【第27回Bunkamuraドゥマゴ文学賞】松浦寿輝さん『名誉と恍惚』が受賞
第27回Bunkamuraドゥマゴ文学賞は9月4日、川本三郎さんの選考により、松浦寿輝さんの『名誉と恍惚』(新潮社)に決定しました。
Bunkamuraドゥマゴ文学賞について
Bunkamuraドゥマゴ文学賞は、パリの「ドゥマゴ文学賞」(1933年創設)のもつ先進性と独創性を受け継ぎ、既成の概念にとらわれることなく、常に新しい才能を認め、発掘することを目的に、1990年に創設された文学賞です。東急文化村が主催。
前年7月1日から当年7月31日までの13ヶ月間に出版された単行本または雑誌等に発表された日本語の文学作品(小説、評論、戯曲、詩)を対象とし、受賞作は、毎年「ひとりの選考委員」によって選ばれます。選考委員の任期は1年間。
第27回Bunkamuraドゥマゴ文学賞について
今回の受賞作は、先日、第53回谷崎潤一郎賞も受賞した、詩人・小説家・仏文学者で、東京大学名誉教授の松浦寿輝さんの『名誉と恍惚』に決定しました。選考委員は、評論家でエッセイストの川本三郎さん。
松浦さんには、正賞として賞状およびスイス・ゼニス社製時計が、副賞として100万円が贈られます。授賞式は10月12日、Bunkamuraで開催。
なお、川本三郎さんによる選評、松浦寿輝さんと川本さんのプロフィールなどは、http://www.bunkamura.co.jp/bungaku/winners/27.html をご覧ください。
ふるさとなんかどこにもないが、生きてやる。おれの名誉と恍惚はそこにある。
日中戦争のさなか、上海の工部局に勤める日本人警官・芹沢は、陸軍参謀本部の嘉山と青幇の頭目・蕭炎彬との面会を仲介したことから、警察を追われることとなり、苦難に満ちた潜伏生活を余儀なくされる……。
祖国に捨てられ、自らの名前を捨てた男に生き延びる術は残されているのか。千三百枚にも及ぶ著者渾身の傑作長編。
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