北杜夫さん没後10年!『憂行日記』刊行 昆虫少年から文学青年へ――北杜夫さん18歳の息遣いを伝える稀有な日記が蘇る!
新潮社は北杜夫さんの没後10年にあたり、記念刊行として、北杜夫さん著/斎藤国夫さん編『憂行日記』を刊行しました。
昆虫少年から文学青年へ――、「北杜夫18歳」の息遣いを伝える稀有な日記がいま蘇る!
「毎日毎日眠られない。親父には手紙を出した。医者になりたくないと」
「父から手紙がきていた。愛する宗吉よ、と言う書き出し……もうどうにでもなれ」
若き日の北杜夫(本名:斎藤宗吉)さんの18歳のある日から日記は始まります。
憧れの旧制松本高校に入学してわずか数ヶ月で迎えた敗戦の衝撃。父・斎藤茂吉さんから家業である医者になることを期待されながらも、文学への熱い思いが芽生えていく――。
登山と昆虫採集、卓球部やクラスマッチ、ドイツ語と数学の猛勉強、友との語らいが詰まった、6冊のノート。
昭和20年6月~22年12月、繊細で心揺れる二年半があますところなく綴られています。詩歌、スケッチも多数収録。
著者プロフィール
■北杜夫(きた・もりお)さん
1927―2011。東京青山生まれ。旧制松本高校を経て東北大学医学部を卒業。1960年、船医としての半年間の体験をもとに『どくとるマンボウ航海記』を刊行。同年『夜と霧の隅で』で芥川賞受賞。
『楡家の人びと』『輝ける碧き空の下で』などの小説のほかユーモアあふれるエッセイでも活躍。父・斎藤茂吉さんの生涯をつづった「茂吉四部作」により大佛次郎賞を受賞。
■編者:斎藤国夫(さいとう・くにお)さん
1947年生まれ。東京都出身。学生時代に北杜夫さんに傾倒し、私家版の冊子『北杜夫ノオト』や年譜を作成。早稲田大学第一文学部卒業、中央公論社を経てプレジデント社。
2000年世田谷文学館で開かれた「北杜夫展」で北杜夫さんの著作目録と年譜を作成。『文藝別冊 北杜夫どくとるマンボウ文学館』2012年に寄稿。
憂行日記 北 杜夫 (著), 斎藤 国夫 (編集) 父から手紙がきていた。愛する宗吉よ、と言う書き出し……もうどうにでもなれ。ファーブルに憧れて自然豊かな松本高校に入学早々、日本は敗戦。社会の価値観は混乱し、家業の医者になることを期待される中、少年に文学への熱い思いが芽生えていく。登山、昆虫採集、卓球部、猛勉強、友との語らい――北杜夫18歳の息遣いを伝える稀有な日記。父・斎藤茂吉の作品に触発された多数の詩歌、自筆スケッチも収録。 |
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