ミステリ作家・斜線堂有紀さん初の恋愛小説集『愛じゃないならこれは何』が刊行
斜線堂有紀さん著『愛じゃないならこれは何』が、集英社より刊行されました。
ミステリ作家として活躍する小説家・斜線堂有紀さんは、近年は漫画原作、ボイスドラマの脚本など多彩な活躍を見せています。そんな斜線堂有紀さんによる、初の恋愛小説集となる本書は、Webで発表されるや否やSNSでも話題となった、甘さと強い痛みを伴う短編4本に、書き下ろし1本を加えて構成されています。
<あらすじ>
◆「きみの長靴でいいです」
天才ファッションデザイナー・灰羽妃楽姫は、28歳の誕生日プレゼントに、ガラスの靴を受け取った。
送り主は、十年来の妃楽姫のビジネスパートナー、そして妃楽姫がいつか結婚すると信じている男、妻川。
人生の頂点に到達しようとしている妃楽姫だったが、しかし次の瞬間彼女が聞いたのは、妃楽姫以外の女との、妻川の結婚報告だった。
◆「愛について語るときに我々の騙ること」
「俺さ、ずっと前から新太のことが好きだったんだ。だから、付き合ってくれない?」
そういう男――園生が告白しているのは、私――鹿衣鳴花に対してだった。私たちの関係は、どこに向かおうとしているのか。
男と男と女のあいだに、友情と恋愛以外の感情が芽生えることはあるのだろうか。
◆「健康で文化的な最低限度の恋愛」
美空木絆菜は死にかけていた。会社の新入社員、アクティブな好青年、津籠の気を引きたかった絆菜は、彼の趣味――映画にもサッカーにも、
生活を犠牲にして一生懸命頑張って話を合わせた。そして今、絆菜は孤独に山の中で死ぬかもしれない。どうしてこんなことに。
◆「ミニカーだって一生推してろ」
28歳の地下アイドル、赤羽瑠璃は、その日、男の部屋のベランダから飛び降りた。男といっても瑠璃と別に付き合っているわけではない、
瑠璃のファンの一人で、彼女が熱心にストーカーしているのだ。侵入した男の部屋からどうして瑠璃が飛び降りたのか、話は四年前にさかのぼる――。
◆「ささやかだけど、役に立つけど」
初めて高校の放送部の部室で鳴花と出会った時に、自分はいつか彼女と付き合うんじゃないかと、園生は思った。
しかしそれから十年経って、彼女と自分の関係に、新太が加わった。二人よりも三人のほうが、ずっと安定している。
自分たちは、このまま死ぬまで三人なのだろう――でも、それでいいのだろうか。
著者プロフィール
著者の斜線堂有紀(しゃせんどう・ゆうき)さんは、上智大学卒業。2016年『キネマ探偵カレイドミステリー』で第23回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞してデビュー。
著書に『コールミー・バイ・ノーネーム』『恋に至る病』『ゴールデンタイムの消費期限』『楽園とは探偵の不在なり』『廃遊園地の殺人』など。ウルトラジャンプで連載中の「魔法少女には向かない職業」(作画:片山陽介さん)の原作を担当。
愛じゃないならこれは何 斜線堂 有紀 (著) |
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