【訃報】児童文学作家・那須正幹さんが死去 「ズッコケ三人組」など
児童文学作家の那須正幹(なす・まさもと)さんが7月22日、死去しました。79歳。広島県広島市出身。
那須正幹さんは、1942年生まれ。3歳の時に爆心地より三キロの地点で被爆。広島市庚午中学、基町高校を卒業。島根農科大学林学科(現・島根大学)卒業後、文筆生活に入ります。
主な作品に、1978年発表の『それいけズッコケ三人組』をはじめとする「ズッコケ三人組」シリーズ(巖谷小波賞)があります。同シリーズは、那須正幹さんが生まれ育った町、広島市己斐(こい)町をモデルにした「花山町」を舞台に、ハチベエ・ハカセ・モーちゃんの三人が大活躍するシリーズです。全50巻、累計2500万部を超えるロングセラーとなっています。
2004年に50巻目となる『ズッコケ三人組の卒業式』を書き上げたところで、このシリーズもいったん完結しますが、2005年からは四十歳になった三人組を主人公にした「ズッコケ中年三人組」シリーズを開始。「ズッコケ中年三人組」シリーズでは、広島市の土砂災害を取材し、作中に反映させるなど、広島市と非常に縁が深い作家です。
著書に、『首なし地ぞうの宝』『ねんどの神さま』『こちら妖怪クラブ』『少年のブルース』『ぼくらは海へ』『大あばれ山賊小太郎』『まけるなメンドリーズ』、「コロッケ探偵団」シリーズ、「写楽ホーム凸凹探偵団」シリーズ、『さぎ師たちの空』(路傍の石文学賞)、『ヨースケくん』、「お江戸の百太郎」シリーズ(日本児童文学者協会賞)、『ズッコケ三人組のバック・トゥ・ザ・フューチャー』(野間児童文芸賞)、『絵で読む広島の原爆』(産経児童出版文化賞)、ノンフィクション『折り鶴の子どもたちー原爆症とたたかった佐々木禎子と級友たちー』など。戦後を懸命に生きる女性三代を描いた小説「ヒロシマ」三部作(『歩きだした日』『様々な予感』『めぐりくる夏』)も。
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