本のページ

SINCE 1991

【第46回川端康成文学賞】上田岳弘さん「旅のない」が受賞

第46回川端康成文学賞が決定!

第46回川端康成文学賞が決定!

新潮社は、前年に発表された短篇小説の中で最も完成度の高い作品に贈る「第46回川端康成文学賞」の受賞作を発表しました。

 

第46回川端康成文学賞が決定!

日本で最も権威のある短篇小説賞「第46回川端康成文学賞」の選考会が4月7日に開催され、次の通り受賞作品が決定しました。

 
<第46回川端康成文学賞 受賞作品>

上田岳弘(うえだ・たかひろ)さん
「旅のない」(『群像』2021年5月号掲載)

 
選考委員は、荒川洋治さん、角田光代さん、辻原登さん、堀江敏幸さん、村田喜代子さん(五十音順)。

 
<「旅のない」あらすじ>

IT企業に勤める傍ら小説も書いている「僕」は、九州での出張を終え、現地販売店の社員の車で送られている。途中、村上というその男が学生時代に撮った「旅のない」という未完の映画の話になる。常に何かから逃げている男が、名前も職業も変えながら各地を転々とする話だという。そして、「私には旅がない」と話す村上の素性も、次第にわからなくなっていく。

 

受賞者プロフィール

上田岳弘さん

上田岳弘さん

受賞者の上田岳弘さんは、1979年2月26日生まれ。兵庫県出身。早稲田大学法学部卒業。2013年「太陽」で新潮新人賞を受賞しデビュー。

2015年「私の恋人」で三島由紀夫賞を受賞。2018年2018年『塔と重力』で芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。2019年「ニムロッド」で芥川龍之介賞を受賞。著書に『太陽・惑星』『異郷の友人』『キュー』『旅のない』『引力の欠落』など。

 

川端康成文学賞について

日本人初のノーベル文学賞受賞者である川端康成(1899-1972)の没後、その賞金を基金にして生まれた川端康成文学賞(主催:川端康成記念会、後援:新潮社)は、短篇小説を対象とする賞としては日本で最も権威のある小説賞として50年近く営まれてきました。

過去の受賞者にはノーベル文学賞作家・大江健三郎さんや古井由吉さん、安岡章太郎さん、筒井康隆さんから山田詠美さん、江國香織さん、町田康さんまで日本を代表する作家が選ばれてきましたが、2019年に惜しまれつつ一時休止しました。しかし、川端康成没後50年を来年2022年に控えた昨年、復活を果たしました。

 
川端康成には「掌(てのひら)の小説」という短編小説の名品が数多くあることから、審査対象は短編小説に限り、その年度の最も完成度の高い作品を授賞対象とします。

川端康成文学賞は丁寧かつ厳密な選考を重ねることで知られ、選考委員による本選考は一次選考会と最終選考会の2回にわたり実施されます。

 
<参考> 過去の受賞者 〔敬称略〕

第1回(1974年)上林暁「ブロンズの首」
第2回(1975年)永井龍男「秋」
第3回(1976年)佐多稲子「時に佇つ(十一)」
第4回(1977年)水上勉「寺泊」 富岡多恵子「立切れ」
第5回(1978年)和田芳恵「雪女」
第6回(1979年)開高健「玉、砕ける」
第7回(1980年)野口冨士男「なぎの葉」
第8回(1981年)竹西寛子「兵隊宿」
第9回(1982年)色川武大「百」
第10回(1983年)島尾敏雄「湾内の入江で」 津島佑子「黙市」
第11回(1984年)林京子「三界の家」 大江健三郎「河馬に噛まれる」
第12回(1985年)高橋たか子「恋う」 田久保英夫「辻火」
第13回(1986年)小川国夫「逸民」
第14回(1987年)古井由吉「中山坂」 阪田寛夫「海道東征」
第15回(1988年)上田三四二「祝婚」 丸谷才一「樹影譚」
第16回(1989年)大庭みな子「海にゆらぐ糸」 筒井康隆「ヨッパ谷への降下」
第17回(1990年)三浦哲郎「じねんじょ」
第18回(1991年)安岡章太郎「伯父の墓地」
第19回(1992年)吉田知子「お供え」
第20回(1993年)司修「犬(影について・その一)」
第21回(1994年)古山高麗雄「セミの追憶」
第22回(1995年)三浦哲郎「みのむし」
第23回(1996年)大庭みな子「赤い満月」
第24回(1997年)坂上弘「台所」
第25回(1998年)村田喜代子「望潮」
第26回(2000年)岩阪恵子「雨のち雨?」 目取真俊「魂込め(まぶいぐみ)」
第27回(2001年)車谷長吉「武蔵丸」
第28回(2002年)河野多惠子「半所有者」 町田康「権現の踊り子」
第29回(2003年)堀江敏幸「スタンス・ドット」 青山光二「吾妹子哀し」
第30回(2004年)絲山秋子「袋小路の男」
第31回(2005年)辻原登「枯葉の中の青い炎」
第32回(2006年)角田光代「ロック母」
第33回(2007年)小池昌代「タタド」
第34回(2008年)稲葉真弓「海松(みる)」 田中慎弥「蛹」
第35回(2009年)青山七恵「かけら」
第36回(2010年)高樹のぶ子「トモスイ」
第37回(2011年)津村節子「異郷」
第38回(2012年)江國香織「犬とハモニカ」
第39回(2013年)津村記久子「給水塔と亀」
第40回(2014年)戌井昭人「すっぽん心中」
第41回(2015年)大城立裕「レールの向こう」
第42回(2016年)山田詠美「生鮮てるてる坊主」
第43回(2017年)円城塔「文字渦」
第44回(2018年)保坂和志「こことよそ」
第45回(2021年)千葉雅也「マジックミラー」

 
【関連】
川端康成文学賞 | 新潮社

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。