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完売、在庫切れ続出!『プーチンの世界 「皇帝」になった工作員』が緊急増刷 ウクライナへの侵攻をきっかけにロシア大統領プーチンへの注目が急増!

『プーチンの世界――「皇帝」になった工作員』(著:フィオナ・ヒルさん・クリフォード・G・ガディさん/監修・解説:畔蒜泰助さん/訳:濱野大道さん・千葉敏生さん)

『プーチンの世界――「皇帝」になった工作員』(著:フィオナ・ヒルさん・クリフォード・G・ガディさん/監修・解説:畔蒜泰助さん/訳:濱野大道さん・千葉敏生さん)

ウクライナへの侵攻をきっかけにロシアのプーチン大統領への注目が高まり、連日の報道と呼応するように、新潮社より2016年に刊行された『プーチンの世界――「皇帝」になった工作員』(著:フィオナ・ヒルさん・クリフォード・G・ガディさん/監修・解説:畔蒜泰助さん/訳:濱野大道さん・千葉敏生さん)の注文が急増。Amazonをはじめとするネット書店では軒並み完売、リアル書店でも品切れの書店が続出しているため、新潮社では緊急増刷を決定しました。

 

アメリカのプーチン研究第一人者が全世界に問う“狂気の男”の真実と真意。この男の「過去」を理解した時、私たちは「絶望」を知る!

 
果たして、ここまでプーチンのことを詳らかにした本があっただろうか?

幼少期の喧嘩のエピソード、エリツィンが見初めた「脅し」のスキル、熟知するゆえに巧妙に捻じ曲げる「歴史観」、すべてのロシア国民はロシア国家のために存在するという「国家観」など、これら全ての分析は、今回の「クリミア侵攻」で証明されます。
圧巻の528頁2段組だからこそ出来る、プーチンのすべてを知る本。
来るかもしれない「悲劇」を「悲劇」のまま受け入れないために……。

 
「ウクライナ侵攻」のトリガーをついに引いてしまったプーチン露大統領は「一体なにを考えているのか」――。
それは絶望の渦に巻き込まれるウクライナの人々のみならず、各国の指導者、国民もまたそう思うところです。なぜなら、それが理解できていたならば、こんな事態は起こっていなかったのだから。

 
しかし、だれもこの事態を見抜けなかったわけではありません。少なくともそれを指摘し続けた人はいました。その一人が本書の筆者、米ブルックリングス研究所のフィオナ・ヒルさんです。彼女はプーチンの幼少期、まだ無名のKGB下級職員だった時代から現在までを詳細に調べ、その動きにシビアな考察を加えてきました。そして導き出された答えは――「あまりに危険すぎる人物である」。

 
本書はプーチン大統領を6つの視点――〈国家主義者〉〈歴史家〉〈サバイバリスト〉〈アウトサイダー〉〈自由経済主義者〉〈ケース・オフィサー(工作員)〉――で、徹底分析。数多くの発言録、知られざるエピソードから、そのあまりに危険な「国家観」「歴史観」「経済観」「戦争観」をリアルに暴き出し、ウクライナ侵攻後の「プーチンの世界」までもリアルに映し出します。

 

本書に示される、プーチンが幼少期の体験から導き出した独自の「思想」「戦争観」について、一部を紹介

(第6章〈サバイバリスト〉116頁より一部抜粋)

インタビューのなかで、プーチンは初めて経験した喧嘩から得た教訓を列挙した。

「私は初めての喧嘩でボコボコにやられ、恥をかいた……その事件で初めて貴重な〝授業〟を受けたのだ……そこから私は4つの結論を導き出した。その1。私が悪かったということ。喧嘩の詳細については覚えていないが……私のほうから勝手にいちゃもんをつけたことは間違いない。だから、相手はすぐに私を殴ってきた。自業自得だ……結論その2……どんな相手に対してもそういう態度を取ってはいけないし、誰であれ敬意を払わなければならない。それはまさに〝実践的〟な教訓だった。その3。自分が正しくても悪くても、どんな状況でも強くなければならない。そうでないとやり返せない……そして、その4。攻撃や侮辱にはいつでもすぐさま反撃できるようにしておかなければいけない。すぐにだ! ……勝ちたければ、どんな戦いでも最終決戦のつもりで最後まで戦い抜く……引き返すことなどできず、最後まで戦う以外に選択肢はないという覚悟でね。のちに、それが有名な鉄則の1つであることをKGBで教えられた。だけど私はずっと前、子ども時代の喧嘩ですでに学んでいたんだ」

