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【第33回齋藤茂吉短歌文学賞】岡野弘彦さん『岡野弘彦全歌集』が受賞

第33回齋藤茂吉短歌文学賞が決定!

第33回齋藤茂吉短歌文学賞が決定!

山形県は3月18日、第33回齋藤茂吉短歌文学賞の受賞作品を発表しました。

 

第33回齋藤茂吉短歌文学賞が決定!

第33回斎藤茂吉短歌文学賞の受賞作品は次の通りです。

 
<第33回斎藤茂吉短歌文学賞 受賞作品>

岡野弘彦(おかの・ひろひこ)さん
『岡野弘彦全歌集』(青磁社)

 

受賞者の岡野弘彦さんは、1924(大正13)年生まれ。三重県出身。東京都在住。歌人。釈迢空(折口信夫)に師事。國學院大學名誉教授。日本芸術院会員。現代歌人協会賞、迢空賞、 芸術選奨文部科学大臣賞、 読売文学賞、芸術院賞、和辻哲郎文化賞、現代短歌大賞、詩歌文学館賞、日本歌人クラブ大賞など受賞歴多数。紫綬褒章、勲三等瑞宝章、文化勲章を受章。文化功労者。
歌集に『冬の家族』『滄浪歌』『石打てば石』『海のまほろば』『天の鶴群』『異類界消息』『飛天』『バグダッド燃ゆ』『美しく愛しき日本』『岡野弘彦百首』など、著書に『折口信夫の晩年』『歌を恋いうる歌』『歌仙の愉しみ』など。

 
選考委員は、永田和宏さん(委員長/「塔」選者)、小池光さん(「短歌人」編集委員)、小島ゆかりさん(「コスモス」選者)、三枝昻之さん(「りとむ」発行人)。

 
斎藤茂吉短歌文学賞では、全歌集そのものは選考の対象にはならないのですが、そこに未刊の歌集、作品が含まれている場合は選考対象となると規定されています。今回の全歌集には、既刊の8歌集が収録されていますが、それ以外に未刊の作品が全作品の4割近くも収録されていおり、3300首を超える作品群となっています。
これまで一貫して詠われてきた戦争体験者としての戦争への思い、師である折口信夫への尽きぬ思慕などが、さらに深く詠われているほか、長歌、組歌、旋頭歌をはじめさまざまの表現形式への挑戦など、既刊の歌集だけからは測れない著者のの豊かな世界を示していることを評価し、今回の受賞となりました。

 
なお、受賞者の岡野弘彦さんには賞金100万円が贈られます。贈呈式は5月15日(日)に上山市体育文化センターで開催される「生誕140年第48回斎藤茂吉記念全国大会」の席上で行われる予定。

 

齋藤茂吉短歌文学賞について

齋藤茂吉短歌文学賞は、山形県の生んだ歌人・齋藤茂吉が短歌文学の発展振興に寄与した功績を記念し、短歌の分野において優れた業績をあげた者を顕彰する全国レベルの賞として、山形県が平成元年度に創設した文学賞です。山形県知事を委員長とする齋藤茂吉短歌文学賞運営委員会が主催。

前年1月1日から12月31日までに発行された歌集・歌論・歌人研究等を対象とし、全国の有名歌人等200名に推薦を依頼し、21作品を選出。21作品について、1月に選考委員による予備選考を行い、4作品を選出。2月に選考委員会を開催し、選出された4作品から受賞者・作品を決定しています。

 

岡野弘彦全歌集
岡野弘彦 (著)

既刊8歌集に加え、3000首以上にものぼる未刊歌篇、長歌、旋頭歌、そして独自のスタイルを確立させた組歌などを収録。特に組歌が歌集に収録されるのは初めてのこと。 現役最長老の歌人の到達点。

【出版社からのコメント】
現役最高峰歌人の到達点。幼少の頃より祭詞や祝詞に親しんできた素地が、正統な日本語として短歌の調べに乗る。宮中歌会始選者、御用掛を長く務めながらも、常に弱者の側から慨(うれた)みの声を届けようとする姿勢が貫かれる。 馬場あき子、三浦雅士、長谷川櫂らによる栞文も圧巻。

 
【関連】
齋藤茂吉短歌文学賞 | 山形県

 


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