年戦争」を追加収載し単行本化

本書は、太宰治をこよなく愛する作家の高橋源一郎さんが、1947年に発表され爆発的ブームを巻き起こした『斜陽』に、太宰文学の核心を見る一冊です。

 
本書で注目する『斜陽』の登場人物は3人。酒におぼれる小説家・上原、既婚者・上原に恋するかず子、麻薬中毒に苦しむ弟・直治。『斜陽』に描かれた彼らの葛藤とその「声」に、太宰治が込めた思いを読みといていきます。

 
そもそも太宰治は、『斜陽』をどんな人に読んでほしかったのでしょうか。次の高橋源一郎さんの文章に心当たりのある方は、ぜひ本書で続きを読んでみてください。

 
(本書より抜粋)

心の底から「生きていたい」と願う人たちすべてに向かって、『斜陽』という作品は書かれている。『斜陽』の中で、太宰治がやろうとしたのは、ひとことでいうなら「革命」だと思う。政治的な「革命」じゃない。人間のもっと深いところからの「革命」を、太宰治は小説の中に書きこもうとした。それができるのは、ほんとうに絶望したことのある人間だけだ。

この社会はおかしい。この世界はどうかしている。そんな気持ちを人びとが抱きつづける限り、『斜陽』はいつまでも読まれるだろう。もちろん、現在もだ。

では、太宰が書こうとした「革命」とは何だったのか。さあ、頁を開くことにしよう。

 
※NHK出版のコンテンツサイト「NHK出版デジタルマガジン」では、本書の「はじめに ~ぼくたちには太宰治が必要なんだ」を試し読みできます。

★URL:https://mag.nhk-book.co.jp/article/10753

 

本書の構成

はじめに ぼくたちには太宰治が必要なんだ

第1章 「母」という名の呪縛

第2章 かず子の「革命」

第3章 ぼくたちはみんな「だめんず」だ

第4章 「太宰治」の中にはすべてが入っている

特別章 太宰治の十五年戦争

おわりに

 

著者プロフィール

著者の髙橋源一郎(たかはし・げんいちろう)さんは、1951年生まれ、広島県出身。作家。1981年「さようなら、ギャングたち」で第4回群像新人長篇小説賞を受賞しデビュー。

1988年『優雅で感傷的な日本野球』で第1回三島由紀夫賞、2002年『日本文学盛衰史』で第13回伊藤整文学賞、2012年『さよならクリストファー・ロビン』で第48回谷崎潤一郎賞を受賞。

他の著書に『一億三千万人のための『論語』教室』『「ことば」に殺される前に』(河出新書)、『これは、アレだな』(毎日新聞出版)、『「読む」って、どんなこと?』(NHK出版)など多数。

 

NHK「100分de名著」ブックス 太宰治 斜陽: 名もなき「声」の物語
高橋 源一郎 (著)

隠され続けたのは、私たちの「声」なんだ――。

「一億玉砕」から「民主主義」へ――。言葉は変われどその本質は変わらなかった戦後の日本。そんな中、それを言われると世間が困るような「声」を持つ人たちがいた。酒におぼれる小説家・上原、既婚者・上原を愛するかず子、麻薬とアルコール中毒で苦しむ弟・直治。1947年に発表され爆発的ブームを巻き起こした『斜陽』に描かれる、生きるのが下手な彼らの「声」に、太宰治が込めた思いとは何だったのか。彼らが追い求めた「自分の言葉で」「真に人間らしく」生きるとはどういうことなのか。太宰が「どうしても書きたかったこと」に作家・高橋源一郎が迫る。秀作『散華』に焦点をあてた書下ろし特別章「太宰治の十五年戦争」収載。

*電子版では、権利上の理由により一部収録しない写真がございます。ご了承ください。

 
【関連】
太宰治『斜陽』を読む ── ぼくたちには太宰治が必要なんだ(高橋源一郎さんによる「はじめに」特別公開) | NHK出版デジタルマガジン

 


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