谷口ジローさん初の本格選集「谷口ジローコレクション」第1期全10巻が刊行へ 全巻に未発表原画・ラフスケッチ、著名人の寄稿も 第1回配本は『父の暦』と『「坊っちゃん」の時代』
小学館と双葉社は共同企画として、『孤独のグルメ』などで知られる漫画家・谷口ジローさんの国内初となる本格選集を出版します。「谷口ジローコレクション」と題し、2021年10月から2022年2月までの5か月間にわたり、毎月2冊ずつ、合計10巻を第1期として刊行していきます。
谷口ジローさんの世界を堪能でき、新発見できる「究極の決定版」が登場!
谷口ジローさんの作品は欧米を中心に、1990年代以降高い評価を得ており、2021年6月にも、代表作『父の暦』が米アイズナー賞の最優秀アジア作品賞にノミネートされるなど、2017年2月の没後もその作品は高く評価される状況が続いています。
一方で、近年は国内でもその作品群に対し、再評価の機運が高まりつつあります。現在、東京都の世田谷文学館では過去最大規模の原画展「描くひと 谷口ジロー展」が開催中で、大きな話題を集めています(~2022年2月27日・地方巡回も予定)。また、近年『孤独のグルメ』を筆頭に、『歩くひと』『神々の山嶺』など代表作が次々と映像化され、2022年以降も谷口作品の再評価の機運が高まっています。
これらの盛り上がりを受け、谷口ジローさんの代表作を原稿から新たにスキャンし、雑誌掲載時と同じ、B5サイズの大判で刊行するのが「谷口ジローコレクション」(第Ⅰ期全10巻)です。
全巻、未発表原画・ラフスケッチと、豪華執筆陣による解説・寄稿文掲載の別冊の封入が決定!
今回、毎巻異なる別冊小冊子『「紙」が語ること―谷口ジローの世界』が封入されます。この小冊子には、谷口ジローさんの仕事場より発掘された各作品のラフスケッチや、未発表作品構想メモなどを毎回数点掲載します。
また、谷口ジローさんの世界をより読み解くための連載評論や、谷口氏さんゆかりのある著名人の方々による書き下ろしエッセイを掲載していきます。
第1回配本の『父の暦』には関川夏央さんの連載評論「谷口ジローとの歳月」第1回と、柴崎友香さん(小説家)のエッセイ「故郷と記憶、過去との距離」を掲載。『「坊ちゃん」の時代』には、ブノワ・ペータースさんの連載評論「谷口ジロー 普遍的な漫画家」第1回と、中島かずきさん(脚本家)「谷口ジローと出会った頃」を掲載します。また、第2回配本以降も久住昌之さん、平松洋子さんなど、様々な方々の寄稿が決定しています。
「谷口ジローコレクション」刊行ラインナップについて
「谷口ジローコレクション」第Ⅰ期全10巻は、小学館と双葉社から毎月各1冊の計2冊が、2021年10月~2022年2月の5か月にわたって刊行されます。刊行ラインナップは以下の通りです。
2021年10月29日頃発売
『父の暦』(小学館)
『「坊ちゃん」の時代』(双葉社)
2021年11月30日頃発売
『遥かな町へ』(小学館)
『秋の舞姫』「坊っちゃん」の時代 第二部(双葉社)
2021年12月28日頃発売
『冬の動物園』(小学館)
『かの蒼空に』「坊ちゃん」の時代 第三部(双葉社)
2022年1月28日頃発売
『欅の木』(原作:内海隆一郎、小学館)
『明治流星雨』「坊ちゃん」の時代 第四部(双葉社)
2022年2月28日頃発売
『青の戦士』(原作:狩撫麻礼さん、小学館)
『不機嫌亭漱石』「坊ちゃん」の時代 第五部(双葉社)
※『「坊ちゃん」の時代』はすべて関川夏央さんとの共作
「谷口ジローコレクション」の5大特長
本選集は、「谷口ジローの決定版選集」という位置づけの下、以下を5大特長として刊行されます。
◆その1 雑誌掲載時と同じB5サイズの大判で刊行
今回、『ビッグコミック』や『漫画アクション』等の雑誌掲載時と同じ、B5サイズの大判で刊行します。
2020年に同じくB5サイズで刊行された『歩くひと 完全版』(小学館)では「作品が迫ってくるような圧倒的なインパクトがあった」「これまでの小さなサイズの単行本では気づけなかった細部の工夫を堪能できた」といった好評の声が寄せられています。谷口さんは原稿を執筆する際、B5サイズになることを想定して描いていたこともあり、本シリーズでは著者の意図に近い形で、作品を楽しめます。
◆その2 原稿はすべて最新のスキャナーで取り込み、新規製版
今回、現存する原稿はすべてスキャンし直し、セリフなどの文字も打ち直しています。これまでの単行本よりも、描線一本一本がくっきりと、スクリーントーンの重ね技もより克明に見えるようになります。
また、薄墨やホワイトなどを用いたページについては、より高精度にスキャンし、原画上での表現を極力再現する工夫を行っています。
◆その3 カラーページを完全収録! 初収録となる画稿も
雑誌掲載時に4色カラー、2色カラーで掲載されたページについては、すべて4色印刷で収録します。
第1回配本の『父の暦』では、2色カラーページを単行本で初再現するほか、単行本ではトリミング掲載された鳥取大火の画稿の全貌を、改めて口絵として掲載します。
◆その4 限定特典として毎巻、別冊小冊子付き! 豪華執筆陣による書き下ろし原稿と、未発表ラフなどを掲載
毎巻、別冊小冊子『「紙」が語ること―谷口ジローの世界』を封入。谷口ジローさんの世界をより楽しむための評論、エッセイを掲載していきます。
第1回配本、『父の暦』には関川夏央さんの連載評論「谷口ジローとの歳月」第1回と、柴崎友香さん(小説家)のエッセイ「故郷と記憶、過去との距離」を掲載。
『「坊ちゃん」の時代』には、ブノワ・ペータースさんの連載評論「谷口ジロー 普遍的な漫画家」第1回と、中島かずきさん(脚本家)の「谷口ジローと出会った頃」を掲載します。
また、谷口さんが新作の構想を練る上で描いた未発表のラフスケッチ等も、毎回数点掲載します。
◆その5 ハードカバーの豪華美麗装幀ながら開きやすい製本、読みやすい用紙を採用
本選集は愛蔵版でありながらも、読みやすさにこだわっています。喉元までしっかりと開く製本に、しなやかな用紙を採用することで、作品世界に没頭できる造本を目指しています。
父の暦(谷口ジローコレクション) 谷口 ジロー (著) 大型選集「谷口ジローコレクション」第1弾 世界中で数々の漫画賞を受賞した谷口ジロー、初の本格選集が登場! サイズは迫力の大画面B5判! 第一弾は1994年に「ビッグコミック」で連載され、谷口氏の代表作ともなった『父の暦』。 長年わだかまりを抱えたまま会うことなく、突如亡くなった父との最後の対面。 父と素直に向き合うことができなかった全ての人々に、谷口氏が遺した名作を今、お届けします。 ●各巻に購入特典として別冊小冊子封入。 |
谷口ジローコレクション「坊っちゃん」の時代 谷口 ジロー (著), 関川 夏央 (著) 谷口ジローの作品は海外での評価が非常に高く、主要作は軒並み20万部近い実売を記録、現在も毎月のように新刊が出版されています。この選集は、2021年以降の谷口氏の新たな盛り上がりを見越して、読者の要望に応えられるような質の高い作品集として準備しつつ、その国際的な評価を改めて日本国内で広め伝えていくもの。 |
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