デビュー30周年!重松清さんが贈る11の小さな星たちの物語『かぞえきれない星の、その次の星』刊行
1991年に作家デビュー、2021年は30周年にあたる重松清さんの最新単行本『かぞえきれない星の、その次の星』が、KADOKAWAより刊行されました。
11の小さな物語が収録された短篇集である本作。感染症が広がり休校がつづく春の夜の不思議な出来事、離れて暮らしオンラインで会話する父と幼い娘が迎えた七夕の夜、母と二人暮らしのミックスルーツの少女――。今の時代を生きる読者に響く物語が詰まった「さみしさと希望」の作品集です。
著者コメント
現実にはありえない話だけど、
2021年を生きる10代の自分に届けたくて、
この本を書きました。
――重松 清
さみしさは消えない。でも、希望は、ある。11の小さな星たちの物語――最新作『かぞえきれない星の、その次の星』について
かぞえきれないものを、ときどき見たほうがいい。
ぼくたちは皆、また間違えてしまうかもしれないから――
【収録作品】
※雑誌『小説 野性時代』掲載作に書き下ろしを加えた、全11篇
●「こいのぼりのナイショの仕事」
感染症がひろがり休校になってしまった春、子どもたちのためにこいのぼりが企んだのは……。
●「ともしび」
昔むかし、いくさに敗れた人たちを迎えた村は、今は「きみたち」――自分の居場所をなくした子どもたちを、迎える村になった。
●「天の川の両岸」
感染症流行で、大切な相手であればあるほど会えない日々。パパは毎日、画面越しの娘と会話する。
●「送り火のあとで」
亡くなった母を迎えるお盆、今年は新しい「ママ」がいる。ぼくと姉の揺らぐ気持ちは……。
●「コスモス」
ミックスルーツのリナはお母さんと二人暮らし。友達からは、「日本人っぽい」とも「日本人離れ」とも言われて――。
●「原っぱに汽車が停まる夜」
原っぱで遊ぶ、大勢の子どもたち。夜だけ現れるこの不思議な場所に来る子たちには、「影」がない。
●「かえる神社の年越し」
なかったことにしたいこの一年の切ない願いを託されて、神社の「かえる」たちは年を越す。
●「花一輪」
鬼退治のため村に逗留中の桃太郎の一行。なかなか動かない彼の狙いとは……。
●「ウメさんの初恋」
もう先が長くないというひいおばあちゃんのウメさん。彼女のおひなさまと戦争の話を聞いた私は……。
●「こいのぼりのサイショの仕事」
新しい春もウイルスは猛威をふるっている。おとなだけの「ナイショの仕事」ができない僕たちだって、できることをしたいんだ。
●「かぞえきれない星の、その次の星」
気がつくと、「ぼく」は夜の砂漠にいた。星空の下、出会った「おじさん」と話したのは……。物語と世界の真実を示す、最後の一篇。
著者プロフィール
著者の重松清(しげまつ・きよし)さんは、1963年生まれ。岡山県出身。出版社勤務を経て執筆活動に入る。1991年『ビフォア・ラン』でデビュー。
1999年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木賞、2010年『十字架』で吉川英治文学賞、2014年『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞を受賞。話題作を次々に刊行する傍ら、ルポルタージュやインタビューなども手がける。
『定年ゴジラ』『流星ワゴン』『疾走』『きよしこ』『その日のまえに』『きみの友だち』『ステップ』『みぞれ』『とんび』『ファミレス』『赤ヘル1975』『どんまい』『木曜日の子ども』『きみの町で』『ひこばえ』『ルビィ』『ハレルヤ!』『めだか、太平洋を往け』など著書多数。
かぞえきれない星の、その次の星 重松 清 (著) さみしさは消えない。でも、希望は、ある。11の小さな星たちの物語 かぞえきれないものを、ときどき見たほうがいい。 感染症がひろがり休校になってしまった春、子どもたちのためにこいのぼりが企んだのは……。 「こいのぼりのナイショの仕事」「こいのぼりのサイショの仕事」 「星のかけらには、さみしさが埋まってる」 「誰かに会いたいと思ってるとき、ほんとうはもう会えてるのかもしれないな」 収録作品:こいのぼりのナイショの仕事/ともしび/天の川の両岸/送り火のあとで/コスモス/原っぱに汽車が停まる夜/かえる神社の年越し/花一輪/ウメさんの初恋/こいのぼりのサイショの仕事/かぞえきれない星の、その次の星 |
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