三川みりさん『龍ノ国幻想1 神欺く皇子』が「本の雑誌」オリジナル文庫大賞を受賞
三川みりさんの男女逆転宮廷ファンタジー『龍ノ国幻想1 神欺く皇子』(新潮文庫nex)が、「WEB本の雑誌」が選ぶ【「本の雑誌」オリジナル文庫大賞】第1位を獲得しました。
”命を懸けて世界を欺く壮大な男女逆転宮廷ファンタジー”『龍ノ国幻想』が「本の雑誌」オリジナル文庫大賞を受賞
「本の雑誌」オリジナル文庫大賞とは、単行本の文庫化ではなく、その年に初めから文庫として刊行された本の中から優れた「オリジナル文庫」を選ぶというものです。
今回、同賞を受賞した『龍ノ国幻想 1 神欺く皇子』は、「シュガーアップル・フェアリーテイル」シリーズ、「一華後宮料理帖」シリーズなどの人気ファンタジーシリーズを書いてきた作家・三川みりさんによる「龍ノ国幻想」シリーズの第1弾。シリーズ第2弾『龍ノ国幻想2 天翔る縁』が11月下旬に刊行されています。
<『龍ノ国幻想』あらすじ>
海に浮かぶ 央(ひさし)大地には 一原八洲(いちげんはっしゅう)と呼ばれる九つの国が存在し、巨大な龍の上に存在すると信じられている。その一国・ 龍ノ原(たつのはら)で皇尊(すめらみこと)が崩御し、皇位の座を巡り競う三人の男がいた。その中の一人、 日織皇子(ひおりのみこ)は実は女である。
この国では女は龍の声を聞く力を持つが、生まれながらにその力を持たない者は「遊子(ゆうし)」と呼ばれ、命を奪われる宿命を持つ。遊子ゆえに殺された姉の復讐を果たすため、日織は国の掟を変える決意を胸に、男として皇尊を目指す。一方、女にしか聞こえない龍の声を聞く 能力(ちから)を持つ男は 禍(まがつ)皇子として処刑される。
──「もたざる者」と「もってはならぬ者」が、命の尊厳を守るため、運命に翻弄されながら闘い、生き抜く様を描く、壮大なる男女逆転宮廷絵巻。
著者コメント
「特別な技術があったり、能力があったり――今まで、そんな主人公の物語を多く書きました。しかしある日ふと、逆をやってみたくなりました特別なことができる者ではなく、あたりまえと思われていることができない者を、主人公にしたいと。「もたざる者」の人生はきっと過酷で、だからこそ書く意味もあるはず。不思議な生き物や力があたりまえの世界で、「もたざる者」として、強く生きる者たちの姿を描けていたら良いと切に願います。」
著者プロフィール
著者の三川みり(みかわ・みり)さんは、広島県出身。角川ビーンズ小説大賞審査員特別賞を受賞し、『シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と黒の妖精』でデビュー。同シリーズが人気を博す。
ほかに「封鬼花伝」シリーズ、「一華後宮料理帖」シリーズ、「ここは神楽坂西洋館」シリーズ、『君と読む場所』、「龍ノ国幻想」シリーズなど著書多数。
龍の国幻想1 神欺く皇子 (新潮文庫) 三川 みり (著) 【作品目次より】 |
龍ノ国幻想2 天翔る縁 (新潮文庫) 三川 みり (著) 全ての試練は、神を欺いて皇位を手にした報いなのか!? 男女逆転宮廷絵巻! 日織(ひおり)は龍ノ原の皇位を巡る争いで、女であることを偽り皇尊(すめらみこと)となった。命懸けの「?」は、龍の声を聞く力を持たない娘たちの命を奪う、この国の掟を自らの手で変えるためだった。ついに、新たな御代の始まりを告げる宣儀の瞬間が来た。しかし龍を呼ぶ笛が鳴らず、皇位は認められない。呼笛は何者かによってすり替えられたのか。一方、反封洲(たんのほうしゅう)の伴有間(とものありま)という男が訪れ、一原八洲(いちげんはっしゅう)の律を犯す要求を日織に突きつける。そして、妻の悠花(はるはな)が消えた。全ての試練は、偽りで御位を手にした己への罰なのか──最愛の妻を取り戻し、国を守るために下す途轍もない「決断」とは。男女逆転宮廷絵巻第二幕。 【作品目次より】 |
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