次第に、プーチンの子ども時代の戦いは正式なものへと変化していった。

 

本書の構成

第I部 工作員、現わる
第1章 プーチンとは何者なのか? ――――
何をもって事実とするのか?/プーチンの経歴/プーチンの個人資産/「危険を察知する感覚が鈍い」/大統領を演出する特殊小道具部門/プーチンの真面目な一面――敬意の表明/プーチンの素顔/状況からプーチン像を描く

第2章 ボリス・エリツィンと動乱時代 ――――
大統領と議会の対立/大統領の新憲法/国家院選挙での大敗/エリツィン、オリガルヒ、そして一九九六年六月の大統領選挙/チェチェン紛争――ロシア地域との二重取引/国外での挫折/旧ソ連諸国からの拒絶/西から東への方向転換/高まる国家復興の機運 /プーチン、モスクワに現わる

第3章 国家主義者 ――――
「ミレニアム・メッセージ」/「国家の人間」とKGB/「社会」とロシアのエリート/ロシアの名のもとでの合意/新しいロシア思想を模索するエリツィン/イーゴリ・チュバイスと「新しいロシア」という思想/ロシアの美徳の称賛/エリツィンの教書演説と国家権力の復活/アナトリー・サプチャークと法治国家/プーチニズムと憲法/ソ連の崩壊―― 一からの国家再建/復讐の機会をうかがうロシア/統一国家

第4章 歴史家 ――――
好都合な歴史を探して/官製国民性の復活/ロシア史との融和/歴史の操作――プーチンとストルイピン/変幻自在の男

第5章 サバイバリスト ――――
プーチンの政治生命――サンクトペテルブルクの食糧スキャンダルをめぐる物語/戦略的計画――外貨準備高の増加/ロシアの財政備蓄/「“砂場”の街」とチェチェンでの勝利/備蓄と犠牲/統一に生き残りを託して――チェチェンとの和解/もっとも理性的な男/統一、融和、そして白系ロシア人生存者たちの残した遺産/コマロフ夫妻に見るプーチニズム

第6章 アウトサイダー ――――
アンドロポフのKGB/アウトサイダーとしてのドレスデン駐在/ドレスデンの教訓/プーチンと「無知の谷」/レニングラードの若者集団からの孤立/「ワル」というアウトサイダーのペルソナ/掌握者、そして善き皇帝として/プーチンの庶民的な言葉遣い/ソ連時代のジョークの芸術

第7章 自由経済主義者 ――――
プーチン率いるロシアの経済発展/プーチンの経済をめぐる謎/プーチンの経済思想の起源――ソ連からKGBまで/KGBと経済の関係/技術機密の窃盗と無駄遣い/赤旗大学時代のプーチン(八四年秋~八五年七月)/改革の実験室としての東ドイツ/ドレスデンからサンクトペテルブルクのビジネスの仕掛け人へ/資本主義の到来と政治的駆け引き/サンクトペテルブルクの財政

第8章 ケース・オフィサー ――――
食糧スキャンダルの再燃/サンクトペテルブルクの政治とビジネス/ズブコフの計画/原点回帰――「もっとも複雑な仕事」/アンドロポフの新生KGB――特定の個人に対処する/KGB出身は「政治家にとってプラスの経歴」/『ホットライン』を通じた人心掌握術/激怒した群集への対処/ドレスデン時代――敵意剥き出しの暴徒との直面/プーチンのモスクワ異動/オリガルヒたちのジレンマ――プーチンの出した解決策

第9章 システム ――――
抑制的なシステム/彼は最高経営責任者か……それとも皇帝か?/システムの青写真/石油と輸送の重要性/国家機構/大統領兼CEOに代案を提示する/無責任な役人と垂直権力構造の教訓/不信を根底としたシステム/システムの私物化――「ワンマン・ネットワーク」/プーチンに情報を伝達できるのは誰か?/補記 プーチンと博士号

第II部 工作員、始動
第10章 ステークホルダーたちの反乱 ――――
忍び寄るプーチン疲れ/都市部の新たな中流階級/岐路に立つロシアとプーチン/狭い視野/硬直したシステム/皇帝、復活す/プーチン疲れ、再び/経済の難問/外柔内剛/民族主義のカードを切るプーチン/正教の力を利用するプーチン/ソチ――プーチンの意志の勝利

