吟鳥子さん初期傑作『架カル空ノ音』が大幅な加筆修正を加えた完全新装版で復刊
『きみを死なせないための物語』の著者・吟鳥子さんの初期の傑作『架カル空ノ音』が、大幅な加筆修正と描き下ろしを加え、全3巻(上、中、下)にて装いも新たにイースト・プレスより刊行されます。上&中巻は2022年3月17日、下巻は4月7日に発売。
『きみを死なせないための物語』の著者が描く、美しき翼を持つ「古鳥人類」と「人間」との奇跡の邂逅
奇跡的に生き延びていた、翼をもつ一族「古鳥人類」と「人間」との奇跡的な邂逅。壮麗なる「生命」の叙事詩が復活しました。
<あらすじ>
戦火を逃れ、一人山奥で暮らしていた軍医ジャックは、行き倒れていた少年を助ける。
その少年の背中には、美しく大きな「翼」がはえていた。
驚きつつも、翼が折れた少年を介抱するジャックだったが、言葉を解さない上に頑なな少年は、ある日迎えに来た<仲間>たちと共に去って行ってしまう。
翼をもつ一族の村に帰った少年は、人間ジャックと交わったことで名が「ハローオ」と変わる。人間との触れ合いが一族の行く末に影響を与えることを知らぬままに。
そして再びジャックの元に現れたハローオだったが……。
「生命」の尊さ大切さ、そして人間同士の争いの愚かさ
その後ジャックは、ハローオの家族となって一族の村で暮らすことなるが、一族の占い師リヴァーや、一族の長であるケイヴらの教えに添い暮らすうち、それぞれの苦悩や事情を知ることになる。
そして、族長ケイヴが語った「破滅の日」のことも。
しかし、日々を誠実に暮らし、賢明に生命を繋ぐことを願う「古鳥人類」たちの傍らで、「人間」同士の争いは激化していき、彼らはその愚かな争いに巻き込まれていく――。
翼をもつ「古鳥人類」たちは滅びる運命か、それとも――。
悲しみしか生まない戦争の愚かさ、そして、たとえ異なる文化、異なる言語、異なる価値観を持っていたとしても、わかり合い尊重し合うことの大切さを身に沁みて考えさせられる傑作です。
こんな大変な日に…と悩んだのですが…
初連載作『架カル空ノ音』がたくさんの読者さまのリクエストを受けて(ありがとうございます!)本日、美しい新装版の上・中・下巻となりまして再出発でございます!
応援くださいました皆さま、本当にありがとうございます!皆さまがご無事でありますように! pic.twitter.com/SNQ2p7qIes
— 吟鳥子@3/17『架カル空ノ音』上中巻、発売! (@gintoriko) March 17, 2022
著者プロフィール
吟鳥子(ぎん・とりこ)さんは、2005年、ウィングス(新書館)に掲載された「ある幸福な人の噺」でマンガ家デビュー。2016年から2020年にかけて『ミステリーボニータ』(秋田書店)で発表した『きみを死なせないための物語(ストーリア)』は、「このマンガがすごい! 2018」オンナ編の第7位、「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞2019」の第4位、「2021年 第52回星雲賞」のコミック部門を受賞した。
そのほかの作品には、『アンの世界地図~It’s a small world~』など。
架カル空ノ音 上 吟 鳥子 (著) 『きみを死なせないための物語』の吟鳥子の初期の傑作が、大幅な加筆&修正を行い完全新装版として復刊! ! 奇跡的に生き延びていた種族「古鳥人類たち」と「人間」の刹那的邂逅(かいこう)――。 戦火を逃れ、山奥で一人暮らしていた軍医ジャックは、行き倒れていた少年を助ける。 「我らの未来はないかもしれない。それでも我らは生きてゆかねばならない。 |
架カル空ノ音 中 吟 鳥子 (著) 古鳥人類の少年ハローオの「養子」となり、彼らの村で暮らし始めたジャック。 「運命(さだめ)を変える」 壮麗なる「生命(いのち)」の叙事詩が今ここに――。 |
架カル空ノ音 下 吟 鳥子 (著) 生きものの希望と願いを描く、壮麗なる「生命(いのち)」の叙事詩――堂々完結! 人間同士の戦争が激化する中、一族の村で暮らしていたジャックのもとに、かつて同じ隊にいた少年兵チェリーが現れる。 「この世のどこかにいる誰かに、どうか孤独ではないことを伝えてほしい」 |
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