本のページ

SINCE 1991

作家・大前粟生さん初の児童書『まるみちゃんとうさぎくん』が刊行 装画・挿絵は漫画『BEASTARS』の板垣巴留さん

大前粟生さん著『まるみちゃんとうさぎくん』(装画・挿絵:板垣巴留さん)

大前粟生さん著『まるみちゃんとうさぎくん』(装画・挿絵:板垣巴留さん)

話題の新刊『きみだからさびしい』から2ヶ月連続刊行、「アメトーーク!」の「本屋で読書芸人2021」でも話題になった大前粟生さん初の児童書『まるみちゃんとうさぎくん』がポプラ社より刊行されました。

 

時代と向き合ってきた大前粟生さんがコロナ禍に紡いだ優しい物語

新型コロナウイルス感染症の流行という緊急事態によって、私たちを取り巻く社会環境や日常、生活は大きく変化しました。『まるみちゃんとうさぎくん』は、そんなコロナ禍の最中に、「『社会がどうなっても君は君だし、君の悩みや君の世界は大事なんだよ』ということを感じてもらいたい。」と、大前粟生さんが執筆した初めての児童書です。

 
いかに世界が大きく変わろうとも、物語に登場する小学4年生のまるみちゃんとうさぎくんたちは、新しい日常の中でも、以前から抱えていた自身の悩みに葛藤します。

ファンタジーの世界観でありながら、コロナ禍が続く現実世界を彷彿させる本作は、一人一人が抱える悩みに対して、優しく問いかけるストーリーとなっています。また、「普通」とは何か、「特別」とは何か、「自分」とは何かということも考えさせられ、児童書でありながら、大人が読んでも心に響く一冊です。

 
装画・挿絵は大ヒット漫画『BEASTARS』の板垣巴留さんの豪華描き下ろしで、「はじめての児童書の挿画がこの作品でとても嬉しいです。」と、幻想的な世界観の中に、登場人物たちを活き活きと描いています。

 
【あらすじ】

ある日を境に外には出てはいけないことに決まりました。外に出ると人々の体が変化してしまうためです。体が変化した人たちを羨ましいと思う、まるみちゃんと、転校してきたばかりで不安がいっぱいのうさぎくん。―こどもの、おとな、すべての人に読んでほしい、コロナ禍に生まれたやさしくてあたたかい物語。

 
<本のプロからもコメント続々!>

「違いを変化を、おもしろいと素敵だと受け入れる心を彼らはもっている。きみのままでいいよ。そのままでも、そのままじゃなくても、さみしくたっていいんだよ。ありのままのきみを受け止めてくれる本がここにある。」
(あおい書店富士店 鈴木裕里さん)

「さびしいも苦しいも楽しいもいろんなままならない想いが、心とからだのすき間に入って混じって変わって幸せのパン種のようにふくらんで。人と違うのが不幸なんかじゃない。もっと嬉しいことなんだ。ずっと頭の中でこだましていた。」
(大盛堂書店 山本亮さん)

 

大前粟生さんからのメッセージ

「コロナ禍」の最中にこの小説を書き始めました。自分自身の幼少期なども振り返りつつ思うのは、社会的に大変な状況であっても、子どもにとっては、ただただ身の回りが「世界」なんじゃないかな、ということです。学校が休みになっていたあの時期を楽しんでいた子もたくさんいるのではないでしょうか。そして楽しんでいた子たちの中にも、大人とはまた違うベクトルの、その子ならではの悩みがあったりする。「社会がどうなっても君は君だし、君の悩みや君の世界は大事なんだよ」ということを感じ取ってもらえるとうれしいです。

 

著者プロフィール

 
■著:大前粟生(おおまえ・あお)さん

1992年生まれ。京都在住。著書に『のけものどもの』(惑星と口笛ブックス)、『回転草』『私と鰐と妹の部屋』(書肆侃侃房)、『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』、第38回織田作之助賞候補作『おもろい以外いらんねん』(河出書房新社)などがある。近刊に『ハルには はねがはえてるから』(亜紀書房)と文芸の枠を飛び出し、活躍の幅を広げている。

 
■絵:板垣巴留(いたがき・ぱる)さん

2016年デビュー。『週刊少年チャンピオン』で読み切り連作「BEAST COMPLEX]を掲載後、「BEASTARS」連載開始。2018年には同作が第11回マンガ大賞、第21回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞、第22回手塚治虫文化賞新生賞、第42回講談社漫画少年部門を受賞。2021年7月より『週刊少年チャンピオン』で「SANDA」連載開始。

 

まるみちゃんとうさぎくん
大前 粟生 (著), 板垣 巴留 (イラスト)

~こども、おとな、すべての人に読んでほしい、コロナ禍に生まれた物語~。

事件のはじまりは、夕日町でいちばん大きなお祭りの日。その日以降、外に出ると人々の体が変化するようになりました。目からビームが出る人、手のひらからアイスクリームがあふれる人、100メートルを1秒で走れるくらい、足が速くなった人。どんな変化が出るのかは人によって違って、元に戻る方法は見つかりません。そのため、町では外に出てはいけないことに決まりました。

学校はお休み、仕事は家ですることに。そんな生活を送る小学4年生のまるみちゃんとうさぎくん。休校中にオンラインのビデオ通話で仲良くなった2人は、ちょっとずつお互いのことを話し始めます。体が変化した人たちを羨ましいと思う、まるみちゃんと、転校してきたばかりで不安がいっぱいのうさぎくん。そして、2人の体にも変化が……。

まるみちゃんとうさぎくん、この2人の小学校卒業までの様子を通して、特別とは何か、普通とは何か、自分とは何かということを優しく問いかけるストーリー。

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です