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海上保安学校が舞台!吉川英梨さん『海の教場』が刊行 舞鶴の海上保安学校でトークイベントも

吉川英梨さん著『海の教場』

吉川英梨さん著『海の教場』

”海保小説家”の異名を取る吉川英梨さんが、海上保安学校を舞台にした小説『海の教場』をKADOKAWAより7月4日に刊行します。

本書の刊行を記念して、舞鶴の海上保安学校のオープンキャンパス行事「五森祭(いつもりさい)」で7月2日(土)にトークイベントも実施されます。

 

日刊ゲンダイ連載時から話題沸騰!海上保安学校を舞台にした成長物語

ミステリーや警察小説のほか、海上保安庁に取材した小説を多く手がける作家、吉川英梨さんの新刊『海の教場』は、2021年10月から2022年3月まで日刊ゲンダイで連載されていた作品を書籍化したものです。

 
『海の教場』の舞台となるのは、京都府舞鶴にある海上保安学校。海の安全を守る海上保安官になるために、学生たちが必要な教育や訓練を実施するところです。とある事情から教官となった主人公がさまざまな困難を乗り越え、学生たちと一緒に成長していくヒューマンドラマです。

しばしば舞鶴を取材に訪れた吉川さんが描く、海上保安学校独特の雰囲気や、厳しい寮生活や訓練の様子、自然豊かな舞鶴の街の風景がリアルに描かれていると、連載時から話題となった作品です。

 
海上で起きた事件を扱う<新東京水上警察>シリーズ(2016年『波動』、2017年『朽海の城』、2018年『海底の道化師』、2020年『月下蝋人』すべて講談社)が、吉川さんが”海保小説”を執筆するきっかけとなりました。

その後、まだ実在しない女性版「海猿」ともいえる日本初の女性海保潜水士を描いた小説『海蝶』(2020年講談社、2022年『海蝶 海を護るミューズ』として講談社より文庫化)、お台場のレストランと東京湾上で発生した新種のウイルス感染症と闘う海保×警察パンデミックアクション『感染捜査』(2021年光文社)など、海上保安庁への徹底した取材から生み出される迫真のリアリティのみならず、大義を背負って使命を全うしようとする人たちの生きざまを描いた物語が感動を呼んでいます。

現在、海上保安友の会理事としても活動しています。

 

『海の教場』新刊記念!海上保安学校の恒例行事 五森祭でトークイベントに登壇

舞鶴の海上保安学校は今年、開校71周年。毎年恒例のオープンキャンパス行事、五森祭(いつもりさい)でのトークイベントに吉川英梨さんが新刊記念で登壇することになりました。

 
イベントでは、前海上保安学校長の江口圭三さん、海上保安協会の宮野直昭さんと鼎談。取材のため、海上保安学校をしばしば訪れていた吉川さんが、創作の裏話などについてもお話する予定です。

五森祭会場では、海上保安協会売店において、7月4日の発売日に先んじて『海の教場』書籍の販売も予定されています(サイン本も数量限定で用意)。

 
【トークイベント概要】

■日時:7月2日(土)11:30~12:30(予定)

■場所 :海上保安学校(京都府舞鶴市字長浜2001) 講堂

■内容(予定)
◎日本初「海保小説家」と言われる吉川さんの作品紹介、映像化エピソード
◎『海の教場』創作の裏側~執筆のきっかけや海上保安学校での取材エピソード
◎海上保安学校について~厳しい訓練や学校生活を通しての人間的成長
◎吉川さんから見た海上保安庁の現場~知床事案の考察
◎「海の教場」を通して読者に伝えたいこと
◎「正義仁愛」の精神、水難救済会の役割について
◎質疑応答

※五森祭(いつもりさい)の詳細については、海上保安学校HP(http://www.kaiho.mlit.go.jp/school/)をご覧ください。

 
<トークイベント登壇者プロフィール>

吉川英梨さん

吉川英梨さん

■吉川英梨(よしかわ・えり)さん
埼玉県生まれ。2008年に「私の結婚に関する予言38」で第3回日本ラブストーリー大賞エンタテインメント特別賞を受賞し作家デビュー。著書に「女性秘匿捜査官・原麻希」シリーズ、「新東京水上警察」シリーズ、「警視庁53教場」シリーズ、「十三階の女」シリーズ、『ハイエナ 警視庁捜査二課 本城仁一』『雨に消えた向日葵』『ダナスの幻影』『葬送学者R.I.P』など多数。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、サスペンス・ミステリー、警察小説の新旗手として注目を集めている。
7月にWOWOWで『雨に消えた向日葵』が「連続ドラマW」として放映予定

 
■江口圭三(えぐち・けいぞう)さん
1986年海上保安大学校卒業。悪質密漁取締り、密輸事案取締り、尖閣海上警備、九州沖縄サミット海上警備、九州南西海域工作船事件等の豊富な現場経験を有する。また、海上保安庁教育訓練管理官、JICAフィリピン人材育成プログラム等の教育関係業務に11年従事。2020年に海上保安学校長。2022年4月退職。現在、(公社)日本水難救済会常務理事。

 
■宮野直昭(みやの・なおあき)さん
海上保安協会常務理事。
1981年海上保安大学校卒業。1985年から6年間特殊救難隊勤務の後、救難強化巡視船や警備実施等強化船、大阪特殊警備基地長等を歴任。2017年4月第三管区海上保安本部長を最後に退職。現在は(公財)海上保安協会にて、海上保安新聞の発行や海上保安友の会の支援を通じた海上保安思想の普及啓発に努めている。

 

海の教場
吉川 英梨 (著)

最高の学校と仲間が、生き方を教えてくれた。海上保安学校が舞台の教場物語

桃地政念(ももち・まさむね)は、海上保安官の中でも調理・経理・庶務などを担当する縁の下の力持ち部門「主計」の専門官。海上保安官といえど、海猿でもヒーローでもなく、小柄でメタボが気になる独身彼女ナシの中年だ。
霞が関勤務の彼がある日、学生時代のマドンナ・高浜彩子から呼び出された。彩子は女性ヘリ操縦士の草分け的存在で、桃地とはある因縁を持つ。
ドキドキしながら向かった待ち合わせ先で告げられたのは「肝臓がんで余命一年」。京都府舞鶴市の病院に入院するという。シングルマザーの彩子は、息子の悠希が春から舞鶴の海上保安学校に入る予定で、そのそばで過ごすためのようだった。
彼女のために現地への異動を企てた桃地は同校の教官として赴任することに。船舶運航システム課程主計コース3組の担任となったが、腐れ縁の校長・比内から、ある事情がクラスに重い影を落としていることを聞かされ……。

命と向き合う機会の多い、海上保安官という仕事。明るく人間味あふれる桃地の、学生たち、そして愛する人とのかかわりの日々に、感涙間違いなし!

装画=西川真以子

 
推薦コメントが届きました!
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海上保安学校での生活を巧みに描きつつ、生きることの意味を考えさせられる秀逸な作品。
寮生活や訓練、そして命の現場となる乗船実習。相手を思い自分を見つめ、過去と未来、そして公私の狭間で試練を乗り越えて成長し決断していく過程がリアルに描かれている。
自分の進むべき道を探している人に是非読んでもらいたい。

海上保安学校 前校長 江口圭三さん
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吉川英梨 最新作『海の教場』の舞台へ~海上保安学校 卒業式&巡視船みうら 訪問記~ | カドブン

 


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