第二次世界大戦下のヨーロッパで敵国の書物を収集せよ――アラン・フラドさん『リスボンのブック・スパイ』が刊行
第二次世界大戦下にスパイとして活動した図書館司書の実話に基づいた、アラン・フラドさん著『リスボンのブック・スパ』(訳:髙山祥子さん)が東京創元社より刊行されました。
戦時のヨーロッパで活躍した実在の図書館司書がモデル
本書は、実在の図書館司書に材をとり、第二次世界大戦下のヨーロッパを舞台に、本を愛する者たちの闘いを描いた心揺さぶる長編小説です。
【あらすじ】
1942年、第二次世界大戦下。ニューヨーク公共図書館で働く司書のマリアは、大統領令に基づく任務を帯び、ポルトガルのリスボンに旅立つことになった。その任務とは、身分を偽り、戦略分析のため枢軸(すうじく)国の刊行物を収集すること。報道写真家の母をスペイン内乱で亡くしたマリアは、危険を冒してでも戦争を終わらせたいという強い想いを抱いていたのだ。
同時期、リスボン。書店を営む青年ティアゴは、書類偽造の天才である書店員ローザとともに、迫害から逃れようとするユダヤ人避難民を命懸けで援助していた。マリアは街で本や新聞を集めるうちにふたりと出会い、戦争を終わらせるためのさらなる任務に臨むことに──。
戦時のヨーロッパで活躍した実在の図書館司書に材をとり、本を愛する者たちの闘いを描き上げた、心揺さぶる傑作長編!
訳者あとがき=高山祥子さん
著者プロフィール
■アラン・フラドさん
オハイオ州とポルトガルに拠点を置く作家。歴史小説協会会員。2019年、第二次世界大戦下に行われた伝書鳩を用いた作戦行動を題材に、人々の闘いと絆を描いた長編小説「The Long Flight Home」でデビュー、一躍ベストセラー作家となる。
その後も歴史に材をとった作品を次々と発表し、第四長編『リスボンのブック・スパイ』は戦時のヨーロッパで活躍した実在の図書館司書をモデルとしている。
■高山祥子(たかやま・しょうこ)さん
1960年生まれ、東京都出身。成城大学文芸学部卒業。
訳書にサラ・グラン『探偵は壊れた街で』、ジェームズ・バロン『世界一高価な切手の物語』、ケイト・ウィンクラー・ドーソン『アメリカのシャーロック・ホームズ』、レスリー・M・M・ブルーム『ヒロシマを暴いた男』、ジャネット・スケスリン・チャールズ『あの図書館の彼女たち』などがある。
リスボンのブック・スパイ アラン・フラド (著), 髙山 祥子 (翻訳) |
【関連】
▼試し読み|リスボンのブック・スパイ
◆防衛研究所室長・高橋杉雄さん『SFアニメと戦争』が刊行 | 本のページ
◆詩人・内田麟太郎さんが近未来の戦争を描く『ひとのなみだ』が刊行 | 本のページ
◆ウクライナ戦争を描いた蔵本千夜さん『Battle Scar』が刊行 取材を基にしたエピソードも多数収録 | 本のページ
◆筒井康隆さん×永井豪さん『三丁目が戦争です』が復刻 | 本のページ