祝!第75回日本推理作家協会賞〈短編部門〉受賞!逸木裕さん受賞作「スケーターズ・ワルツ」収録『五つの季節に探偵は』より第72回候補作「イミテーション・ガールズ」を全文公開
4月25日に行われた選考会にて、逸木裕さんの短編小説「スケーターズ・ワルツ」(『小説 野性時代』2021年2月号掲載/2022年1月KADOKAWA刊『五つの季節に探偵は』収録)が第75回日本推理作家協会賞〈短編部門〉(主催:一般社団法人日本推理作家協会)を受賞しました。
本作が収録されている『五つの季節に探偵は』は、“人の本性を暴かずにはいられない”探偵が出会った5つの謎を描く、精緻でビターなミステリ連作短編集です。
逸木裕さん 受賞の言葉
短編小説を書くのは大好きです。世界をどう切り取り、どの断面から物語を見せるのか、そこに工夫を凝らすのが楽しいからです。この度、そうやって書いた作品が日本推理作家協会賞の短編部門を受賞するという望外の評価をいただけました。今後もより鋭く、色彩豊かな断面を見せていけるよう、執筆していきたいと思います。本当にありがとうございました。
――逸木裕
※受賞の言葉・選評などは、日本推理作家協会公式ホームページと会報、贈呈式で配布される冊子へ掲載予定です。
『五つの季節に探偵は』について
【あらすじ】
人の心の奥底を覗き見たい。暴かずにはいられない。
わたしは、そんな厄介な性質を抱えている。
◇高校二年生の榊原みどりは、同級生から「担任の弱みを握ってほしい」と依頼される。担任を尾行したみどりはやがて、隠された“人の本性”を見ることに喜びを覚え――。(「イミテーション・ガールズ」)
◇探偵事務所に就職したみどりは、旅先である女性から〈指揮者〉と〈ピアノ売り〉の逸話を聞かされる。そこに贖罪の意識を感じ取ったみどりは、彼女の話に含まれた秘密に気づいてしまい――。(「スケーターズ・ワルツ」)
精緻なミステリ×重厚な人間ドラマ。じんわりほろ苦い連作短編集。
〔目次〕
◎イミテーション・ガールズ ―― 2002年 春(※2019年 第72回日本推理作家協会賞〈短編部門〉候補作)
◎龍の残り香 ―― 2007年 夏
◎解錠の音が ―― 2009年 秋
◎スケーターズ・ワルツ ―― 2012年 冬(※2022年 第75回日本推理作家協会賞〈短編部門〉受賞作)
◎ゴーストの雫 ―― 2018年 春
★本書の試し読みを公開中:https://kadobun.jp/trial/itsutsunokisetsunitanteiwa/1ixx5pepp97o.html
★「精緻でビターなミステリ連作短編集『五つの季節に探偵は』&万華鏡のような青春ミステリ『星空の16進数』。2作刊行記念、逸木裕インタビュー」:https://kadobun.jp/feature/interview/6iv8blin100s.html
★「同じ年デビューの“同期作家”トーク! 逸木 裕『五つの季節に探偵は』× 市川憂人『断罪のネバーモア』刊行記念対談」:https://kadobun.jp/feature/talks/1l28mgdd9tc0.html
著者プロフィール
著者の逸木裕(いつき・ゆう)さんは、1980年生まれ。東京都出身。学習院大学法学部法学科卒業。フリーランスのウェブエンジニア業の傍ら、小説を執筆。2016年『虹を待つ彼女』で第36回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー。
他の著書に『少女は夜を綴らない』『星空の16進数』『空想クラブ』『電気じかけのクジラは歌う』『銀色の国』がある。
五つの季節に探偵は 逸木 裕 (著) |
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