第11章 プーチンの世界 ――――
冷戦後の物語を書き直す/「彼は別の世界に住んでいる」/ロシアの世界/国を守るための近代化/一極支配の指導者/西側諸国への入口、ドイツ/メルケルはプーチンの映し鏡か?/プーチンが敬愛するドイツの長老たち

第12章 プーチンの「アメリカ教育」 ――――
一九八三年の教訓/サンクトペテルブルク――プーチンの敬愛するアメリカ人/イスラエルへの歩み寄り/アメリカ的な視点に欠けるプーチン/NATOと「冷たい平和」/NATOの戦争/プリシュティナへの突進/チェチェンで「われわれが行動しなければならない理由」/アメリカへの不信/脅威と化したアメリカ/色の革命の恐怖/プーチン、ぶちギレる/グルジア、そして終わりの始まり

第13章 ロシア、復活 ――――
プーチンの前進とロシアの復活/鎖を解かれたロシア/外交政策の多角化/共産主義中国への接近/日本に保険をかけるプーチン/BRICSを足がかりに/ドイツへの賭け/ロシアのリノベーション/適応という生き残り術/グルジア作戦/軍事改革の弾み/表向きのレベルでの軍事改革/密かな変化 ―― 攻撃は最大の防御/軍事演習としてのウクライナ

第14章 国外の工作員 ――――
国内の防衛強化/スノーデンがもたらした勝利/第五列作戦/政治将校/保守的な国際組織/経済戦争への防御策/プーチンが用意した対抗手段/経済的な威圧/ユーラシア連合 VS 欧州連合/ケース・オフィサー流のウクライナ対応/緩衝地域を失ったロシア/ウクライナ作戦/歴史という兵器――第二次世界大戦の再来/「クリミアはわれわれのもの! 」/民族主義者の抑制――再び統一へ/ユダヤ人というカードを慎重に切るプーチン/暗黒郷ウクライナ/使命を背負って――プーチンの新ヤルタ協定/新たな正常?

エピローグ 工作員の活動は続く ――――

解説 『戦略家プーチンとどう向きあうか』
畔蒜泰助 東京財団研究員/ヴァルダイ会議メンバー

ウラジーミル・プーチン関連年表

 

プーチンの世界
フィオナ ヒル (著), クリフォード・G. ガディ (著), 畔蒜 泰助 (監修), 濱野 大道 (翻訳), 千葉 敏生 (翻訳)

【プロローグより】
ミスター・プーチンとはいったい何者なのか? 彼を行動へと駆り立てるものは何なのか? 本書ではその答えを探ろうとしてきた。エピローグでは、ここまでの理解や洞察を吟味し、私たちのプーチン研究から得られた教訓、プーチンという人間に対処するためのヒントについて考えてみたいと思う。
ウクライナをめぐる2014年のロシアと西側諸国との対立を考察した私たちは、一部の識者がプーチンに関して非常に危険な思い違いをしていると確信するに至った。彼らはいくつかの重要な点でプーチンを過小評価し、別の点では過大評価し、プーチンの限界を見誤っている。
まず、西側諸国の多くの人々はプーチンを見くびりすぎである。彼は目標実現のためならどれだけの時間や労力、汚い手段をも惜しまない人間であり、使える手段は何でも利用し、残酷になることができる。
次に、西側諸国の識者は戦略家としての彼の能力を読み違えている。これまでにも数人が指摘したように、プーチンは単なる戦術家ではない。彼は戦略的な思考に長け、西側諸国のリーダーたちよりも高い実行力を持っている。その一方で多くの人々は、プーチンが私たちのことをほとんど知らないという点を見逃している。私たちの動機、考え方、価値観について、彼は危険なほど無知なのである。
プーチンは西側の人間たちのことをどうとらえているのか? ―― それを理解しようとして初めて、彼の行動の論理、彼自身が従う論理が見えてくるだろう。>ウクライナをはじめ、ヨーロッパやユーラシアで彼が何を求めているのか、彼がどこへ向かおうとしているのかがわかってくるはずだ。

 
【関連】
試し読み | フィオナ・ヒル、クリフォード・G・ガディ、濱野大道/訳、千葉敏生/訳、畔蒜泰助/監修 『プーチンの世界―「皇帝」になった工作員―』 | 新潮社

 


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