【ほんタメ文学賞2021年上半期】第一回大賞は芦沢央さん『神の悪手』と千早茜さん『ひきなみ』が受賞
本にまつわる情報をさまざまな角度から紹介し、小説ファンの注目を集めるYouTube番組「ほんタメ」(https://www.youtube.com/channel/UC0zArNuGZKdvzSkfHbR9yLA)発の文学賞「ほんタメ文学賞2021年上半期」の受賞作が発表されました。
「ほんタメ文学賞」について
「ほんタメ」は、YouTuberのヨビノリたくみさんと女優の齋藤明里さんが、愛情たっぷりに好きな本について語るYouTube番組です。チャンネル登録者数は1万5000人以上。
そして、今回開催された同番組発の文学賞「ほんタメ文学賞」は、ほんタメMCのたくみさんとあかりんが2021年1~6月に発売された書籍から独断で3冊ずつ候補作を選出、その中からそれぞれ1冊づつ大賞を決定します。
なお、ジャンルは「たくみ部門」がミステリ、「あかりん部門」が純文学・エンタメとなっています。
また、八重洲ブックセンター本店(https://www.yaesu-book.co.jp/)では、特設コーナーで〈ほんタメ文学賞〉ノミネート作品のフェア棚が展開されています。
「ほんタメ文学賞2021年上半期」が決定!
「ほんタメ文学賞2021年上半期」の受賞作品は次の通りです。
<ほんタメ文学賞2021年上半期 受賞作品>
■たくみ部門(ミステリ)
芦沢央(あしざわ・よう)さん
『神の悪手』(新潮社)
■あかりん部門(純文学・エンタメ)
千早茜(ちはや・あかね)さん
『ひきなみ』(KADOKAWA)
たくみ部門を受賞した芦沢央さんは、1984年生まれ。東京都出身。千葉大学文学部卒業。2012年『罪の余白』で第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。2016年『許されようとは思いません』が第38回吉川英治文学新人賞候補に、2018年『火のないところに煙は』が第32回山本周五郎賞候補となり、第7回静岡書店大賞を受賞、さらに、第16回本屋大賞にノミネート。2021年『汚れた手をそこで拭かない』が第146回直木賞候補、第42回吉川英治文学新人賞候補に。
あかりん部門を受賞した千早茜さんは、1979年生まれ。北海道出身。立命館大学文学部卒業。小学生時代の大半をアフリカ・ザンビアで過ごします。2008年『魚神』で第21回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2009年、同作で第37回泉鏡花文学賞も受賞。2013年『あとかた』で第20回島清恋愛文学賞を受賞。2021年『透明な夜の香り』で第6回渡辺淳一文学賞を受賞。
なお、候補作品は以下の各3作品でした。
【候補作品】
<たくみ部門(ミステリ)>
◎道尾秀介さん『雷神』(新潮社)
◎浅倉秋成さん『6人の嘘つきな大学生』(KADOKAWA)
◎芦沢央さん『神の悪手』(新潮社)
<あかりん部門(純文学・エンタメ)>
◎千早茜さん『ひきなみ』(KADOKAWA)
◎アンナ・ツィマさん『シブヤで目覚めて』(訳:阿部賢一さん・須藤輝彦さん/河出書房新社)
◎佐原ひかりさん『ブラザーズ・ブラジャー』(河出書房新社)
神の悪手 芦沢 央 (著) たとえ破滅するとしても、この手を選びたい。 26歳までにプロになれなければ退会――苛烈な競争が繰り広げられる棋士の養成機関・奨励会。 リーグ戦最終日前夜、岩城啓一の元に対局相手が訪ねてきて…… 追い詰められた男が 将棋人生を賭けたアリバイ作りに挑む表題作ほか、運命に翻弄されながらも前に進もうとする人々の葛藤を、驚きの着想でミステリに昇華させた傑作短篇集。 |
ひきなみ 千早 茜 (著) 私たち、ずっと一緒だと思っていたのに。彼女は脱獄犯の男と、島から消えた――。 小学校最後の年を過ごした島で、葉(よう)は真以(まい)に出会った。からかいから救ってくれたことを機に真以に心を寄せる葉だったが、ある日真以は島に逃げ込んだ脱獄犯の男と一緒に島から逃げ出し、姿を消してしまう。 裏切られたと感じた葉は母に連れられ東京へ戻るが、大人になって会社で日々受けるハラスメントに身も心も限界を迎える中、ある陶芸工房のHPで再び真以を見つける。たまらず会いに行った葉は、真以があの事件で深く傷ついていることを知り――。 女であることに縛られ傷つきながら、女になりゆく体を抱えた二人の少女。 装丁:大久保伸子 |
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