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【第72回芸術選奨】中島京子さん、水林章さん、三浦篤さんらが文部科学大臣賞を受賞 新人賞によしながふみさん、堀田季何さん、遠山純生さんら

第72回芸術選奨文部科学大臣賞および同新人賞が決定!

第72回芸術選奨文部科学大臣賞および同新人賞が決定!

文化庁は3月9日、芸術各分野で優れた業績を挙げた方、新生面を開いた方に贈る「令和3年度(第72回)芸術選奨」文部科学大臣賞および同新人賞の受賞者を発表しました。

 

第72回芸術選奨文部科学大臣賞および同新人賞の受賞者が決定!

令和3年度(第72回)芸術選奨では、文部科学大臣賞には11部門で計16名の方が、新人賞には計12名の方が選ばれました。主な受賞者と業績は次の通りです。

 
■文部科学大臣賞

<文学>

◎中島京子(なかじま・きょうこ)さん〔小説家〕
「ムーンライト・イン」「やさしい猫」の成果

◎水林章(みずばやし・あきら)さん〔上智大学名誉教授〕
「壊れた魂」の成果

 
<評論等>

◎三浦篤(みうら・あつし)さん〔東京大学大学院教授〕
「移り棲む美術」の成果

 
■文部科学大臣新人賞

<文学>

◎堀田季何(ほった・きか)さん〔文芸家〕
堀田季何第四詩歌集「人類の午後」の成果

 
<評論等>

◎遠山純生(とおやま・すみお)さん〔映画評論家〕
「〈アメリカ映画史〉再構築」の成果

 
<メディア芸術>

◎よしながふみさん〔漫画家〕
「大奥」「きのう何食べた?」の成果

 
全部門の受賞者の一覧および受賞理由、選考経過など詳細は、https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/93677401.html をご覧ください。

なお、贈呈式は3月15日(火)に都内ホテルにて開催されます。

 

芸術選奨について

「芸術選奨」は、芸術各分野において、優れた業績を挙げた者、またはその業績によってそれぞれの部門に新生面を開いた者を選奨し、芸術選奨文部科学大臣賞及び同新人賞を贈ることによって芸術活動の奨励と振興に資するものです。

演劇、映画、音楽、舞踊、文学、美術、放送、大衆芸能、芸術振興、評論等、メディア芸術の11部門にて実施され、受賞者には賞状と、大臣賞には30万円、新人賞には20万円の賞金が贈られます。

★歴代の受賞者:https://www.bunka.go.jp/seisaku/geijutsubunka/jutenshien/geijutsuka/sensho/index.html

 

ムーンライト・イン
中島 京子 (著)

だいじょうぶ。何かにつまずいた時、 あなたを待っている場所がある。

職を失い、自転車旅行の最中に雨に降られた青年・栗田拓海は、年季の入った一軒の建物を訪れる。穏やかな老人がかつてペンションを営んでいた「ムーンライト・イン」には、年代がバラバラの三人の女性が、それぞれ事情を抱えて過ごしていた。拓海は頼まれた屋根の修理中に足を怪我してしまい、治るまでそこにとどまることになるが――。
人生の曲がり角、遅れてやってきた夏休みのような時間に巡り合った男女の、奇妙な共同生活が始まる。

やさしい猫
中島 京子 (著)

シングルマザーの保育士ミユキさんが心ひかれたのは、八歳年下の自動車整備士クマさん。
出会って、好きになって、この人とずっと一緒にいたいと願う。当たり前の幸せが奪われたのは、彼がスリランカ出身の外国人だったから。
大きな事件に見舞われた小さな家族を、暖かく見守るように描く長編小説。

壊れた魂
アキラ・ミズバヤシ (著), 水林章 (翻訳)

1938年秋、東京。思想統制によって父を逮捕され、たった一人の肉親を永遠に失った少年、礼は兵隊に破壊された父のヴァイオリンを携えて、父の友人マイヤール夫妻とともにフランスへ渡る。
60余年後。弦楽器職人としてパリに工房を構えるジャック・マイヤール=レイ・ミズサワは、新進ヴァイオリニスト山崎美都理を通じて、踏み込んできた隊の中で唯一、父を救おうとした「クロカミ」中尉の戦後と、死までの人生を知る。そして、礼が12年の年月を費やして修復・再生し、美都理の手に託された形見のヴァイオリンが1938年のその日に父が奏でた曲の調べをホールに響かせたその瞬間、ひとつの円環が閉じ、新しい生が始まろうとしていた……
日本に暮らす日本人である著者がフランス語で書き、出版後、またたく間にフランス国内はもとより各国で高い評価を得た小説、Ame briseeを著者自身による翻訳で贈る。

