海上保安庁潜水業務運用開始50周年!吉川英梨さん最新作『海蝶』は女性海上保安潜水士の挑戦と勇気を描いた物語
作家・吉川英梨さんの30作目となる長編小説『海蝶(かいちょう)』が講談社より2020年9月1日に刊行されました。
警察小説の旗手、吉川英梨さん最新作『海蝶』が刊行!
吉川英梨さんは2008年のデビュー以来、男性が多い警察組織で女性が活躍する小説を多く手掛けており、緻密な取材に基づいたリアリティあふれる展開と、登場人物の丁寧な心理描写に定評があります。
『海蝶』は海の安全を守る海上保安庁初の女性潜水士の小説中の愛称。東日本大震災での出来事をきっかけに女性潜水士となった主人公・愛が、初の哨戒中に直面したある事件をめぐり、同じく潜水士である父や兄との家族ドラマ、潜水士仲間たちとの確執を経た後に生まれた絆により、成長していくヒューマンドラマとなっています。
吉川さんは海上保安協会の協力を得、足かけ2年をかけて海上保安庁潜水士の仕事を取材。海上保安大学校がある広島県・呉や静岡県・清水海上保安部などを実際に訪れ、巡視船艇のいくつかにも乗船した緻密な取材による情景描写が、小説の登場人物たちの存在感をリアルなものにしています。
奇しくも今年2020年は転覆や沈没海難における人命の救助などに迅速に対応するために生まれた「海上保安庁潜水制度」の運用開始から50周年となる節目の年。潜水業務の運用開始から今日までの長い歴史の中で誕生した「特殊救難隊」や「機動救難士」といったスペシャリスト集団も『海蝶』内で活躍しています。
主人公の愛と、家族が巻き込まれたミステリアスな海難事件は二転三転し、思いもよらないところに読者を運んでいきます。事件が解決したときに、震災後硬直していた愛の家族が再び前を向いて歩き始める結末は、涙を誘う温かいものになっています。
海上保安官の精神「正義仁愛」を人間ドラマに仕立て上げた吉川ワールドを堪能してください。
著者プロフィール
著者の吉川英梨(よしかわ・えり)さんは、1977年埼玉県生まれ。2008年に「私の結婚に関する予言38」で第3回日本ラブストーリー大賞エンタテインメント特別賞を受賞し作家デビュー。
著書に「女性秘匿捜査官・原麻希」シリーズ、「新東京水上警察」シリーズ、「警視庁53教場」シリーズ、「十三階の女」シリーズ、『ハイエナ 警視庁捜査二課 本城仁一』『雨に消えた向日葵』『ダナスの幻影』『葬送学者R.I.P』など多数。
★Twitter(@yoshikawaeri):https://twitter.com/yoshikawaeri
海蝶 吉川 英梨 (著) 日本初の女性海保潜水士、勇気と感動の物語。いま最注目の作家・吉川英梨の渾身作。 ― 女性の自立と家族愛は超ハートフル、手に汗握るサスペンスはVRシネマ級の、ドラマティック・ミステリー! ― 女性初の潜水士「海蝶」として注目を集める横浜海上保安部所属・忍海愛。兄の仁は特殊救難隊潜水士、父の正義も優秀な海保潜水士で血統は折り紙付きだ。しかし、愛は海保期待の星ではあるものの、現場には気を使わせるお荷物。母を東日本大震災の津波で失った愛は、覚悟して海に対峙する。そこに、待ち受けていたのはとんでもない難事件だった。 「足かけ二年に渡る海上保安庁取材で見聞きした海上保安官の精神『正義仁愛』こそが、この本のテーマであり、矜持(プライド)です」― 吉川英梨 |
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