上橋菜穂子さん7年ぶりの新たな物語『香君』が刊行 特設サイトもオープン
作家・上橋菜穂子さんの、新たな物語としては7年ぶりとなる新作長編『香君(こうくん)』上下巻が文藝春秋より3月24日に刊行されます。
上橋菜穂子さん、7年ぶりの新たな物語となる最新作小説『香君』上下巻を3月24日に発売
NHKでドラマ化された『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、第12回「本屋大賞」を受賞して、今年映画化された『鹿の王』、そして『獣の奏者』などの作品で知られ、2014年に国際アンデルセン賞作家賞を受賞した上橋菜穂子さんが、長編としては、『鹿の王 水底の橋』から3年ぶり、新たな世界を描いた物語としては『鹿の王』以来、7年ぶりとなる新刊小説『香君』を刊行します。
『香君』は、植物や昆虫たちが香りで行っているコミュニケーションを〈香りの声〉のように感じながら生きる主人公・少女アイシャが、虫害の発生によって食糧危機に直面する人々を救おうとする物語です。
<『香君』あらすじ>
遥か昔、〈神郷〉から降臨した初代〈香君〉が携えてきたとされる奇跡の稲〈オアレ稲〉の力によって、多くの国を従え、繁栄を誇って来たウマール帝国。
その属国〈西カンタル藩王国〉の藩王の孫、15歳の少女アイシャは人並外れた嗅覚を持ち、植物や昆虫たちが香りで行っているコミュニケーションを〈香りの声〉のように感じながら生きていた。
祖父の失脚の後、彼女の運命は大きく変転していき、やがて、ウマール帝国を庇護する美しい活神である当代〈香君〉の元で働くことになる。
神授の稲〈オアレ稲〉によって人々は豊かな暮らしを謳歌していたが、実はこの稲には恐ろしい性質があった。
害虫はつかぬはずのオアレ稲に、あるとき不思議な虫害が発生し、この稲に過度に依存していた帝国は、凄まじい食糧危機に見舞われる。
アイシャは当代〈香君〉と共にオアレ稲の謎に挑み、人々を救おうとするのだが――。
「香り」と植物や昆虫の生態をテーマに描く壮大なファンタジーの誕生!
【上橋菜穂子さんからのコメント】
草木や虫、鳥や獣、様々な生きものたちが、
香りで交わしている無数のやりとりを
いつも風の中に感じている、そんな少女の物語です。
『香君』特設サイトを開設
文藝春秋は、上橋菜穂子さんの新作長編『香君』の特設サイを開設しました。
特設サイトでは、著者のコメント、物語の主な登場人物紹介、物語世界地図、PVなど、『香君』の物語世界に、より深く触れられるコンテンツを公開していきます。
また、3月24日の発売以降、Twitterでのプレゼントキャンペーンなども、このサイトで告知されます。
★特設サイト:https://books.bunshun.jp/sp/kokun
著者プロフィール
著者の上橋菜穂子(うえはし・なほこ)さんは、1962年生まれ。東京都出身。文学博士。川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』で作家デビュー。
著書に『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、『獣の奏者』『鹿の王』など。
野間児童文芸賞、本屋大賞、日本医療小説大賞など数多くの賞に輝き、2014年には国際アンデルセン賞作家賞を受賞。2020年、マイケル・L・プリンツ賞オナー、日本文化人類学会賞を受賞。
医学博士・津田篤太郎さんとの共著『ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話』もある。
香君 上 西から来た少女 上橋 菜穂子 (著) 遥か昔、神郷からもたらされたという奇跡の稲、オアレ稲。ウマール人はこの稲をもちいて帝国を作り上げた。この奇跡の稲をもたらし、香りで万象を知るという活神〈香君〉の庇護のもと、帝国は発展を続けてきたが、あるとき、オアレ稲に虫害が発生してしまう。 『精霊の守り人』『獣の奏者』『鹿の王』の著者による新たなる代表作の誕生です。 |
香君 下 遥かな道 上橋 菜穂子 (著) 「飢えの雲、天を覆い、地は枯れ果て、人の口に入るものなし」――かつて皇祖が口にしたというその言葉が現実のものとなり、次々と災いの連鎖が起きていくなかで、アイシャは、仲間たちとともに、必死に飢餓を回避しようとするのだが……。 圧倒的な世界観と文章で我々に迫る物語は完結へ。 |
【関連】
▼「香り」と植物や昆虫の生態をテーマに描く壮大なファンタジーの誕生! 上橋菜穂子『香君』 | 特設サイト – 文藝春秋BOOKS
◆掟か、国か? 「夜の写本師」乾石智子さんファンタジー大作『月影の乙女』が刊行 | 本のページ
◆寺地はるなさん〈“つながり”と再生〉の物語『雫』が刊行 | 本のページ
◆村山早紀さん〈幸せな奇跡の物語〉『街角ファンタジア』が刊行 | 本のページ
◆みんなきっと、愛ちゃんを好きになる――宇井彩野さん「第5回氷室冴子青春文学賞」大賞受賞作『愛ちゃんのモテる人生』が刊行 | 本のページ