環境問題の嚆矢となった『沈黙の春』著者レイチェル・カーソンさんの名作『センス・オブ・ワンダー』が文庫化 川内倫子さんの写真、福岡伸一さん・若松英輔さん・大隅典子さん・角野栄子さんの解説を特別収録
新潮社はレイチェル・カーソンさんの名作『センス・オブ・ワンダー』(訳:上遠恵子さん)の文庫版を刊行します。
同書はアメリカで1965年に刊行され、日本では1996年に紹介され、以来ロングセラーとして多くの人を魅了してきました。
著者であるレイチェル・カーソンさんは、農薬DDTの危険性を誰よりもはやく告発した『沈黙の春』で知られる生物学者ですが、この『センス・オブ・ワンダー』では子どもたちが自然に触れ、生命の不思議さに感じることの大切さを語ったエッセイ集です。持続可能な開発目標が重要性が問われる今、ふたたび注目を集める作品です。
美しい写真と豪華解説陣による文庫版
文庫化にあたっては、写真家の川内倫子さんの写真を添え、また『センス・オブ・ワンダー』を高く評価してきた生物学者の福岡伸一さん、文芸評論家の若松英輔さん、神経科学者の大隅典子さん、児童文学者の角野栄子さんの解説エッセイが収録されています。
◆福岡伸一さん「センス・オブ・ワンダー。私の一番好きな言葉である。」
◆若松英輔さん「頁を開く。冒頭の一節を読んだとき、言葉が光になった。」
◆大隅典子さん「人間が世界のすべてを掌握しているのではないと認識するのは、謙虚で大切なセンスだろう。」
◆角野栄子さん「物語を読むことは、不思議を感じる心、センス・オブ・ワンダーを喚起することなのです。」
『センス・オブ・ワンダー』内容紹介
雨のそぼ降る森、嵐の去ったあとの海辺、晴れた夜の岬。そこは鳥や虫や植物が歓喜の声をあげ、生命なきものさえ生を祝福し、子どもたちへの大切な贈り物を用意して待っている場所……。
未知なる神秘に目をみはる感性を取り戻し、発見の喜びに浸ろう。環境保護に先鞭をつけた女性生物学者が遺した世界的ベストセラー。著者の没後に友人たちによって刊行され、日本だけでも30万部を超える世界的ベストセラーとして読まれ続けている。
著者プロフィール
■著者:レイチェル・カーソン(Rachel Carson)さん
1907-1964年。ジョンズ・ホプキンズ大学で生物学を学ぶ。アメリカ合衆国漁業局に勤務したのち作家生活に入る。
1962年、鳥や人に無害な「奇跡の化学物質」とされ、殺虫剤や農薬に広く使われたDDTの危険性をいちはやく告発した『沈黙の春』を上梓。世界的な禁止運動の端緒となり、環境保護の先鞭をつけた。
■訳者:上遠恵子(かみとお・けいこ)さん
1929年生れ。東京薬科大学卒業。エッセイスト、レイチェル・カーソン日本協会理事長。
1974年、ポール・ブルックス『生命の棲家』(後に『レイチェル・カーソン』と改題)を訳出し、以来カーソンさんの研究をライフワークとする。訳書にカーソンさん『センス・オブ・ワンダー』『海辺』『潮風の下で』などがある。
センス・オブ・ワンダー (新潮文庫) レイチェル・カーソン (著), 上遠 恵子 (翻訳) 雨のそぼ降る森、嵐の去ったあとの海辺、晴れた夜の岬。そこは鳥や虫や植物が歓喜の声をあげ、生命なきものさえ生を祝福し、子どもたちへの大切な贈り物を用意して待っている場所……。未知なる神秘に目をみはる感性を取り戻し、発見の喜びに浸ろう。環境保護に先鞭をつけた女性生物学者が遺した世界的ベストセラー。川内倫子さんの美しい写真と、半世紀たっても輝きを失わない理由を説く豪華執筆陣による解説とともに贈る。 【目次】 |
◆燃え殻さん『ボクたちはみんな大人になれなかった』の”その後の物語”『これはただの夏』が文庫化 | 本のページ
◆耽溺の夜を待ち望む娘、女の香に惑乱する僧侶――花房観音さん時代小説集『京に鬼の棲む里ありて』が刊行 | 本のページ
◆日本が誇る世界的作家は卓越した写真家でもあった――安部公房が撮影した本格写真集『安部公房写真集』が刊行 | 本のページ
◆ロス・トーマス〈初期未訳長篇〉『狂った宴』が刊行 | 本のページ