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福地桃子さん主演映画「あまのがわ」を小説化 親、友人との葛藤で不登校になった女子高生が、AIロボットと旅をしながら主体的に生きることの大切さに気づき、生きる希望を見いだしていく物語

古新舜さん著『あまのがわ』

古新舜さん著『あまのがわ』

ラグーナ出版は、思春期の精神的危機に直面する女子高生を主人公にした、古新舜さん著『あまのがわ』を刊行しました。

 

小説化の背景と内容

本書は、福地桃子さん主演、古新舜さん監督・脚本で2019年に全国で劇場公開された同名映画を小説化したものです。

親、友人との葛藤で不登校になった女子高生が、世界自然遺産の屋久島を舞台に、自然、個性的な人々、そしてひょんなことからAIロボットとの交流を通して、生きる希望を見いだしていく物語です。

 
著者の古新舜さんは、長編初監督作品「ノー・ヴォイス」で犬猫の殺処分をテーマに、人間と犬猫との共生のあり方を描きました。小説の元となった映画「あまのがわ」は、第31回東京国際映画祭特別招待作品、2021年1月にはベトナムの日本映画祭において日本代表の1作品に選定されました。

 
新型コロナウィルス感染症によって、人と人とのコミュニケーションが大きく変化しました。社会的距離(ソーシャルディスタンス)が提唱され、孤立やうつが社会問題となる一方、家族の距離は縮まり、虐待や不和といった家庭内の問題も大きくクローズアップされています。また、人と人とをつなぐ新たなツールとしてテクノロジーが果たす役割も注目されています。

映画はコロナ前に公開されましたが、今回、人とのコミュニケーション、テクノロジーの役割を再考し、コロナ禍の今だからこそ見えてきたメッセージを小説で表現しています。

 

著者からのメッセージ

これまで映画を通じて、現代社会の課題を抽出してきました。犬や猫、寝たきりの人、難病を抱えた人など、いわゆる他者とのコミュニケーションをテーマとし、それらの関係のなかで自分だからこそできることは何なのかを問い続けています。

映画は限られた条件から数を絞ってエピソードを紡いでいきますが、小説では、映画の物語を土台として、さらに踏み込んで登場人物の過去や背景を描写しました。映画だからこそ伝えられるメッセージがあり、そして小説だからこそ味わえる感動があります。

映画が公開されてから時が経ち、映画で扱ったテーマも状況が変わりました。モチーフとして取り上げたロボットのOriHimeは急速に社会に受け入れられ、多くの方々に利活用されています。そして、新型コロナで社会の様相が一変した現在だからこそ、人とのつながりやテクノロジーの役割、私たち一人ひとりの人生のあり方を問いかけたい、投げかけたい。そんな強い想いからこの小説は生まれました。答えが決まらない時代だからこそ、この作品が現代社会を生きていくための一つのヒントになっていただけたら幸いです。

この作品を通じて温かさと希望に満ちた未来が皆さんに届きますように。

 

本書の目次

あまのがわ

対談 ロボットをもう一人の自分として、新たな関係性をつむぐ 古新舜×吉藤オリィ

あとがき

 

著者プロフィール

著者の古新舜(こにい・しゅん)さんは、映画監督・ストーリーエバンジェリスト。早稲田大学大学院国際情報通信研究科修了。デジタルハリウッド大学大学院デジタルコンテンツ研究科修了。コスモボックス株式会社代表取締役。北陸先端科学技術大学院大学博士後期課程在籍。

著書に『ノー・ヴォイス』(三交社、2019年)がある。現在、監督としてパーキンソン病をテーマにした『いまダンスをするのは誰だ?』(2022 年公開予定)を準備中。

 

映画「あまのがわ」について〔敬称略〕

2019年劇場公開

■主演:福地桃子

■監督・脚本・原作:古新 舜

■主題歌:住岡梨奈「あまのがわ」(徳間ジャパンコミュニケーションズ)

■制作:コスモボックス
■制作協力:ザフール・アユダンテ

(C)あまのがわフィルムパートナーズ

 

あまのがわ
古新 舜 (著)

学校での出来事をきっかけに不登校になった主人公、琴浦史織。
母親が決めた人生のレールに疲れ、自分を見失った彼女は、祖母の頼みをきっかけに東京から屋久島へと旅立つ。
そこで、せいらというAIロボットと出会うが、ロボットはある秘密を抱えていたー。
世界自然遺産の屋久島、ロケット基地の種子島を舞台に、個性的な人々と自然、ロボットとの交流を通して、人生でほんとうに大切なものに気づき、新しい自分へ踏み出していく、心温まる物語。

 
【関連】
長編映画「あまのがわ」公式WebSite

 


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