移り棲む美術―ジャポニスム、コラン、日本近代洋画―
三浦 篤 (著)

グローバルな〈美〉の往還 ――。日本から西洋へ、そして西洋から日本へと海を越えた芸術の種子。どのように移動・変容・開花したのか。「アカデミスム対前衛」の構図に囚われることなく、ジャポニスムの多面的展開から近代洋画の創出まで、フランスを中心に一望し、選択的な交雑による新たな芸術史を描きだす。

人類の午後 (堀田季何第四詩歌集)
堀田 季何 (著)

リアリティとは、
「ナチは私たち自身のやうに人閒である」
といふことだ。(ハンナ・アーレント)
一九三八年一一九日深夜
水 晶 の 夜 映 寫 機 は 碎 け た か
に始まる352句をスクロールせよ!

しなやかに定型と親和し
たをやかに思想を突き抜ける
光の束としての俳句群
〔第三作品集『星貌』と齊しく開板〕
枝折「晝想夜夢」……宇多喜代子 高野ムツオ 恩田侑布子

 
【出版社からのコメント】
「リアリティとは『ナチは私たち自身のやうに人間である』ということだ。(ハンナ・アーレント)
一九三八年一一月九日深夜」
の詞を前に附す
水晶の夜映写機は碎けたか

「水晶の夜」、ホロコーストへと続くユダヤ人迫害の始まりとも言われる暴動の夜。
その翌朝、破壊された建物のガラス片は、水晶のように輝いていた。
ハンナ・アーレントは、「ドイツ出身の哲学者、思想家」で「ユダヤ人であり、ナチズムが台頭したドイツから、アメリカ合衆国に亡命」。決死の亡命であったろう。

ロシアによるウクライナ人迫害をテレビなどを通して目にしている今、正に象徴的な受賞と言うべきか。

鳥渡るなり戦場のあかるさへ
少年少女焚火す銃を組立てつつ

ウクライナの人びとを思うだに、本書「跋」のことば

人間はいつまでも愚かである

を思はざるを得ない不幸を感じています。

〈アメリカ映画史〉再構築: 社会的ドキュメンタリーからブロックバスターまで
遠山純生 (著)

写真やテレビなどの隣接する表象芸術に目を配り、カメラやフィルムなどの撮影機材、照明や編集などの技術的側面の変化を踏まえ、記録映画・実験映画・劇映画を同列に置いてその人的交流や表現の境界線を論じ、数多著されてきたハリウッド中心主義の歴史とはまったく違う、新たなパースペクティブを創出する。
かつて誰も語り得なかった、〈アメリカ映画〉の真の姿!

本書は、アメリカ映画の一時代を従来とはいささか異なる視角から眺め渡すことを目指している。課題の一つとなるのは、意識的な現実探求、外観的「本当らしさ」の追求、あるいは外観の再現を超えた“真相”への志向は、合衆国映画界の場合、いかなる動因によって生じ、いかなるかたちで展開していったのか、を問うことだ。
扱う領域はほぼアメリカ映画に限られているものの、メジャー系/独立系、あるいは劇映画/記録映画/実験映画、さらには写真/映画/テレビといった区分けをひとまずカッコに括って、これらが秘めている相互作用のほうに着目したい。実のところ、一九六〇年あたりを境として、スタジオ映画においてさえこうした区分けが無効化し始めていることが明らかになるだろう。(「序に代えて」より)

大奥 (第1巻)
よしなが ふみ (著)

男子のみを襲う謎の疫病が国中に流行り、男子の数が激減。男女の立場が逆転した世界に生まれた貧乏旗本の水野は、大奥へ奉公することを決意する。女性の将軍に仕える美男三千人が集められた女人禁制の場所・大奥で巻き起こる事件とは…!?

きのう何食べた?(1) (モーニングコミックス)
よしながふみ (著)

鮭とごぼうの炊き込みごはん、いわしの梅煮、たけのことがんもとこんにゃくの煮物、栗ごはん、トマトとツナのぶっかけそうめん、鶏肉のオーブン焼き、ナスとトマトと豚肉のピリ辛中華風煮込み、いちごジャムetc.……

 
【関連】
令和3年度(第72回)芸術選奨文部科学大臣賞及び同新人賞の決定について | 文化庁

 


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